You're My Only Shinin' Star (202) 対峙 1 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

国内ライブツアーを二週間後に控え練習にも熱が入るA.N.JELLのメンバー達。


「ファンの心をしっかりと摑んで離さない演奏をしてくれよ。」


テギョンの交際発表後初めてのツアーということもあり、アン社長もいつも以上に仕上がりが気になっていた。


「テギョンヒョンが離したくないのはミニョの心だけだよね~」


「そうそう、心だけじゃなくて身体も離したくないだろうけど。」


ジェルミとミナムがどこまでが冗談だか判らないことを言うと、アン社長は、おいおい・・・と苦笑いを浮かべた。


「いくら公にしたからって、いきなり子供が出来ました、なんてやめてくれよ。」


アン社長はテギョンの肩においた手に力を込めるとそのままポンポンと叩き、「頼んだぞ」と部屋を出て行く。

テギョンもアン社長の後ろをついていくように部屋を出た。


「アン社長。」


「そう何度も言わなくても判ってる。」


後ろから声をかけられたアン社長は、呼ばれただけでテギョンが何を言いたいのか判っているらしく、振り返ることなくそう言った。


「だったら・・・」


「だが焦る必要はないだろう、今年の秋だなんて早くないか?交際発表したのは最近だろう。それに結婚するから二週間オフが欲しいなんて・・・丁度テギョン個人の仕事で忙しい時期じゃないか。」


「仕事なら大丈夫です。作曲がほとんどだし、夏のアルバムさえ予定通りに出せれば・・・」


廊下を歩きながら会話をしていたアン社長の足がピタリと止まった。


「まさか・・・本当にミニョさんが妊娠したとか・・・」


「違います。」


「だったらもう少し後でもいいだろう。」


アン社長は約束があるからとその場を逃げるように立ち去る。

期待はしていなかった。すんなりOKがもらえるとは思っていなかったし、何かと理由をつけて引き伸ばされるであろうことも予測していた。

しかし待てと言われても今まで十分待ったと自分では思っている。

コンサートでの告白の後すぐにアフリカへ行ったミニョを待って半年。その後、ボランティアの延長で二ヶ月。

ミニョは帰って来たが、交際を公に出来ずまた半年。交際発表はしたが、仕事のことを考え今すぐにでも結婚したいのを我慢してあと半年待つことにした。

これ以上待つつもりはない。


「何かいい方法はないか・・・」


ファンの反応を気にするアン社長を納得させる何かが・・・


ふうっとため息をつき二階の窓から外へと向けた視線の先に、思いもよらない人物の姿を見つける。


「あの男・・・何でこんな所まで・・・」


テギョンは事務所へと近づいてくるハン・テギョンに顔をしかめた。






「また会うとは思ってませんでした、それもこんな場所で。」


外へ出たテギョンはハン・テギョンの前に立つと口の片端を上げ先に声をかけた。


「どうもこんにちは。今日はアン社長と約束してるんですが・・・。あれ?この間お会いした時僕言いましたけど、また・・・って。」


フッとハン・テギョンの口元に笑みが浮かんだように見える。

CM撮影の後、ハン・テギョンとの会話で何か引っかかっていると思っていたことがやっと判った。そう、確かにこの男は「また・・・」と言っていた。

あの時既に仕事でA★Nエンターテイメントの事務所を訪れることが判っていたハン・テギョンはニコニコ笑い、テギョンは口元を歪める。


「そう言えば・・・この前、ミニョちゃん大丈夫でした?間違えてお酒飲んじゃったみたいで・・・」


笑いながら言うハン・テギョンの言葉に、すぐにアフリカのボランティア仲間と一緒に食事をした時のことだと気づいたテギョン。



やっぱりこの男、俺のこと気づいてたんだな・・・



「ええ、それほど強い酒ではなかったんでしょう、何ともありませんでしたよ。」


努めて何でもないことのように答えた。


「・・・やっぱり、ミニョちゃんの彼って、あなたなんですね・・・ファン・テギョンさん。」


それまで笑っていたハン・テギョンの顔からスッと笑みが消えた。

いつもニコニコと笑みを浮かべていた顔が真顔になるとそれだけで雰囲気がガラッと変わる。

そのギャップがこれからする会話が真剣なものだと語っているようで。

テギョンは目の前の男の変化に相手の出方を待った。


「僕はミニョちゃんが好きでした。でもミニョちゃんに彼氏がいると知って諦めようと思った。相手が『A.N.JELLのファン・テギョン』だと判るまでは・・・」


ハン・テギョンは目の前の目つきの鋭い男を見ながら一旦そこで言葉を止めると大きく息を吸った。


「A.N.JELLのファン・テギョンさんって色々とスキャンダルがネットにも新聞にも載ってましたよね。僕、A.N.JELLってよく知らなかったけど、アフリカにいた時ネットで何度か見ましたよ。別の女性と仲良さそうに写ってるところ。」


「・・・それがどうかしましたか?」


テギョンは落ち着いた声で静かに言う。

確かにテギョンのスキャンダル記事は時々ネットやゴシップ誌に載る。それはミニョと会う以前から、A.N.JELLが売れだした頃からテギョンに付き纏っているもの。


CMで共演したモデル、雑誌で対談をした女優、番組で一緒になった歌手等、数えればきりがないほど。仕事で一緒に食事でもしようものならいかにもその後で何かあったかのように書かれることも。

憶測だらけの記事。購買意欲を煽る見出し。

その中の真実といえばただその場に一緒に居たということだけ。

ミニョがアフリカにいた時もA.N.JELLを取材していた記者と一緒に写っている写真がネットに載った。

『それがどうかしましたか?』

うんざりしつつも暫くすれば自然消滅していく噂などテギョンにとってはいちいち気に留めるほどのことではない、そういうつもりで言った言葉だった。

しかしそのテギョンの答えをまるでテギョンがすべての記事の内容を肯定したかのように受け取ったハン・テギョンは、彼には珍しく表情を険しくするとテギョンを睨むように見た。


「ミニョちゃんもそのうち今までの記事みたいに多くの女性の一人として書かれることになるんですか?」


「はあ?」


ハン・テギョンはA.N.JELLに興味がなかった。少し前までテギョンの顔もテギョン以外のメンバーの名前すらうろ覚えだった。しかし彼の周りにはA.N.JELLのファンが多い。

会社の女性社員、アフリカで一緒だったソユンとシヒョン。

彼の耳には彼女たちが仕入れた情報が彼の意思とは関係なく入ってくる。その結果、ネットで騒がれる度『ファン・テギョンという男は短期間で付き合う女性を替える男』というイメージがハン・テギョンの中で出来あがっていった。




。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆




ありゃりゃ、本編の更新がずいぶん遅くなってしまいました。

甘~いのとお笑いを書いてたら、なかなか頭が本編に戻って来れなかった(笑)

今のところ下書きのストックは10話をキープしています。

1話下書きが書けたら1話更新という感じなのですが、最近は下書き出来あがるのが遅くって。

妙なお話書いてる場合じゃないですね、本編に集中、集中・・・



*:.。。.:゜ *:.。。.:゜ *:.。。.:゜



― ピグのお部屋より ―


カステラ、クリームパン、おまんじゅう、緑茶×2、いちごポッキー、シナモロール、、飲茶、シュト―レン×2、お月見団子、フルーツタルト、ココア、マルゲリータピザ


ありがとうございます。

いつもおいしくいただいています♪




宜しければ1クリックお願いします

  更新の励みになります

         ↓

   にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
    にほんブログ村



  ペタしてね    読者登録してね