You're My Only Shinin' Star (196) 行ってこい | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

二人がソウルへ帰ってきたのは夜遅くなってからだった。

マンションの地下駐車場へ静かに車を停めるとエンジンを切る。助手席に座るミニョは小さな寝息を立てていた。


「ミニョ、着いたぞ。ミニョ・・・ミニョ・・・」


名前を呼び肩を揺すろうと伸ばした手を止める。

テギョンはシートベルトを外すと助手席へと身を乗り出し、正面からミニョの顔を眺めた。

長いまつ毛、可愛らしい鼻、柔らかそうな唇・・・

軽く唇を重ねてみるとミニョの唇がピクリと反応した。

僅かに口元を動かすが目を覚まさないミニョにテギョンの口の端が微かに上がる。

テギョンは啄むような口づけを何度も繰り返した。




車の揺れが気持ちよくて襲ってくる眠気に抗えず、瞼を閉じたミニョ。

どこか遠くの方で自分を呼ぶ声が聞こえたような気がした。

低くて、優しくて、甘い声。

大好きな声、心地のいい声。

唇に何かが触れた。

何だかちょっとくすぐったい。

でも、温かくて、柔らかくて、気持ちがいい・・・




「・・・んっ!」


瞼を開けたミニョは目の前のテギョンのアップに驚き身体をビクつかせた。


「やっと起きたか、キスで起きないようなら・・・テジトッキにしてやろうと思ったんだが。」


テギョンの言葉で唇に触れていたものが何だったのかを理解したミニョは、瞬く間に顔を赤くする。

口元を手で押さえ目を丸くしているミニョの鼻をテギョンは人差し指で軽く押すとクックッと笑った。


「降りるぞ。」


手を口に当てたまま周りをキョロキョロと見回しマンションの駐車場にいることが判ると、ミニョは慌てて車から降りた。






玄関のドアを開けると部屋の中は真っ暗だった。明るいのはセンサーでライトのついた玄関だけ。

夜遅くてもカトリーヌがいればリビングの電気はついているのだが、この間の宣言通りイギリスへ帰っているカトリーヌが戻って来るのは数日後。

今までにも何度かイギリスへ帰っているカトリーヌ。今回も暫くすればここへ戻って来るのだが、次にイギリスへ行ってしまえばもうここには帰ってこないと思うと、寂しさが込み上げる。

ミニョは小さなため息をつくとキッチンへ向かった。


「オッパ、何か飲みますか?」


テギョンは返事をする前に自分で冷蔵庫を開けると水のペットボトルを取り出し、リビングのソファーでぐびぐびと半分程一気に飲んだ。


「行きたいか?」


「え?」


「・・・イギリス・・・」


ミニョの方を見ずにそう聞くとテギョンは残りの水を一口飲む。

その場で「行きたいです」と小さな声で答えたミニョはテギョンの隣に座ると窺うような視線を向けた。


「えっと・・・ダメ・・・ですか?」


YESかNOかの返事を固唾を呑んで待つミニョの視線を痛いくらいに感じながら、テギョンは数日間悩んで出した答えを口にした。



「・・・行ってこい・・・」


テギョンの一言でそれまで不安げに揺れていたミニョの瞳が輝き出す。

たった十日とはいえ俺と離れる寂しさよりも、彼女のステージが見られる喜びの方が大きいのか?という言葉をのみ込むと、テギョンはミニョの嬉しそうな顔を見ながら口を尖らせた。


「行ってもいいが・・・俺が今から言うことをちゃんと守ること。」


「はい、何ですか?」


「まずは・・・携帯をちゃんと持って行くこと。酒を飲まないこと。アイスを食べ過ぎないこと。それから、他の男の前で寝ないこと・・・取り敢えず、こんなとこか?あとは思いついた時に言うから。・・・忘れるなよ。」


「携帯とお酒とアイスと・・・寝ないこと?」


指を順番に折り復唱していたミニョが最後の言葉で首を傾げた。


「お前は所構わず無防備に寝すぎる。さっきだって俺がキスしてもなかなか起きなかったしな。」


「だってあれは一緒にいたのがオッパだったし・・・」


テギョンでなければ寝なかったのかと問われれば、はっきりと「はい」と答える自信がないミニョは徐々に顔を俯けていく。


「とにかく、俺が言ったことが守れないならイギリス行きは許可しないからな。」


隣で俯いたままのミニョを横目で見下ろすとテギョンは口の片端を上げた。


「それと・・・明日だったよな、アフリカで一緒にボランティアをやっていた人と会うのは。」


アフリカのボランティアという言葉にミニョが顔を上げる。


「はい、ソユンさんとシヒョンさんです。一緒に晩ご飯を食べる約束です。」


「女同士でも酒は飲むなよ、勧められてもちゃんと断れ・・・相手に迷惑をかけるからな。」


ミナムのフリをして出た歓迎会の時のことを思い出し、ミニョは苦笑いを浮かべ、テギョンは頬を引きつらせる。


「はい、大丈夫です。あの二人は私がお酒にあまり強くないということを知ってますし、無理に勧めるような人達じゃありませんから。」


あまり強くないじゃなくてかなり弱いだろと、楽しそうに話をするミニョを横目で見ながらテギョンはため息をついた。





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昨日の日曜日、地区の運動会がありました。というか、やっと終わった・・・


幼稚園児から大人まで参加の運動会。

その大半を占めるのが子ども会に属する小学生。

子供の通う小学校の地区を4つのチームに分けて競います。


9月の初めから、同じチームになった他の子ども会の役員さんと連絡を取りながら各種目の選手の選出。

各種目とも、出場人数、学年にはかなり厳しいです。割り当てられた人数を必ず出さなければなりません。

決められた種目に「いいよ」とすんなりOKしてくれる子もいれば、「絶対いや!」と言う子、「うちの子はこの競技は無理だから・・・」と口を挟む親まで色々。


選手決めだけでかなりの労力を使い、運動会の1週間前くらいまで何度もメンバーの差し替えをしてやっと運動会の当日を迎えました。


1日中子供達の世話でバタバタと走り回り、運動会が終わった時には。


「あ、自分の子供の出てる競技見てない・・・」


役員なんて、こんなものなのね・・・




取り敢えず、1つ大きな行事が終わりました。


さあ、次はお祭りだーっ!!




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