You're My Only Shinin' Star (183) 余計なひと言 1 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

久しぶりの事務所。

ミニョはテギョンのドラマの撮影に同行して以来、ここには来ていなかった。

それはテギョンがミニョのことで嘘をつきたくないと言ったように、ミニョも偽の肩書きでここに出入りし、テギョンの傍にいたことを後ろめたく思っていたからかも知れない。





「ミニョさん?」


ミニョがアン社長に楽譜の入った封筒を渡し、ロビーへの階段を下りようとしていると後ろから声をかけられた。

振り向くとそこには練習生のジュンホが立っている。


「やっぱりミニョさんだ。」


「こんにちは、ジュンホさん。」


ミニョの笑顔にジュンホの顔にも笑みが広がる。


「今日はテギョン先輩出ちゃってますよ、先輩についてなくてもよかったんですか?」


「え?あの、えーっと、はい・・・」


もちろんテギョンはミニョが今日休みだということを知っている。しかし事務所へ来るか?とは聞かなかった。

今では事務所でなくても時間さえあれば自由に会うことができるし、もうミニョにマネージャーのフリをさせるつもりのないテギョンは、ミニョを事務所に呼んでアン社長に「ウチに入らないか?」としつこく声をかけられることを避けたかった。

交際発表はしたが相手が誰かということは公表していない。

A.N.JELLのメンバーはもちろんだが、「しゃべるな、騒ぐな、黙っていろ」と釘を刺されているマ室長もテギョンの恋人が誰なのかということは誰にも言っていない。以前、「他言無用」と言われたジフンもミニョのことは誰にも話していなかった。

ファン・テギョンの恋人がコ・ミニョだということは、まだ世間にも事務所内にも広まっておらず、二人の関係を知らないジュンホは久しぶりに会ったミニョにここぞとばかりに話しかけた。


「じゃあ、時間ありますか?昨日アイスたくさんもらったんですよ。冷凍庫にまだあるんで、一緒に食べませんか?」


「え?私は・・・」


楽譜を届けてすぐに帰ろうと思っていたミニョ。


「すっごく美味しいのがあるんです、今のうちですよ。早くしないとミナム先輩とジェルミ先輩が帰って来たら全部食べられちゃうから。」


ためらうミニョの背中を押しながら、ジュンホは嬉しそうに歩き出した。




「今日はアン社長に呼ばれたんですか?」


「いえ、ちょっとマ室長に頼まれて。」


ミニョは左手に持ったスプーンでアイスをすくっては口の中へと運んでいく。冷たく口の中で溶けていく甘い味に頬が緩む。


「アイス好きなんですよね。前にジェルミ先輩から聞いて知ってましたけど、聞いてなくてもその顔を見れば判ります。凄くおいしそうに・・・幸せそうな顔してる。」


スプーンを口へ入れる度、零れそうな笑みを浮かべるミニョに、ジュンホは半ば見惚れているようだ。


「私の場合、アイスだけじゃないみたいです。何か食べたり飲んだりしてる時は凄く幸せそうな顔してるってよく言われるんで。でもそれってまるで私が食いしん坊だって言ってるみたいですよね。」


テギョンに言われた言葉を思い出し、クスッと笑うミニョ。

ジュンホはアイスを口に入れている時よりもそう言った時のミニョの笑顔の方が、何倍も幸せそうに見えた。




「マネージャー・・・やめさせられたんですか?」


ニコニコとアイスを食べているミニョを見ながらジュンホは静かに聞いてみた。


「え?」


「テギョン先輩についてなくていいんですかって聞いた時の返事、あやふやだったでしょ。答えにくいことなのかなって。」


「いいえ、違います!やめさせられたとか、そんなんじゃなくて・・・」


もともとマネージャーではない自分がテギョンの傍にいられるからとアン社長の言葉にのってテギョンの仕事場に出入りしていた。しかし、交際発表をした今は仕事でなくても二人で一緒に堂々と外を歩くことができる。

だが、事情を知らない周囲の人間から見ればミニョは仕事で来ていた筈。時々しか事務所には来ていなかったがパッタリと姿を見せなくなれば何かあったのかと思われても仕方ない。


テギョンに会う為に事務所へ来て、テギョンに会えるから事務所へ来なくなった。


そのことがずいぶんと自分勝手で我儘な行動だと思うと、ミニョは何と答えたらいいのかと返事に詰まった。

アイスを食べていた手が止まり、暗く俯いてしまったミニョの顔にジュンホは慌てて声をかけた。


「あ、ごめんなさい、変なこと聞きました。余計なお世話ですよね、俺なんかが口出すことじゃないですね。」


椅子から立ち上がりペコペコと頭を下げるジュンホにミニョも慌てて立ち上がる。


「あの、本当に違うんです、私が自分勝手なだけなんです。それに、ジュンホさんが謝るようなことじゃありません。」


目の前のジュンホと同じ様に頭を下げるミニョ。

互いに頭を下げ、顔を上げると目が合い一瞬の沈黙の後、何となく可笑しくてどちらからともなくクスクスと笑い出した。




「あーっ、ミニョだ~」


ガチャリとドアの開く音がしたかと思うといきなりハグをされ、小さな悲鳴を上げるミニョと驚くジュンホにお構いなしのジェルミ。


「ジェルミ先輩!ミナム先輩じゃなくてミニョさんですよ!」


「当たり前じゃないか、ちゃんとミニョって呼んだだろ?変なこというヤツだな。」


何故だか慌てているジュンホを横目で見ながらジェルミはアイスを持って来ると当然のようにミニョの隣に座る。


「最近よく合宿所の練習室使ってるみたいだね、シヌヒョンがこの間ミニョに会ったって言ってた。」


ジェルミは「俺がいる時にはミニョ来ないんだもんな~」と肩を落とすが、「今日会えたからいいや」とすぐに笑顔になる。

ニコニコと笑いアイスを食べながら新しく見つけた美味しい店の話をするジェルミに、「この間はありがとう」と笑顔のミニョ。


「くまさんのパン、可愛くってなかなか食べられませんでした。」


「そうそう、でも可愛いからつい買っちゃうんだよね。」


「ジェルミはどこから食べますか?」


「俺はねぇ・・・」


目の前で楽しそうに話をしているミニョとジェルミを見てジュンホは何となく面白くない。


「そうだ、ミニョさん、俺これからミニョさんのこと、ヌナって呼んでもいいですか?」


ジュンホは二人の会話に割り込むように大きな声でそう言うと、笑顔を見せる。


「ヌナって呼んでもいいですか?」


目を丸くしたジェルミとキョトンとした顔のミニョにもう一度ジュンホがそう言った時、部屋のドアが大きく開いた。




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― ピグのお部屋より ―


オムライス、バルーン、クッキー、シナモロールありがとうございます。


いつもいつも本当に、感謝です!



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数週間前に次男が学校から手紙(プリント)をもらってきました。


『学校心臓検診2次検査の受診について』


・・・えーーーっ!?


内容は、学校でやった心電図の結果、精密検査が必要とのこと。

すぐに指定の医療機関に検査の予約をして下さいとあったので、電話で予約して昨日検査に行ってきました。
今まで風邪をひいて病院へ行っても心臓のことは何も言われたことないし、でも心電図はやったことなかったのでもしかしたら・・・と不安だったのですが、結果は・・・


「異常なし、問題ありません。」


病気の早期発見を目的に、わりと広範囲に再検査の通知がされるみたいです。


何ともなくて一安心、ホッとしました。



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