You're My Only Shinin' Star (181) 待ち合わせ | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

閉店間際のカフェ。店の一番奥の窓際に一人で座る。

一時間程前はまだ賑やかだった店内も今では他に客は二、三組。

窓の外には夜の闇に明るく光る車のライトと店の灯り。

窓ガラスには少し緊張した面持ちの自分の顔が映る。

すっかり冷めてしまったカップに口をつけ、名ばかりになってしまったホットチョコレートをゆっくりと飲み込む。


「本でも持ってくれば良かった。」


窓の外を眺めながら小さく呟いた。

決して暇つぶしではなく、何となくソワソワとした心を落ち着ける為に何かに集中していたくて。


「こういうのって待ち合わせって言うのよね。どんな顔したらいいんだろう。」






『すぐ行くから。』


最初の電話があったのは二時間前。店に入った直後だった。

この場所に座って三十分程経った頃、メールが入った。


『悪い、捉まった、すぐには出られない』


『大丈夫です、待ってます』


すぐに返信をしてそれと同時にコーヒーを頼んだ。




「いい香り。」


テーブルの上に置かれたコーヒーに控え目に砂糖を入れ、多めにミルクを入れ。

熱いコーヒーに息を吹きかけ、冷ましながらゆっくり、ゆっくりと飲んでいく。

窓の外が段々と暗くなっていくのを見ながら、コーヒーを飲み終えた。




『ごめん、まだかかりそうだ』


『気にしないで下さい』


二度目のメールはそれから三十分後。

コーヒー一杯でそこに座っているのが何となく申し訳ないような気がして。でも一人で食事をするつもりもないから今度はホットチョコレートを頼んだ。

周りをぐるっと見回して楽しそうに話をする他の客を眺めていると、近づいてくるウェイターと目が合った。


「お待たせしました。」


「ありがとうございます。」


無表情でテーブルにカップを置くウェイターに、軽くお辞儀をする。

熱いホットチョコレートに息を吹きかけ、一口飲むとカップを置いた。小さく息を吐いたところをさっき運んで来たウェイターに見られたような気がした。

ため息をついたように見られただろうか。

こうやって待っている時間が退屈な訳ではない。逆にドキドキ、ソワソワとして心を落ち着けようと、ふうっと息を吐いた。

何故だろう、ただ座っているだけの時間がどんどん楽しくなってくる。こうやって待ち合わせが出来ることが嬉しい。

カップの中身を少し飲んでは窓の外を眺め、また少し飲んでは外を眺め。

そんなことを繰り返しているうちに店の客はほとんどいなくなっていた。


そろそろ閉店。

二度目のメールがあってから一時間経つがその後携帯はうんともすんともいわない。


お店が閉まっちゃったらどうしよう。お店の前で待ってればいいかな。


そんなことを思いながら冷めたホットチョコレートを飲み干し、また窓の外を眺めていた。




「悪いミニョ、遅くなった。」


不意に待ち続けていた低い声がして振り向くとそこには眼鏡をかけたテギョンの姿が。


「お疲れ様です。」


こんな時にどんな言葉を言えばいいのか判らず、立ち上がると、つい真顔でそう言ってしまった。


「デートの待ち合わせでそれはないだろう。」


デートという言葉に恥ずかしそうに微笑むミニョ。

テギョンはクッと笑い、そろそろ閉店だと告げられるとミニョの手を摑み店から出た。






「電話に出ないから心配したぞ。」


「え?」


ミニョがバッグから携帯を取り出すと・・・充電切れ・・・


「帰っちゃったとは思わなかったんですか?」


「ん?そんな考えは思いつかなかったな。お前こそ店が閉まったらどうするつもりだったんだ?」


「外で待ってるつもりでしたけど。」


二時間も待たされたのに当然のように答えるミニョにテギョンの頬が緩む。


「行きたいところはあるか?」


そう聞かれ、考えるよりも前にミニョのお腹が鳴った。


「即答か?そうだな、まずはご飯が先だな。」


顔を赤くして俯くミニョに、テギョンは口に拳を当て小さく笑うと車を走らせた。






目の前に座るミニョを見るテギョンの顔には笑みが絶えない。


「本当にお前は・・・幸せそうな顔をして食べるな。」


寿司屋でたまごはもちろんのこと、「オッパはエビ、ダメですよね。あ、カニも危険なので私が食べます。」と言ってニコニコと寿司を口へと運ぶミニョの姿に半ば唖然としながらテギョンはマグロを食べる。


「俺の分を持っていったんだからお前のウナギは当然俺のものだよな。」と言えば、「うっ・・」と言葉を詰まらせ手を止めるミニョ。


「いいよ、今日は遅刻したお詫びにウナギもお前が食べろ。」


テギョンの言葉に一瞬で顔を綻ばせ、「ありがとうございます。」と嬉しそうにウナギの握りを箸で運んでいくミニョの姿にどうしても笑いが堪えきれず、テギョンはクックッと笑っている。


「楽しいですね、こうやって待ち合わせして、ご飯食べて。」


「二時間も待たされたのにか?」


「待っている時間も楽しいです。オッパを待ってコーヒーを飲んだり、オッパと一緒にご飯を食べたり。」


「飲み食いばかりだな。」


「それは、たまたまです。こんなことで満足しちゃう私って・・・つまんないですか?」


どこか不安気なミニョの表情。


「いや、ミニョと一緒ならどこで何をしても楽しい。」


テギョンの心の底からの想い。


「私と一緒ですね。私もオッパと一緒なら、どこで何をしても楽しいです。」


「どこで何を食べても、の間違いじゃないか?」


ぷうっとミニョの頬が膨れるのを見ているテギョンの顔はとても楽しげだった。




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― ピグのお部屋より ―



七夕のお星様ゼリー、食パンありがとうございます。


お部屋にいないことがほとんどなので、面と向かってお礼を言うことも出来ず「申し訳ないな~」と思いながら、いつも美味しく頂いています。ありがとうございます。




― ピグライフより ―



やったー!お庭広げました!

・・・不動産会社の思う壺?



まだ動物飼っていません。でも飼いたい♪

卵欲しいし、牛乳も、ウールも欲しい。


飼うのは柵の中に一緒?別々?どっちがいいんだろう?お庭狭いから一緒かな?

ブタはいないから新型インフルエンザの心配はなさそうだけど(笑)



どんどん増える料理のメニュー。

「鶏のから揚げ」「ビーフステーキ」「ジンギスカン」なんてのが登場しないことを祈ります。

あっても絶対作れない~



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