ショートショートです。
あ~どうしよう~・・・と悩んでいるとアップできなくなるので、思い切って・・・
こんな話でも 「OK」 と言ってもらえると嬉しいな。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「オッパ、穴が開いてます。」
「ん?」
穴?・・・靴下?ズボン?
「チーズに穴が開いてるんです。」
「ん?」
「感動です~」
目の前のチーズを見て瞳を輝かせているミニョを見て、テギョンが首を傾げる。
「初めてなんです穴あきチーズ・・・一度食べてみたくて。トムとジェリー見てて、美味しそうだなってずっと思ってたんです。」
ああ、なるほど。
「良かったじゃないか・・・美味いか?」
「はい、美味しいです!」
指で摘んだチーズは一口ごとに徐々に小さくなっていく。美味しそうにチーズを食べているミニョをテギョンはじっと見つめていた。
毎度のことながら、何かを食べている時のミニョはとても幸せそうに微笑み、見ているこっちまで幸せな気分になる。
そして時折唇を舌でペロッと舐める仕種に、つい目が離せなくなってしまう・・・
「本当に・・・美味そうだな・・・」
ミニョの口元をじっと見ているテギョンの視線にミニョはハッと気づいた。
もしやこの展開はまた・・・
ミニョは口の中のチーズをゴクンと飲み込んだ。
やだオッパ、だから 『テギョンの好物はミニョの唇』 だなんて言われるんですよ。
目の前に座っていたテギョンがミニョの隣に移動して身体をピッタリとくっつけてくると、ミニョの鼓動は急に速くなる。
「俺も・・・食べたい・・・」
俯き加減のミニョの顔を下から覗き込むように見てテギョンが微笑んだ。
「え?・・・えっと、あの・・・」
ああ、この笑顔には私の思考を麻痺させる不思議な力があるのよね・・・
何て答えようともじもじとしていると、テギョンがミニョの肩に手を回し、そっと耳元で囁いた。
「ちょっとだけ・・・いい?」
強請る様に甘く響いて聞こえる低い声。微かに耳に触れるテギョンの唇にミニョの身体はゾクリと震える。
ちょっと?それってキスだけってこと?いつもそれだけじゃ済まないくせに・・・
ミニョは少しだけ唇を尖らせる。
「ちょっとで・・・いいんですか?」
少し意地悪にも聞こえる言葉が上目遣いのミニョの口から紡ぎ出されると、テギョンは口元を緩め再びミニョの耳元で囁いた。
「お前が許可をくれるなら・・・全部欲しい・・・」
耳にかかる息にくすぐったさを感じながらも、耳朶を甘噛みされ、真っ赤になったミニョは目をギュッと瞑るとコクリと小さく頷く。
テギョンは口の両端をゆっくりと上げ、そろそろと手を伸ばすとミニョの手を摑み、指を自分の口に含んだ。
ミニョの指に触れるテギョンの舌の感触。
テギョンの口に指を入れるのは初めてで・・・
「んっ・・・」
温かく柔らかな舌がミニョの指に纏わりつくとミニョの口から小さな声が漏れる。
ミニョの指がゆっくりとテギョンの口から引き抜かれると、テギョンは満足気に微笑んだ。
「本当だ・・・美味いな。」
モグモグと動くテギョンの口。
え?
さっきまであったミニョの指から無くなっている小さなチーズ。
「あっ・・・」
ミニョはテギョンの動く口と、先程までチーズを摘んでいた自分の指を交互に見て小さな声を上げた。
「おーい、ミニョ、どうしたんだ一体?」
ゲストルームのドアの外で首を傾げるテギョン。
「何でもありません。一人にして下さい。」
妙な勘違いをしていたことが恥ずかしくて・・・
最後の一口が無くなってしまったことがショックで・・・
ミニョはゲストルームのベッドの上で枕を抱え、暫く部屋から出てこなかった。
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― ピグのお部屋より ―
今回は 『チーズ』 で書いてみました。
って、こんな感じの話ならチーズじゃなくてもいいんじゃない?という気もしますが。
『テギョンの好物はミニョの唇』 ・・・誰が言ったんでしょうね(笑)
心当たりのある方・・・いますよね。
ふふふ・・・使わせて頂きました。いつもコメントありがとうございます。
ミニョの指がテギョンの口の中に・・・初めてのパターンです。
なのにコレ?(笑)
今度はもっと甘~い話の時に使いますね。
テギョンの視線、甘い声、耳にかかる息、指に纏わりつく舌の感触・・・
一人で勘違いして、ドキドキして、真っ赤になるミニョ。
たまにはこんなミニョもアリかな?
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