You're My Only Shinin' Star (170) 新たな騒動 1 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

最近のミニョは練習室を借りによく合宿所へ通っていた。

仕事のある日でも週に三日くらいは歌いに来る。

カトリーヌが一緒の時もあれば一人の時も。

時間も仕事を終えた後では夜遅くなることも多く、今日も施設での仕事の後夕食を済ませてから練習室に来ていた。






「いつの間に寝ちゃったんだろう。」


発声練習の後、何曲か歌い、途中でちょっと休憩と椅子に座りそのまま眠ってしまったらしい。時計を見れば既に日付けが変わりかけている。

階段を上がり、リビングとキッチンの間を通り抜けようとした時ポケットの携帯がテギョンからの着信を知らせた。


「はい、オッパ、何ですか?」


足を止め電話に出ると、練習室へバッグを忘れてきたことに気づき、走って階段を下りていく。


『何ですかじゃない、何度もかけたのにどうして出ない?』


「えーっと・・・きゃあ!」


電話に気をとられ最後の段を踏み外し、転びそうになった。


『なっ、どうしたミニョ!』


「いえ・・・ちょっと、階段踏み外しちゃって。」


ハハッと笑いながら何とか体勢を立て直し、急いでバッグを取ってくるとまた階段を上っていく。


『階段?家じゃないな?どこにいるんだこんな夜遅くに。』


ミニョの夜の外出に煩いテギョン。こんな夜更けまで一人で家を出ていることがバレると、延々と説教をされかねない。


「え?あの・・・その・・・」


言葉を濁しながら再び階段を上ると・・・


「ミニョ、こんな時間にこんなとこで何してるんだ?」


そこには腕組みをして怖い顔をしたテギョンが立っていた。


「オッパ・・・お帰りなさい。」


怒られると思っているのか携帯をしまいながら控え目に笑うミニョをテギョンは軽く睨みつける。


「お帰りなさいじゃない、何でこんな遅い時間にこんなとこにいるんだ。」


「練習室をお借りしてたんですけど、いつの間にか寝ちゃったみたいで・・・」


テギョンは視線を避ける様にしゅんと俯くミニョの手を摑むと、ズンズンと玄関へ向かって歩き出した。

駐車場でテギョンを送って来たマ室長が帰ろうとしているところを捕まえ、ミニョと一緒に車へと乗り込む。


「悪い、マ室長、マンションまで送ってくれ。」


飲んでなければ俺が運転するんだがと言うテギョンに後部座席に押し込められたミニョは、すみませんとマ室長に頭を下げるとテギョンの隣にちょこんと座った。


今日はドラマの打ち上げがあった。そういう場が苦手なテギョンは仕事の話をするフリをして何度も席を立ち、その度にミニョに電話をかけていた。しかし何度かけても電話に出ないミニョを心配して、帰りの車の中でも何度も電話をしていたとマ室長から聞き、ミニョはテギョンにごめんなさいと謝った。


「でも・・・寝ちゃってちょっとだけ得した気分です。こうやってオッパに会えましたから。」


微笑むミニョの一言でテギョンの眉間のしわが無くなり口元が緩んでいくのを見て、マ室長はテギョンに見えないようにこっそり笑う。

ミニョはテギョンの機嫌が少し直ったことに安心してホッと息をついた。




仕事の疲れと打ち上げで飲んだ酒の影響か、テギョンがうとうとし出した頃ミニョは窓の外を眺めながらあっと短い声を上げた。


「すみませんマ室長、ちょっと停めて下さい。」


ミニョはドアを開けると歩道を走って行く。

マ室長に起こされたテギョンがミニョの走って行った方を見ると、ミニョが男に絡まれているのが見えた。

テギョンはサングラスをかけると慌てて車から降りる。

ミニョは一人の女性を庇う様に立ち、目の前の若い男二人と向かい合っていた。


「俺の連れだ、その手を離せ。」


テギョンはミニョの肩に置かれた男の手首を摑むとミニョから引き離す。


「何だコイツ、夜なのにサングラスなんかかけやがって、カッコつけてんのか?」


もう一人の男が、テギョンの低く迫力のある声にビビリながらもサングラスを乱暴に取った。

サングラスの下には鋭く睨みつける二つの目。この顔どこかで見たことある様な・・・


「・・・ファ・・・ファン・テギョン!?」


男達は蛇に睨まれた蛙のように暫く身体がすくんで動けなかったが、ゴクンと唾を飲み込むとハハ・・・と引きつった笑いを顔に浮かべ数歩後ずさる。一人が何かに躓きしりもちをついたがすぐに立ち上がると脱兎のごとくその場から逃げ去って行った。


「すみません、ありがとうござ・・」


「バカヤロー!何やってんだ!」


ついさっきまで一緒に車に乗っていたミニョが一人の女性の前に立ち、男達に絡まれていたことから、ミニョが女性を助けようとわざわざ車を降りたことは明白で。

危ないだろうと怒鳴るテギョンに首をすくめてすみませんと繰り返すミニョ。

二人の様子を見て、今までテギョンの視界の隅の方にいた女性がテギョンに声をかけた。


「ごめんなさい私のせいで・・・ミニョさん私を助けてくれたんです。そんなに怒らないで下さい。」


テギョンがミニョの名前が出たことに驚き声のする方を見ると、そこには申し訳なさそうに俯くミンジが立っていた。



。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆



― ピグのお部屋より ―



「オレンジジュース、スイカ、カツ丼・・・」


「ん、がついたらダメだろ。」


「え?」


「しりとりだろ?」


「違います、ピグのお部屋に皆さんが置いていって下さったものです。あとは、チーズ・・・」


「ズ・・・ズ・・・ズッキーニ!」


「オッパ、しりとりじゃありませんって。それにズッキーニそのまま置いていかれても・・・」



*:.。。.:゜ *:.。。.:゜ *:.。。.:゜



オレンジジュース、スイカ、カツ丼(あれってカツ丼だよね、違ってたらごめんなさい)、チーズ。

・・・ズッキーニはありません。


いつもこっそりお部屋に置いていって下さる方、どうもありがとうございます。

こっそりというか、私がいつも部屋にいないだけですね、すみません。



という訳で(どんな訳?)次回のショートショートはこの中のどれかを使ったお話です。

え?いらない?

でももうノートに下書き書いちゃった。



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