テギョンの知らない世界? | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

今回はショートショートです。

番外編と何が違うかって?・・・長さかな?

ちょっと短いお話をこっちにしようかと・・・

ただそれだけです(笑)


     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆   


その時テギョンは一瞬パラレルワールドの扉を開けてしまったと思った。




「お帰りなさいませ、ご主人様♪」


玄関のドアを開けると目の前には見たこともない姿をしたミニョが。


「な、何だ?その恰好は・・・」


ミニョはドアを開けたまま目を見開いて固まっているテギョンの腕を摑むと部屋の中へと引っ張って行った。


「これですか?メイド喫茶っていうお店の制服で、ウェイトレスさんがこういう恰好をしているそうです。」


テギョンの目の前でくるりと一回転して見せるミニョ。


「冥土喫茶?」


黒い半袖ワンピース。

膝上丈のふんわりと広がるスカート。

フリルの付いた白いエプロン。

白いフリル付の黒い二―ハイソックス。

首にはピンクの大きなリボン。

頭には白いカチューシャ。


ニッコリ笑うその姿は・・・


・・・可愛過ぎる・・・


ドキドキと速くなる鼓動。

テギョンはゆっくりと上がっていく口の両端を隠すように拳を当てた。


冥土喫茶・・・恐ろしい名前の喫茶店だな。この姿で男を誘惑して冥土へ連れて行くのか?

いや、ミニョのこの姿を見た奴はその瞬間に俺が冥土へ送ってやる!


「ミニョ、まさかヘンなとこでバイト始めたんじゃないだろうな。」


ミニョがなぜこんな服を・・・と思うと緩んでいたテギョンの頬がピクピクと引きつっていく。


「違います、お兄ちゃんが着てみろって貸してくれたんです。」


貸してくれた・・・って、普通こんな服持ってるか?ミナムの趣味?まさか、ヘイに着せてるのか?


「ミニョ、その恰好誰か他の奴にも見せたか?」


「いいえ、恥ずかしくて誰にも見せてません。スカート短くって・・・オッパだけです。」


頬を赤く染めスカート丈を気にし、裾を手で押さえる仕種がまた可愛い。


キッチンに立つミニョの後ろ姿に緩みっぱなしのテギョンの頬。

いけない・・・と思いつつ、短いスカートから覗く太腿に視線が固定されてしまう。


「お兄ちゃん色々と教えてくれたんですよ。メイド喫茶ではこんなことするんだぞって、オッパが帰ってきたときの挨拶とか、あとはこれも。」


ミニョが運んできた皿をテーブルへと置いた。


「オムライスです。え~っと、こうやって・・・」


卵の上にケチャップで絵を描いていく。


「・・・・・・ブタか?」


「違います、ウサギです!」


首を傾げるテギョンにミニョはぷうっと頬を膨らますが、どうしても上手く描けないらしく、テギョンはミニョからケチャップを奪い取ると長い耳を付け足した。


「うわぁ、さすがです、ウサギになりました!」


はしゃぐミニョにテギョンはフフンと得意気に笑い、まだ続きがあると卵の上にケチャップをはしらせた。


出来上がった絵は・・・


「テジトッキ!」


嬉しそうに笑うミニョにテギョンも満面の笑みを浮かべた。




「あ、そうだ忘れてた。お兄ちゃんがこの恰好したらやれって言ってたんだ・・・」


ミニョは呟くともじもじと恥ずかしそうにテギョンの方を見ながら、両手を軽く握り顔の横へ持ってくると小首を傾げた。


「萌え萌えにゃん♪」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


うっ・・・危ない、あまりの可愛さに一瞬心臓が止まるかと思った。

こんな危ない店があるとは知らなかった・・・


心臓は止まってないが息が止まったテギョンは慌てて大きく息を吸う。


「あ~、やっぱり恥ずかしいです~。何でお兄ちゃんこんなことやれって言ったんだろ~」


真っ赤な顔を両手で隠し、テギョンに背中を向けるミニョ。


燃え燃えにゃん・・・

そうか、これはミナムの許可だな?今夜は俺に燃えろと。

おい、いいのか?自分の妹だぞ?

まあミナムの許可など必要ないが・・・心遣い有難く受け取っておこう。


頬を両手で挟んだまま身体の熱を逃がすように、ふう~っと長い息を吐いているミニョの後ろで、テギョンの心は熱く燃えていた。



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― ピグのお部屋より ―


オムライス、ありがとうございました。

おまけにしようかと思ったんですが、ちょっと長くなっちゃったんでショートショートにしました。


本編でミナムの服を着たミニョに不満気だったテギョン。

メイド服ならOKかな?



さくら団子とクリームブリュレ、どなたでしょうか?

ありがとうございました。


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