You're My Only Shinin' Star (153) 三回目・・・です | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

カーテンの隙間から射し込む朝日が部屋の中に一筋の光の道を作り出している。


目を覚ましたミニョは身体に絡みつく腕の持ち主の寝顔をまじまじと見つめ、幸せを噛みしめると、クスッと笑い頬を突っついた。


「オッパ、寝たふりしても判ります。腕を解いて下さい。」


何も答えないテギョンの腕から抜け出そうとごそごそと身体を動かしてみるが、しっかりとミニョを抱きしめている腕は簡単には外れない。


「もう、そんなに力を入れて・・・起きてるって言ってるようなものじゃないですか。」


「・・・お前が俺にキスできたら放してやる。」


テギョンは目を瞑ったままそう言うと、口の端に笑みを浮かべた。


「もう、オッパ・・・・・・」


ミニョは困ったようにテギョンの顔を見つめ暫く考えると・・・


「・・・・・・・・・・・・一度だけですよ。」


息を止め、テギョンの頬に軽く唇で触れた。


「!」


たとえ頬でもまさかミニョが言われた通り素直にキスするとは思っていなかったテギョンは、頬に触れた柔らかい感触に驚き目を開けた。


「はい、オッパ・・・放して下さい。」


テギョンの腕の力が緩むとミニョはベッドからスルリと抜け出し、ミニョがキスした頬に手を当てているテギョンの顔を上から覗き込んだ。


「オッパ、お早うございます。」


「あ、ああ・・・」


どうせミニョには無理だろうから、ひとしきりミニョをからかった後、仕方がない許してやろうと言って自分がキスするつもりでいたのに・・・

恥ずかしがってなかなかキスをしないミニョの身体を抱きしめ、ちょっといじめてミニョの反応を楽しもうと思っていたテギョンは思惑が外れたことに少しだけ口を尖らせた。


「ま、まあ、初めてのミニョからのキスだからな。ほっぺでも許してやろう。」


キスをされて驚いている自分を知られるのが嫌で、コホンと咳払いをすると、テギョンはベッドから身体を起こした。

何となく上ずって聞こえるテギョンの声。

いつもはテギョンの方からもっと激しいキスをしてくるのに・・・するのとされるのではそんなに違うのかなとミニョは首を傾げた。

自分はどっちも凄くドキドキするのに。


「初めてじゃありません。・・・・・・三回目・・・です・・・」


ミニョは恥ずかしそうにそう言うと、小走りで窓まで行き、カーテンをサーッと開け朝日を浴びながら大きく伸びをした。


「三回目!?嘘だろ、俺は知らないぞ。」


「オッパ、眠ってましたから・・・。撮影で酔った日に・・・・・・二回・・・」


ドラマの撮影の為に無理をしているテギョンを見ていたら堪らなく愛しさが込み上げてきて・・・気が付いた時には引き寄せられるように自分から唇を合わせていた。


ミニョはあの夜のことを思い出し、赤くなる頬を両手で隠した。


「どうせほっぺだろう?それともおでこか?」


テギョンはミニョの様子を見ながらフッと口の片端に笑みを浮かべる。

ミニョは小バカにしたようなテギョンの言葉に少しだけ頬を膨らませると、テギョンの唇に人差し指を当てニッコリと笑って見せた。


「ここです。」


テギョンは一瞬驚いた表情を見せたが、自分の唇に触れているミニョの手を摑むと反対の腕でミニョの身体を抱き寄せた。


「ミニョ、強がりはよせ、顔が真っ赤だぞ。」


「だってオッパがバカにしたように言うから・・・でも三回目と言うのは本当ですよ。」


上目遣いで赤くなった頬を少しだけ膨らませているミニョの姿が堪らなく可愛く見える。


「まったく・・・そういう嬉しいことは、俺が起きている時にしろ。」


テギョンはミニョの唇を塞いだ。





まだ少し熱の高いミニョは仕事を休めと言われ、テギョンはマ室長に電話をかける。


「マ室長、頼まれてた曲、明日まで待ってくれ。ああ・・・ちょっと熱が高いんで事務所に行けそうにない。・・・薬?大丈夫、精神安定剤ならあるから・・・じゃあ頼んだ。」


隣で聞いていたミニョが慌ててテギョンの背中を押した。


「ごめんなさい、やっぱり風邪うつっちゃったんですね。気付きませんでした。オッパ、熱があるなら私のベッドで寝て下さい。」


「熱があるのは俺じゃない、お前だ。」


「え?じゃあ薬と言うのは?」


「今のお前に必要なのは十分な休養と、俺だ。俺がお前の精神安定剤だ。今日はずっと一緒にいてやるから、俺を独り占めできるぞ、嬉しいか?」


ニヤリと笑うテギョンにミニョは恥かしそうに微笑むとコクリと頷いた。





ミニョはカトリーヌに電話をし、 『テギョンさんにお礼を言っておきなさい。』 と言われ、キッチンのカウンターに置いてあった一枚の名刺を手にした。


「オッパ、私はテギョンさんに凄くお世話になりました。お礼を言いたいので電話しますね。」


口を尖らせそっぽを向くテギョンを横目で見ながらミニョは電話をかけた。

ハン・テギョンの嬉しそうな声は、気になってミニョの携帯に耳を近づけていたテギョンにもよく聞こえた。


「昨日はどうもありがとうございました。車の中汚しちゃってすみません。」


『いや気にしなくていいよ。そんなことより、具合はどう?』


「はい、もう大丈夫です。」


『そう、良かった。』


「本当はちゃんとお会いしてお礼を言うべきなんでしょうけど・・・」


『いいよ、そんなの・・・。あ、そうだ、じゃあ、今度ちょっと付き合って欲しい所があるんだけど、いいかな?』


「え?」


『そんなに遠くじゃないし、それほど時間もかからないから。詳しいことはまた今度電話で、じゃあ。』


ミニョの返事を待たずに電話は切れた。

ミニョがチラリと横を見ると、眉間にしわを寄せ、思いっきり不機嫌な顔をしているテギョンの姿が・・・


「何なんだあいつは、言いたいことだけ言って。昨日も俺のことお兄さんと呼んでたし、付き合って欲しい所があるだと?」


行く必要はない、キッパリと断れ、と言おうとしたテギョンの口が止まった。

ミニョがハン・テギョンと接触をする。この機会を逃したらいつ誤解を解けるか判らない。


― 俺とミニョの関係をきっちりと教えてやる。


テギョンは腕組みをすると口の片端を上げニヤリと笑った。



。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆



さて、週末です。


土曜日は子供の習い事の訪問演奏があり、わたしもサポート(裏方)で参加します。


日曜日は子ども会の総会が~~~!

スーツ着用!うわっ、めんどくさいー


バタバタとしそうなので、またお休みします。

その間に下書き書けるといいな。


最近はずっと土、日休みになってしまいましたが、今の私にはこれが丁度いいペースかも。

月~金は更新できるようにしますね。


それでは、また月曜日~!



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