You're My Only Shinin' Star (136) 心の変化 6 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

テギョンの出演するドラマが始まった。主演ではないがファン・テギョンが出演するということで、同じ時期にスタートした他のどのドラマより注目を集めている。初回の放送はテギョンは出ていなかったが視聴率は良く好調なスタートを切り、テギョンが出るようになると、その日の放送はぐんと視聴率が上がった。





「テギョン先輩、今日もミニョさん一緒じゃないんですか?」


作曲部屋のドアを開けたジュンホは顔だけを中に入れ、キョロキョロと部屋の中を見回した。部屋の隅にあるテーブルに楽譜を広げ、ソファーに座り腕組みをしているテギョンの姿しか見えない。


「あいつに何か用か?」


「いやあ、さっき差入れにアイス貰ったんですけど、前にジェルミ先輩がミニョさんはアイスが好きって言ってたのを思い出して、一緒にどうかなって思って。ミナム先輩がきっとテギョン先輩と一緒にいるだろうから、テギョン先輩のとこに行ってみろって。」


「あいつは今日は聖堂で歌ってる筈だ、ここには来ない。用が済んだらさっさと行け。」


テギョンの低い声と鋭い目つきに一瞬身体を縮こまらせると、ジュンホは部屋のドアを閉めた。





ダンスのレッスンを終えたばかりのミナムは首にタオルをかけ汗を拭きながら、小さなアイスのカップの中身を左手で持ったスプーンで次から次へと口の中へ運んでいく。


「あ、ミナム、一人でずるい!」


そこへラジオ局から戻って来たジェルミも加わり、アイスを食べ始めたところにジュンホが首を傾げてやって来た。


「ミナム先輩、ミニョさん来てませんよ。今日は聖堂だそうです。てかそれより、最近のテギョン先輩すごく怖いんですけど。ちょっと前まで機嫌よかったのに、ここ何日か不機嫌オーラ出まくりで。」


「ホント、テギョンヒョンって判りやすいよな。」


テギョンの機嫌が良かったのはミニョが事務所に顔を出していたからだろう。週に一、二度来るだけだが、何となく毎日浮ついているように見えた。それがここ数日、始終ムスッとしている。どうせミニョと喧嘩でもしたんだろうとミナムはクスッと笑った。


「ミニョさんって明洞聖堂で歌ってて、ちょっと前に凄く話題になってましたよね。事務所に出入りしてるから、ここに所属してるのかと思ったのに、マ室長はマネージャー見習いって言ってるんですよ。でもほとんど事務所に来てないし・・・一体何なんですか?」


ジュンホがずっと疑問に思っていたこと。

当然のような顔をしてミニョを連れ歩いているテギョンのことも不思議に思っていたが、そもそもこの事務所でのミニョの存在自体が不思議に思えた。


「ま、どうせアン社長はうちからデビューさせたがってるんだろうけど、誰かさんは反対するだろうし・・・機嫌取りの苦肉の策ってとこか?」


ミナムはフフンッと鼻で笑うと二つ目のアイスに手を伸ばした。





テギョンは作曲部屋で尖った鉛筆の先を睨みつけ口元を歪ませていた。

雑誌の写真撮影に連れて行ってからミニョの様子がおかしい。電話をしても沈んだ声で、ミニョからはずっとかけてこない。メールもずっとテギョンから送り、短い返信が来るだけ。

仕事が休みの日には必ず 『行ってもいいですか?』 と連絡があったのに、何も言ってこないミニョにこちらから連絡すると、 『別の聖堂に歌いに行きます。』 とメールが送られて来るだけ。

ミニョとの接触時間が減ったテギョンは眉間にしわを寄せ口を尖らせると、何も書かれていない五線紙を睨みつけていた。




魔法のバスから降りたミニョはまだすっきりとしない気分のまま家へと帰った。


「せっかくジェルミに教えてもらったのに・・・」


あれからずっと頭の中のもやもやは続いている。


ミニョはアフリカの教会で歌っていた時のように、韓国でも明洞聖堂以外の聖堂でも時々歌っている。今日も別の聖堂で歌っていた。


いつものように胸元の星を握りしめ、呼吸を整えてから歌い出す。

歌っている間は余計なことは考えなくて済むような気がした。地方の聖堂へ行くのも事務所へ行けない理由にしたかったからかもしれない。

テギョンに会いたくない訳ではない。会いたい、でも・・・

あの日、撮影をしている二人を見て、どうして自分は廊下にいるんだろうと悲しくなった。何だかテギョンが凄く遠い存在に感じられて・・・

人前ではテギョンが自分に触ろうとする手を避けてきたのに、今の自分は。

触れたい・・・触れて欲しい・・・。

何故だかそんな思いばかりが込み上げてきて。

きっと今の気持ちのままでテギョンに会ったら、腕を摑んでしまいそうで。置いていかれた子供のように、縋る様な目で袖を摑んで放さないかもしれない。

しかし、マネージャー見習いとして傍にいる為にはそんなことは出来ない。

落ち着かない気持ちを静める為に、少し時間が欲しかった。

施設で子供達の世話をし、聖堂で歌い、休みの日には別の聖堂へ行って歌を歌う。

テレビでテギョンのドラマを見てもやもやとする頭に、「あれは仕事・・・」と何度も口に出し、インプットする。


自分からは電話もメールもしなかったが、暫くするとわざとテギョンを避けるようにしていた自分を怒ってるんじゃないかと不安になった。

マネージャー見習いとして接することが出来るか一抹の不安はあったが、会いたいという気持ちが強かった。


ミニョは携帯を取り出すとテギョンへとメールを送った。


『オッパ、今度のお休みの日に、事務所へ行ってもいいですか?』






ミナム、ジェルミ、ジュンホの三人がアイスを食べているところにジフンがバタバタと走ってやって来た。


「今日のテギョン先輩怖いよ~」


「何だジフン、お前も睨まれたのか?」


ジュンホがスプーンを咥えたまま振り向いた。


「いや、作曲部屋の窓からテギョン先輩が見えたんだけど、携帯見て口の両端上げて、ニヤ~って笑ってたんだ。あんなテギョン先輩初めて見た。睨まれるよりこっちの方が何か怖いよ。」


オーバーに震えてみせるジフンの姿に、ミナムがプッと噴き出した。

携帯を見てたのはきっとミニョからのメール。不機嫌の原因がミニョとのことなら、笑ってたのもミニョが関係しているのだろう。


「ホント、テギョンヒョンって判りやすいよな。」


クックッと声を殺して笑いながらミナムはアイスを口へと入れた。



。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆



ああ、いつの間にか月曜日。

また土、日とお休みしました。は、は、は、・・・

PC開けなかったのに、下書きも進んでない~

今回の話、一度PCに下書きしたのに三分の一を書き直しました。それに二日もかかってしまった・・・。

ただの愚痴です(いい訳ともいう?)すみません。



もうちょっと先のところで、煮詰まっちゃってます。

分岐点。

あっちにしようか?こっちにしようか?

う~ん、どうしよう。

目的地は一緒なのにそこに辿り着くまでが・・・悩みます。

あ、でもこの「う~~~」って悩んでる間って、結構楽しいのでご心配なく。



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