You're My Only Shinin' Star (134) 心の変化 4 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

「おはようございます。」


今日は雑誌の写真撮影。ドラマの宣伝用の撮影だが、A.N.JELLのライブの都合で他の共演者達と日程が合わず、テギョン一人の撮りだった。

ミニョは笑顔でスタジオ内にいる全ての人に挨拶を済ませると、壁際に一人ポツンと立った。

コ・ミニョという名前。ミナムとそっくりな顔。

初めてミニョを見た時は 『コ・ミナムの双子の妹』 『明洞聖堂の・・・』 と騒いでいたテレビ局のスタッフ達。

テギョンと一緒にいることから、A★Nエンターテイメントからデビューするのかと噂が立ったがミニョはそれを否定していた。


「マネージャー見習いです。」


というミニョの言葉に、何故歌手としてデビューしないんだと人々は首を傾げた。

マネージャー見習いといってもミニョは施設の仕事が休みの時にテギョンの傍にいるだけ。時々しか姿を見せないミニョに 『デビューさせるために準備させているのか?』 『他のタレントにつけるのか?』 と憶測が飛び交う。

テギョンの傍でテギョンの仕事が見られるだけでも嬉しいミニョは周りの言葉は全く気にせず、控え目に壁際に立っている。

本当にマネージャーとしてテギョンについている訳ではないので、何もすることがないミニョはお茶を配ったり、差入れを配ったりとチョロチョロ動き回る。

テギョンがカメラを向けられながら、ごそごそとスタッフの手伝いをしているミニョを見て顔をしかめた。


「コ・ミニョ、ウロウロするな、気が散る。」


「はい、すみません、テギョンさん。」


声を荒らげるテギョンに謝るミニョ。

ミニョはテギョンに頭を下げると壁際へと移動する。

そんな二人の遣り取りは日常茶飯事で、スタッフの手伝いをするマネージャー見習いを注意するテギョンという姿から、とても二人は恋人同士には見えなかった。


ミニョが他の男と必要以上に接触するのを阻止したテギョンは、壁際に立つミニョに満足気に笑みを浮かべるとカメラに向かい最高の表情を見せた。






「あちゃー、しまった。」


「マ室長、どうかしたんですか?」


すぐ傍にいたマ室長がカバンをごそごそと探っている。


「車の中に書類忘れてきちゃったよ。」


「私が取りに行きましょうか?」


時々車の中に忘れ物をするマ室長。代わりにミニョが取りに行くのもよくあることで、今日もミニョが車まで取りに行った。

その間も撮影は順調に進んでいき、ミニョの姿が見えないことに気づいたテギョンが、またマ室長かと口元を歪ませているとスタジオのドアが開いた。


「すみません、遅くなりました。」


姿を現したのはイ・ミンジ。


「俺一人の撮りじゃなかったんですか?」


「あれ?テギョンには伝わってなかったのか?」


既に他の共演者と撮影を済ませていたが、この時間スケジュールの空いていたミンジはテギョンと一緒に撮影をする為に呼ばれていた。


「テギョンオッパ、よろしくお願いします。」


「あ、ああ・・・」


ミンジとの撮影だとは聞いていないテギョンは顔をしかめたが、すぐに二人一緒の撮影が始められた。

テギョンを見つめるミンジ。

ミンジを後ろから抱きしめるテギョン。

ドラマの内容に沿ったポーズを要求され、二人が身体を寄せているポーズが多く撮られた。

テギョンはミニョの姿が見えないことにホッとため息をつくと自分の感情を押し殺し、カメラマンの注文通りミンジに笑顔を向けた。





車から戻って来たミニョがスタジオのドアを開けると、女性を抱きしめているテギョンの姿が目に飛び込んできた。


「えっ?」


スタジオの中に入ろうとしていたミニョの足が止まる。


「ミンジ・・・さん?」


ミニョもテギョンの出るドラマの共演者の顔は知っている。

ミンジに優しく微笑んでいるテギョン。

唇が触れそうなほど顔を近づけミンジの瞳を真剣な眼差しで見つめるテギョン・・・

ミニョはいつの間にかドアを閉め廊下に出ていた。


「今日はミンジさんも・・・一緒・・・だったの?」


無意識にミニョは胸元の星を握りしめていた。




ミニョは自分でもどれくらいその場所に立っていたのか判らない。ただドアが開き、ぞろぞろとスタッフが出て来たことに気づくと、慌ててマ室長を捜した。


「すみません、遅くなっちゃって。」


「ああ、いいよ、こっちこそごめんね、取りに行かせちゃって。テギョンなら今・・・」


「あ、あの、私、先に車に戻ってますから。」


ミニョはマ室長の言葉を遮りそう言うと、頭を下げ廊下を走って行った。




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