You're My Only Shinin' Star (129) テギョンオッパ | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

テギョンはミナムを迎えに来たマ室長から車を奪い取るとミニョを乗せた。

テギョンは昨夜のことをミニョに聞けず、ミニョも昨夜のことをテギョンに話せず、お互い何となく気まずい雰囲気の中マンションへと向かう。

昨夜、テギョンの部屋へ泊るとミニョから連絡があったカトリーヌは玄関に佇む二人を見て首を傾げた。

真っ赤な顔を俯けコートの襟をキュッと摑むミニョと、気まずそうにカトリーヌから目を逸らすテギョン。


「ああ、まったく・・・」


カトリーヌは笑いを含んだため息をつきながら、恥ずかしさで口をつぐんでいるミニョの首にそっとファンデーションを塗ってやる。


「あんまりミニョを困らせないように。」


テギョンはカトリーヌの言葉を背中で聞きながら着替えを済ませたミニョと再び車に乗り込んだ。





今日も一日休みだと言うミニョを連れ、事務所へ向かう。


「今日は事務所の中でずっと曲作りだ、傍にいろ。」


テギョンはアン社長にマネージャー見習いとしてなら連れて歩いても問題ないと言われ、ミニョを連れ事務所の中を歩く。

口の両端を微かに上げ満足そうに歩くテギョンと、その後ろを控え目にちょこちょこついて行くミニョを見てアン社長は笑みを零した。


「おお、テギョンのあんなニヤけた顔初めて見たぞ。テギョンもミニョさんと一緒にいられれば嬉しい筈だ。事務所に入ることを勧めてくれるかもしれないな。」


「ミニョさんを聖堂だけで歌わせておくのは勿体ないですからね。うちの事務所に入れるってのはいい案でしょ。」


アン社長の横でマ室長が得意げに胸を張る。


「理由はどうあれ、この事務所に出入りさせておけば、他の事務所への牽制にもなるからな。マ室長もたまにはいいことを言うな。」


「アン社長、たまにはっていうのは余計ですよ。」


「ハッハッハッ。」


「ハッハッハッ・・・」


中年男二人の笑い声が廊下に木霊した。





テギョンはミニョを作曲部屋の隅にあるソファーに座らせるとキーボードに指をのせる。

滑らかに動く長い指。先の尖った鉛筆で五線紙に譜を書き込んでいく。

ハミングをしながら少しずつ音程を変え何度も同じメロディーを弾く。

二人の間に会話はなかったが、少しずつ曲が出来上がっていく様子をミニョは楽しそうに見ていた。


テギョンの携帯が鳴り短い会話の後、すぐ戻るからとミニョをその場に残しテギョンは部屋を出た。

折角ミニョと二人きりだったところを邪魔されたテギョンはチッと舌打ちをし、ドアを開けると中にはアン社長、マ室長、昨日の女優・・・イ・ミンジがいた。


「テギョンさん、昨日はすみませんでした。」


ミンジが立ち上がり深々と頭を下げる。

NGを連発し、テギョンに迷惑をかけたとこの事務所まで謝りに来たらしい。


「そう思っているなら次はNGを出さないようにしてくれ。」


ぶっきら棒にそれだけ言うとプイと顔を背ける。


「おい、テギョン。そういう言い方をするからミンジさんも緊張してNGを出したんじゃないのか?おまえは無愛想過ぎるからな、もっと愛想よくしろよ。そうすればきっとファンだって増えるぞ。」


「アン社長、俺は忙しいんです。話はそれだけですか?失礼します。」


いつもと同じ小言にうんざりしながらテギョンは椅子に座ることなくさっさと部屋から出て行った。


「あーまったく、こんなことでいちいち呼び出さないでくれ。」


テギョンは廊下を大股で歩き、慌てて後をついてくるマ室長を振り返ると苛々と声をかけた。


「まあそう言うなよ、あの子だって悪いと思ったからわざわざ事務所まで謝りに来たんだろ?それにしても元は舞台女優だって聞いたけど、あんなんで舞台なんて務まるのか?」


「さあな、どっちでもいいことだ、俺には関係ない。」


フンと口の片端を上げ足早に歩くテギョンの後ろ姿を追いかけてくるように走ってくる一つの足音。


「テギョンオッパ。」


テギョンが眉間にしわを寄せ振り向くとミンジが大声で呼びながら近づいてくる。


「昨日は本当にすみませんでした。今後はあんなことがないように気をつけます。」


膝に頭がつきそうな勢いで身体を二つに折り謝る姿にため息をつきながらも、オッパと呼ばれたことが気に食わないテギョンは腕組みをするとミンジを軽く睨みつけた。


「おい、何で俺があんたからオッパと呼ばれなきゃならないんだ、馴れ馴れしい。」


「えっ、でも昨日監督が・・・」


昨日の撮影であまりにもNGを出したミンジは、テギョンを見る度に緊張して固まるようでは困るから、普段からもう少しテギョンと自然に接することが出来るようにと注意されていた。


「私がテギョンさんのことをオッパと呼んでいいですかと聞いたら、いいと言ってくれましたよ。憶えてませんか?」


撮影も後半になると記憶が曖昧になっていたテギョンは、マ室長にそう言えばそんな話をしていたなと言われ、口元を歪めながら撮影が終わるまでだからなとミンジに言うと、作曲部屋へと歩き出した。



。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆



昨日はお休みを頂いて下書きを書いてました。

一日PCを開かずに、ノートにシャーペンでかきかきかきかき・・・

あんまり沢山は進んでないけど、煮詰まってたとこは越えたので精神的にちょっと楽になったかな?

これからも時々お休みしますが (宣言?) こんな感じのブログで良ければこれからもお付き合い下さい。



宜しければ1クリックお願いします

  更新の励みになります

         ↓

   にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
    にほんブログ村



  ペタしてね    読者登録してね