You're My Only Shinin' Star (128) 驚きの朝 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

カーテンの隙間から射し込む朝の陽射しがテギョンの顔を照らしている。目を開けようとするが抱きしめている柔らかい感触と、鼻の奥をくすぐる甘い香りに朝の微睡を楽しんでいると、突然頭にズキンと痛みが走った。


「うっ・・・」


右手で額を押さえると目を開け辺りを見てみる。


「あれ?・・・俺の部屋?・・・ミニョ!」


左腕にミニョの頭を乗せ包み込むように抱きしめている自分に気づき思わず声を上げた。


「何でミニョが・・・俺昨日どうしたんだっけ・・・」


ズキズキと痛む頭で考えていると、ふと下半身に違和感を覚えた。布団を捲って中を覗いてみると、ズボンが膝の辺りまでずり下がっている。


「うわっ何だ!?」


慌ててベッドから抜け出し、今では足首まで下がってしまったズボンを引き上げようとした時、後ろから布団の擦れる音と共にミニョの声が聞こえてきた。


「あ、オッパ、おは・・・きゃあっ!」


上半身をベッドから起こしたミニョがテギョンの姿を見て慌てて頭から布団を被った。


「オッパ、何でそんなとこでズボン脱いでるんですか!」


「脱いでるんじゃない、穿いてるんだ・・・つっ!」


大きな声を出したテギョンはズボンを上に引き上げながら頭に走った痛みに顔を歪めた。


「オッパ、大丈夫ですか?」


ミニョは布団から顔を覗かせテギョンがズボンを穿いたのを確認すると、ベッドから飛び起き代わりにテギョンをベッドへ寝かせた。


「やっぱり、マ室長の言ってた通りですね、二日酔いです。」


「二日酔い?俺が?」


「撮影でウイスキー飲んだってマ室長が言ってましたけど。」


痛みの続く頭で考えてみると、少しずつ昨日のことを思い出してきた。





折角ミニョと一緒にいられると思って撮影スタジオにまで連れて来たのに、監督の注文にテギョンは内心舌打ちをしながらミニョを外へ出した。

嫌いなドラマの仕事でも、すぐ傍でミニョが見ていると思えば精神的にずいぶん違う。だが、相手役の女優を抱きしめなくてはならないことになり、そんな姿はミニョに見られたくなかった。

さっさと済ませてスタジオから出たい、その一心で何度もNGを出す女優の相手をした。

確かに本物のウイスキーを使っていた。しかしNGが重なり、途中からウーロン茶に変えた筈だったが、監督の指示はスタッフに上手く伝わっていなかった。

何も言わず、何度もグラスを空けたテギョン。短時間でかなりの量を飲んだ為、撮影が終る頃にはテギョンの足はふらついていた。

メイクを落とし、着替えを済ませた時にはほとんど意識のない状態だった。

控室からマ室長に支えられて出て来たテギョンは、心配して手を貸そうとした女優の手を振り払い、エレベーターへと乗る。

反対側の肩をミニョに支えられ、車に乗ったところでテギョンの意識は途切れた。





ペットボトルの水を飲み、ベッドに横になるとミニョが心配そうに顔を覗き込む。

テギョンのスウェットのだぶついた袖とズボンの裾を折り曲げて着ているミニョの大きく開いた首元に、テギョンの目が釘付けになった。

ミニョの首から鎖骨にかけて幾つか見える赤い痕・・・


― 俺か?俺だよな?俺しかいないだろう・・・


ミニョの首筋を食い入るように見つめるテギョンは言葉も出ない。


「オッパ、大丈夫ですか?もう一本お水持ってきますね。」


いつもと変わらない様子のミニョはパタパタとスリッパの音を響かせ部屋から出て行った。


「俺、一体何をしたんだ?」


小さく呟きながら昨日のことを思い出してみるが、どうしてもミニョとマ室長に支えられ車に乗ったところまでしか思い出せない。

気が付いたら自分のベッドでミニョを抱きしめながら寝ていて、ズボンが膝まで下がっていて・・・

ミニョの首筋に残る赤いしるし・・・

ズキズキと痛む頭に顔を歪めながら一生懸命昨日のことを思い出そうとしていると、バタンと大きな音がしてドアが閉まり、ミニョが走ってバスルームへ消えて行った。

暫くの沈黙の後のミニョの短い叫び声。

泣きそうな顔でこそこそとバスルームのドアから姿を現したミニョ。


「オッパ~・・・」


水を取りに下へ行った時に誰かに指摘されたのだろう。

赤い顔で下唇を軽く噛み、上目遣いでテギョンに何かを訴えるその瞳は潤んで見えた。

ギュッとスウェットの襟元を摑み、首をすくめるその姿を可愛いと思ってしまうテギョン。

こんな時どんな言葉をかければいいのだろうか?

どうかしたのか?と何事もなかったかのように言えばいいのか?

何か文句でもあるのか?と開き直ればいいのか?

フッと口の片端を上げて笑えばいいのか?

考えれば考えるほど痛みが増してくる頭を手で押さえ、テギョンは大きく息を吐いた。


「あ・・・ミニョ・・・ごめん。」


何をしたのか全く憶えていないが、「今私はもの凄く恥ずかしい思いをしてきたんです!」 と自分を非難するかのような目つきのミニョに、テギョンは謝罪の言葉を口にした。



。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆



朝から出かけていたので更新がいつもよりちょっと遅くなっちゃいました。

4月から子供会の役員・・・いつかは順番が回ってくるんで、覚悟はしてましたが

かなり大変そう。
2月から少しずつ忙しくなりそうです。

新入生歓迎会、環境美化、盆踊り、運動会、お祭り、クリスマス会、その他色々・・・

ああ、何でこんなに行事が・・・

預ける方は楽だけど、預かる方は大変だ~としみじみ思いました。

まだ始まってもいない新年度の為に、明日から動きます。



ピグですが、やってる時間がもの凄く短い上に時間帯も決まってません。

お部屋に来て下さる方、なかなか会えなくてごめんなさ~い。



宜しければ1クリックお願いします

  更新の励みになります

         ↓

   にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
    にほんブログ村



  ペタしてね    読者登録してね