You're My Only Shinin' Star (125) A.N.JELLの妹 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

事務所の廊下をミニョの手首を摑みニコニコしながら歩いているジェルミ。

少し困った顔で時々後ろを振り返りながら手を引かれているミニョ。

口元を歪ませ腕組みをしながらその後をついて行くテギョン。

すれ違う人達は首を傾げながら三人を見ていた。


「みんなー、ミニョ連れて来たよー。」


ジェルミが元気にドアを開けると部屋の中にはシヌ、ミナムの他に練習生がいた。


「ミニョ。」


微笑むシヌと、無言で手を上げるミナム。その後ろから興味津々といった感じで身を乗り出すようにミニョを見ている二人の練習生。


「わあ、ホントにミナム先輩に似てますね。」


「可愛いなぁ。」


テギョンの頬がピクリと動き練習生をギロリと睨むが彼らはそれに気づいておらず、ミニョの方をじっと見ている。


「初めまして、コ・ミニョです。」


「チェ・ジュンホです。」


「パク・ジフンです。」


ミニョがペコリと頭を下げると彼らも同じように頭を下げた。

ジェルミは久しぶりにミニョに会えたのがよっぽど嬉しいらしく、ずっとミニョに話しかけている。

ミニョに纏わりついているジェルミをミナムは呆れたような顔で見ていて、シヌはミニョに近づくと頭をくしゃくしゃっと撫で 「久しぶり」 と微笑んだ。

皆が楽しそうに話しているのをテギョンは椅子に座り、ペットボトルの水を飲みながら睨みつけるように見ている。


― おい!そこのお前!そんなにミニョに近づくな!ジェルミもくっつき過ぎだ、もっと離れろ!ミニョもやたらと笑顔を振りまくんじゃない。


近づいて行きミニョの手を引っ張って自分の隣に座らせようという思いをぐっと堪え、ワナワナと怒りで震える手でペットボトルを握りしめる。

練習生達と楽しそうに話しているミニョを見て、テギョンは眉をピクリと動かすとコホンと咳払いをした。


「お前達サボってないで練習しろ。」


「テギョンヒョン、俺達二時間もぶっ続けで弾いてんだ、ちょっとくらい休憩させてよ。」


あー疲れたとわざとらしく手首を回すミナムを見てテギョンはグイッと一口水を飲むと、人差し指だけをクイクイッと曲げミニョを呼んだ。


「・・・コ・ミニョ。」


「はい、テギョンさん、何ですか?」


椅子に座っているテギョンの方にミニョはチョコチョコと近づいて行った。


「もう仕事に行かないといけないんじゃないか?マ室長に送ってもらうなら俺も用事があるから・・・行くぞ。」


「今日と明日はお仕事お休みです。慌てなくても大丈夫ですよ。」


立ち上がりかけたテギョンの身体が一瞬止まる。

テギョンはミニョをこの部屋から連れ出したくて声をかけたが、そんなことには一向に気づかないミニョはその場でニコニコと笑っている。


「いいからお前はもう帰れ、練習の邪魔だ、ほら行くぞ。」


テギョンはミニョの手を摑むと振り返ることなくさっさと部屋から出て行った。


「今、テギョン先輩・・・手、繋いでませんでした?」


驚き目を丸くするジュンホとジフン。


「あー服、服摑んでたんだよ、まさかテギョンヒョンが手なんて繋ぐ訳ないだろ。」


ハ、ハ、ハ、と笑い誤魔化すジェルミ。


「そうですよね、でもあんなテギョン先輩初めてみました。何かいつもと違うような・・・そうか、目だ。ミニョさんを見てる目がいつもより優しい感じがしました。」


「ミニョは俺達にとって妹みたいなもんだからな。」


シヌがフッと笑って二人の消えたドアを見つめた。


「へぇー、A.N.JELLの妹か。意外ですね、怖いイメージしかなかったけど。」


「兄貴の俺よりもミニョには煩いからな、テギョンヒョンは。」


呆れた様に言うミナムに、シヌとジェルミは大きく頷いた。





「オッ・・・テギョンさん、手を離して下さい。」


手を繫いだままズンズンと廊下を歩き続けるテギョンを引っ張り手を離すミニョに、テギョンはムッとして口を尖らせた。


「ここは事務所で、今の私はメンバーの妹です。手を繫いでいるのはマズいです。」


キッパリと言うミニョにテギョンは更に口を尖らせ歩いていると、後ろからアン社長に声をかけられた。


「テギョン、二人で堂々と歩けるっていいだろう。そりゃあ陰でこっそりってのもスリルがあっていいけどな。どうだ、ミニョさんがうちの事務所に入れば大っぴらに歩けるぞ。交際してることは秘密にしてもらうがな。これからドラマの撮影だろう、ミニョさんも連れてったらどうだ。そうだな・・・マネージャー見習いってことで見学させたら。」


今までミニョとのことがバレないようにと口煩かったアン社長。何を考えてマネージャー見習いなどと言い出したのか判らないが、アン社長の言葉にテギョンの心が少し揺れた。

一緒にいられるのは嬉しい。ドラマの撮影は精神的にもの凄く疲れる。そんな時にミニョが傍にいてくれれば・・・

悩むテギョンにミニョは大きな瞳をキラキラと輝かせると服の袖をギュッと摑んだ。


「行ってもいいですか?」


元々テギョンはミニョと一緒にいるところを見られて困るようなことはなかった。アン社長との約束で半年間は公表しないことに同意したが、できればどこにでも一緒に連れて行きたいくらいだ。


「アン社長、ミニョを連れて歩いても、ミニョが事務所に入った訳ではありませんので。」


テギョンはミニョを連れ、マ室長と共に車に向かった。



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