You're My Only Shinin' Star (109) プロポーズ 2 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

ふわりと浮くミニョの身体。テギョンの歩くリズムに合わせて揺れる身体。ふわふわと宙に浮いている感じが心地いい。

いつもとは違う角度で見上げるテギョンの顔はやっぱりどこから見ても綺麗で、顎から首筋のラインがくっきりと見えて妙にドキドキとしてしまう。


テギョンは自分の部屋へ入ると、ミニョをベッドの上へ降ろした。

離れていくテギョンの身体をその場にとどめようとミニョの腕がスッと伸び、テギョンの首に回される。


「どうした?」


自分の首に回されたミニョの腕に、先程よりも近くなったミニョの顔にドキリとしながらも努めて平静を装いミニョの方を見る。

ミニョはテギョンを見つめたまま腕に力を入れ、テギョンは引き寄せられるようにミニョの隣に腰を下ろした。

テギョンの首に抱きついたままのミニョは首筋に顔を埋めたまま、何やらぶつぶつと呟いている。


「どうしたんだ?」


テギョンがミニョの行動に首を傾げながら顔を覗き込むと、ミニョは首筋から顔を離しテギョンをじっと見つめた。


「何ともありませんか?」


「?」


ミニョの質問の意味が全く判らないテギョンはまじまじとミニョを見つめ首を傾げるばかり。


― 私はこうやって首にオッパの唇が触れるだけで、凄くドキドキして体が熱くなって変な感じがするのに・・・オッパは何ともないのね。やっぱり私、何か変なのかな・・・


「な、何でもありません。」


ミニョはテギョンから腕を離すと赤くなった顔を見られないように立ち上がる。が、酔っているせいか身体がふらつき倒れそうになったところを慌ててテギョンが抱き止めた。


「ちょっと座ってろ、水を持ってきてやるから。」


ミニョはテギョンの持って来た水を飲むと少し酔いが醒めたのか、シャワールームへ入って行った。


「酔ってるのに大丈夫か?それとももう酔いは醒めたのか?」


テギョンは服のポケットに手を入れると小さな箱を取り出した。


「こいつを渡すのは・・・今日じゃない方がいいかもな。」


テギョンはシャワールームのドアを見つめると手の中の箱を机の引き出しへしまった。




テギョンがシャワールームから出てきた時にはミニョはすでにベッドの中に入り、頭から布団を被っていた。

酔って甘えるミニョの姿を少なからず期待していたテギョンは、思惑が外れたことに口を尖らせながらミニョの横へと身体をすべり込ませる。

背中を向けたままのミニョに、こうしてこの部屋で一緒に眠るのも今日が最後になるのに、このまま背中を向けたままのつもりなのかと軽く睨みながら、ミニョの頭を腕に乗せようとした時ミニョがその身体をくるっと反転させ、テギョンの腕を摑んだ。そしてその腕をギュッと抱きしめるとミニョの方から指を絡ませるようにして手を繫いできた。


「起きてたのか。」


ミニョはテギョンの腕に額を押しつけたまま頷いた。


「いよいよ明日だな。」


「・・・・・・」


「ここでこうして眠るのも今日が最後だな。」


「・・・・・・」


「ミニョ?」


何も返事をしないミニョの顔を覗き込むと、ギュッと閉じられたミニョの目尻に微かに光るものが見えた。


「どうしたんだ?」


ミニョの頬に手を当て、心配そうに覗き込むテギョンにミニョはゆっくりと顔を上げた。


「何だかよく判らないんですけど苦しくて・・・。明日にはここを出て行くんだと思うと胸の奥の方がギュッて苦しくなるんです。アフリカへ行く時にはそんなに感じなかったのに・・・すぐ近くで、ちゃんと会えるのに、こうやってオッパと一緒に眠れなくなるのが凄く寂しくて、何だか今日は変なんです。・・・きっとまだ酔ってるんですね。」


ミニョは繋いだ手に力を入れテギョンの手をギュッと握ると、顔を隠すように額をテギョンの腕に押しつけた。

ミニョが自分と離れて別の場所で生活することに寂しさを感じていることを知り、テギョンは嬉しかった。いつも自分だけがミニョを求めているような気がしていたが、ミニョも自分を求めていたのだと思うと胸の奥が締めつけられるように痛くなり、繋いでいる手を離すと腕の中にミニョを抱きしめた。


「ちっとも変じゃないぞ、俺だって同じ気持ちだからな。だがそうやってお前が素直に自分の気持ちを話すのは、まだ酔っているからかもな。」


ミニョの手が遠慮がちにテギョンの背中に回される。


「最近はよく眠れていたのに・・・また明日から眠れなくなりそうだ。」


「私も・・・明日から眠れなくなりそうです・・・」


テギョンの胸に顔を埋めながら寂しそうに呟かれた言葉に、テギョンは小さくため息をついた。


「いや、お前は大丈夫だ、いつでもどこでも眠れる。俺がいなくてもぐっすり眠れるだろう。案外神経太そうだからな。」


「オッパ、それはひどいです。」


テギョンを見ながらぷうっと頬を膨らませるミニョにテギョンは優しく微笑んだ。


「寂しそうな顔よりそっちの顔の方がいいな、俺が安心できる。笑っていなくてもいい、怒った顔でも構わない、寂しそうな顔はするな。お前を抱きしめたくて・・・たまらなくなる。」


「オッパ・・・」


「さあ、もう寝よう、明日は忙しいだろうからな。」


テギョンはミニョを抱きしめている腕に力を込める。

ミニョもテギョンの背中に回した手に少しだけ力を入れる。

二人はこの部屋で一緒に眠る最後の夜を、互いの身体を抱きしめながら眠りについた。



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