You're My Only Shinin' Star (108) プロポーズ 1 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

マンションへは荷物を運び終わり、あとはミニョ自身が引っ越すだけ。

ミナムにはだいぶ前に合宿所から引っ越すということを話してあった。ミナムの部屋で合宿所から出て行くことを報告すると、ミナムは、「あ、そう。」 と一言だけ言い、ミニョが部屋を出て行く時に、「良かったな。」 と一言付け加えた。

数日前にはシヌとジェルミにも話をした。

最近のミニョとテギョンの様子からうすうす勘付いてはいたが、二人共面と向かって聞き出せず、ミニョの方から合宿所を出て行くことを告げられた時はショックを受けたようだ。

シヌは少し寂しそうな顔をしたが、「いつでも遊びに来いよ。」 と言うと、頭をくしゃくしゃっと撫で微笑んだ。

ジェルミは大騒ぎをするかと思いきや、ガックリと肩を落とし、「何も出て行かなくても・・・そんなにテギョンヒョンが嫌なら俺の部屋に来ればいいのに。」 と真顔で言い、テギョンに思いっきり睨まれた。

ミニョは合宿所の合鍵を持ったまま出て行くことに。カトリーヌがいつでも練習室を使えるようにと、ミニョが鍵を預かり、ミニョ自身も歌の練習の為合宿所へ自由に出入り出来るようにという理由からだったが、それよりもいつでもミニョが帰れる場所として鍵を持っていて欲しいと言う皆の気持ちが強かった。


引っ越し前夜、ジェルミによって例のごとくパーティーが開かれた。

ジェルミにとって名目など何でもよかったが、合宿所を出て他の場所で生活するミニョの引っ越しを祝うパーティーとはとても名付けられず、「とにかくミニョと一緒に楽しく過ごしたい!」 という名のパーティーになった。





「ミニョ~、いつでも遊びに来ていいからね。テギョンヒョンがいなくても来てね~」


「はい、時々練習室使わせてもらいますね、ジェルミ。」


ミニョとジェルミが並んで座り話しているのを聞きながら、シヌは隣でビールを飲んでいるテギョンに顔を向けた。


「いずれはテギョンも出て行くんだろ。」


「・・・知っていたのか。・・・ああ、半年後にはここを出るつもりだ。」


「社長はOKしたのか?」


「いや、まだだ。だが何とか説得する。」


ビールを傾けながらミニョを見る。ジェルミと楽しそうに話をしているミニョ。隣に移動してきたシヌに笑いかけるミニョ。明日になればここを出て行くが、マンションは近い。自分は会おうと思えば毎日でも会うことが出来る。だがシヌとジェルミは違う。ミニョが合宿所に来た時くらいしか会えなくなるだろう。

そう思うと無理にミニョを引き離すことはせず、服のポケットに手を入れ、そこに手の平に収まるくらいの小さな箱の存在を確かめると、テーブルを挟んだ向かい側で三人の様子をビールを飲みながら見ていた。


「ヒョン、あれ、いいの?」


料理を口に頬張りながらミナムがテギョンの隣の椅子に座った。

あれ、とは当然目の前の三人のこと。テギョンは返事の代わりにビールを口にした。


「ミニョが出て行くなんて・・・よく手放す気になったね。・・・まあ、あの二人から引き離せると思えば賢明な判断てとこかな。」


次の料理に手を伸ばしながらミナムはテギョンの方をチラッと見る。テギョンは口の片端を上げると何も言わずに横を向きビールを飲み続けた。


「あ~、ミニョ大丈夫?」


ミニョを心配しているジェルミの台詞だが、その声はどこか嬉しそうに聞こえる。

テギョンがジェルミの方を見ると、ジェルミに倒れかかるミニョの姿が。


「オッパー、今日はぁ、ジェルミがいいよって、いっぱい飲ませてくれたんですぅ。」


ニコニコと笑いながらジェルミにもたれかかるミニョをテギョンがぐいっと引っ張り立たせる。

睨みつけるテギョンをジェルミは身体を小さくしながらじっと上目遣いで見た。


「今日くらいいいだろ~。こんな風に甘えてくるミニョ、飲んだ時にしか見られないんだから。ヒョンはいっつも一緒にいて、いっつも独り占めしてるんだからいいじゃないか。」


「ジェルミ、俺とお前では立場が違うんだ、当たり前だろう。」


二人が話している間もミニョはクスクスと笑いながらテギョンの方へもたれかかり、その肩をテギョンが抱き寄せる。


「ジェルミー、お前バカなことしたなー。ミニョはテギョンヒョンと一緒の部屋なんだぞ。ミニョをあんな風にして、テギョンヒョンが喜ぶだけだろう?」


ミニョは相変わらずニコニコとしながら潤んだ瞳でテギョンを見つめ、へへっと笑うとふらつく身体を支えようとテギョンの腕にしがみついていた。

ニヤニヤと笑うミナムにジェルミは両手で自分の頬を挟み、声も出ない。


「ミニョ、しっかりしろ、部屋へ戻るぞ。歩けるか。」


「オッパ、ダメです、歩けません。連れてって下さ~い。」


瞳を潤ませながら甘えるミニョに、仕方がないなと呟きながらも頬が緩みっぱなしのテギョンは、その場でミニョを横抱きに抱き上げると部屋へと向かった。



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今回のサブタイトル、悩んで悩んで悩んで・・・結局これ。

他にも考えたんだけど、後の方で使いそうなフレーズだったんでこっちにしました。

そのまんまストレートです。



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