You're My Only Shinin' Star (90) 穏やかな時間 1 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

「ミニョ大丈夫かなぁ。」


ジェルミが心配そうにウロウロとリビングを歩き回る。


「それにテギョンヒョンも・・・シャツの赤いのって、あれ血だよね。」


「ああ、あの様子だと傷口が開いたかもな。」


「俺を呼んでくれれば俺がミニョを抱っこしたのに。」


「それは無理だって、テギョンヒョンが他の奴にミニョを触らせる訳ないだろう?きっと骨折してても自分で抱いて連れてくよ。」


三人は顔を見合わせると大きくため息をついた。


「ミニョ、テギョンヒョンのことオッパって呼んでたね・・・」


ジェルミの呟くような言葉と、周りには自分達もいたのにミニョにはテギョンしか目に入ってないみたいだなと思うと、シヌは苦笑いを浮かべた。




病院に着いたミニョは抱き上げようとするテギョンをきっぱりと断って、多少ふらつきながらも歩いて診察室へ入って行った。

軽い胃潰瘍で、過労、睡眠不足、不安などによるストレスが原因と考えられ、二、三ヶ月の薬の服用で治るだろうということだった。

一安心したテギョンはちょっと用事を済ませてくると言ってミニョに車に乗っているように言い姿を消した。

暫くしてテギョンが部屋から出て来ると廊下ではミニョが待っていた。


「車に乗っていろと言ったじゃないか。」


処置室から出てくるところを見られたテギョンはミニョの姿を見て顔をしかめた。

ミニョは左腕に新しい包帯を巻き、びっこをひくように歩くテギョンの右手を摑んだ。その瞳には涙が浮かんでいる。


「オッパ、ごめんなさい・・・私のせいで怪我がひどくなっちゃったんですよね。」


申し訳なさそうに俯くミニョはテギョンの手をギュッと握る。


「いや、縫い方が雑だったからもう少し綺麗に縫い直してもらっただけだ。ミニョには関係ない。」


「足も痛みますよね、私が支えてますから摑まって下さい。」


「いい、一人で歩ける。」


「無理をしてこれ以上怪我がひどくなったらどうするんですか。怪我が治るまで私がお世話します。」


「大丈夫だ。」


「オッパ!」


ミニョの真剣な瞳に・・・テギョンが折れた。


「はぁ~、よし、そこまで言うなら治るまでずっと傍にいてもらおう。」


仕方が無いといった感じで許可を出すが、その顔には隠しきれずに笑みが浮かんでいる。


「はい、お世話させて頂きます!」


ミニョはテギョンの右側に寄り添い身体を支えるとゆっくりと歩き出した。





リビングのソファーに座り指を絡ませるように手を繫ぐ。


「オッパ、あの・・・ネットの写真って・・・」


「ああ、あれか・・・見たのか?」


「いえ、同じ施設のボランティアの人が教えてくれたんです。」


「あれは何でもない、一緒に写ってたのは雑誌の記者だ。」


「抱き合ってたって・・・それに、跪いて笑顔だったって・・・」


「抱き合ってなんかいない、あれは彼女が転びそうになったから受け止めただけだ。それに笑ってたのは・・・ミニョを思い出したんだ。あの記者がヒールが折れたと靴を見せた時の顔が・・・ミニョがドジをした時の顔と重なって・・・思わず笑ってしまった。」


その後、テギョンはどんな状況で撮られた写真だったかを詳しく話した。


「まさかストレスってそれか?ずっと気にしてたのか?」


「う~ん、よく判りませんが、何か凄く不安だったんです。それに怪我をしたって聞いて凄く心配して・・・。オッパは?どうして怪我をしたんですか?」


ネットのことが気になり、ミニョのことを想ってボーっとして・・・。今さらながら自分らしくない失態だったとつくづく思うテギョン。


「ミニョのことを考えていた。」


テギョンが繋いだ手に力を込めるとミニョも強く握り返した。





「怪我が治るまで世話をするんじゃなかったのか?」


「それはそうですけど・・・」


「ずっと傍にいるんだろう?」


「でも・・・」


「さあ、一緒に風呂に入るぞ。」


「・・・・・・」


何も言えずに赤くなった顔を俯けるミニョを見て、テギョンは拳を口に当てクスクスと笑っている。


「・・・オッパ・・・意地悪してます?」


「いや、からかってるだけだ。」


膨れるミニョの頬を見てテギョンは声を出して笑った。






「また一緒ですか?」


「ずっと傍にいるんだろう?」


「怪我してるんですよ。」


「・・・仕方ない、譲歩してやる・・・ほら。」


夜、ミニョを抱きしめて寝る為にベッドの中で両腕を広げて待っているテギョンに、怪我をしているからと断ろうとするミニョ。それならばと怪我をしていない右手を差し出すテギョン。一緒に風呂に入るのは諦めたんだから手を繫いで寝るくらいいいだろうと言われ、ミニョはおずおずとテギョンの隣に身体を横たえるとそっと手を繫ぐ。

繋がった手の先から伝わる温もりに、ああ、本当に帰って来たんだと思うとアフリカで見た夢のことを思い出した。


「私アフリカで、オッパと手を繫いだ夢を見たんですよ。」


― でもその手はオッパじゃなかったのよね。あの時は寂しかったな・・・


「そうか・・・」


横を向くとどこか満足気に笑って見えるテギョンの顔が間近にある。


「痛み止めのせいか・・・やけに眠い・・・もっと話したいことがあったのに・・・」


「話なら明日からいっぱいできます。私はずっと傍にいますから、今は身体を休めて下さい。」


「ああ、そうだな・・・」


テギョンの瞼が徐々に閉じていく。
ミニョはテギョンが眠りに落ちるまでその顔をじっと見つめ、つないだ手にもう一方の手を添え優しく包んだ。


「おやすみなさい、オッパ。」




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いつもタイトルの綴りを何度も何度も見直してました。

実際に間違った綴りで記事をUPしてしまったことがあって。

(何日か後で気づいて直しましたが)


そして先日・・・

そうだ、コピーして貼り付ければいいんだ!


今頃気づきました。・・・・・・今、何話目だ?



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