You're My Only Shinin' Star (77) 早く会いたい | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

ミニョの通っている施設には学生ボランティアが何人もいる。 学校が休みに入った為か、最近韓国からも何人か来ていた。同じ韓国出身で年が近いこともありミニョはその学生たち、ソユンとシヒョンとすぐに仲良くなった。といっても、ミニョは誰とでもすぐに仲良くなれるのだが。


「ミニョさん、A.N.JELLって知ってますか?」


ミニョは自分は修道院にいてシスターになるつもりだったと話していたことから、俗世に疎いと思われたのかソユンから知ってますか?と控え目に聞かれた。


「はい、もちろん知ってますよ。」


まさかこんなところでA.N.JELLの話題が出るとは思ってなかったので、少し驚きながらも嬉しそうに返事をする。


「さっき事務の人が話してるのを聞いちゃったんですけど、ファン・テギョンさんがここに来るみたいですよ。」


「えっ?」


ミニョは耳を疑った。

ファン・テギョンさんがここに来るみたいですよ・・・ファン・テギョンさんが・・・オッパ?・・・オッパがここに・・・?


「え~~っ!!」


ミニョは思わず大きな声を上げ慌てて口を両手で押さえる。


― 何で?オッパが?本当にここに来るの?


ミニョは顔を赤くし、口を押さえたまま言葉が出ない。その様子を見たシヒョンはクスクスと笑い出した。


「あー、ミニョさん、テギョンさんのファンなんでしょう。実は私達もファンなの、テギョンオッパ素敵よねー。」


うんうんと頷きながら二人で納得しているソユンとシヒョン。


「ほ、本当に、オッ・・・テギョンさんがここにいらっしゃるんですか?」


ミニョは何となく人前でオッパと呼ぶのをためらい、テギョンさんと言ってしまう。


「事務の人同士で話してたのがちょこっと聞こえて来ただけなんですけど、会社がどうとか・・・A.N.JELLも福祉活動をしてるってアピールする為にボランティアに来るんですかね。でもテギョンオッパの名前しか聞こえてこなかったから、他のメンバーは他の施設に行くのかなぁ。どっちにしても私はテギョンオッパに会えるっていうだけで嬉しいんですけどね。」




― オッパが来る?・・・この間の手紙にはそんなこと一言も書いてなかったのに、何で突然?事務所から言われてくるのかしら、それとも・・・


何故?どうして?と、頭の中が疑問符で一杯になりながらも、テギョンに会えるかもしれないと思うとついつい顔が緩んでしまう。

その日のミニョはソユン達の話を聞いてから全く仕事に身が入らなかった。

テギョンのことを考えボーっとしているかと思うと、突然クスクスと笑い出し、ハッと我に返り仕事を続け、またボーっとして、クスクスと笑い・・・と、不審な行動をしているミニョを周りの人は妙な目で見ている。

当の本人は周りの様子など全く目に入っていないようで、ずっとその調子で、見かねたシスターメアリーに具合が悪いのかと心配されてしまった。




その日の夜。ミニョはベッドへ入ってもなかなか寝付けなかった。

昼間ソユン達からテギョンの話を聞いてからずっと胸がドキドキとしている。心臓が壊れて倒れてしまうんじゃないかと思うくらい、ミニョのドキドキは止まらない。

テギョンに会えるかもしれないと思うだけで、胸がギュッと締めつけられるように苦しい。

ミニョはベッドからスルリと抜け出すと、胸元に揺れる星のネックレスを取り出し手の平で優しく包み込んだ。

目を瞑るとテギョンの優しい顔を思い出す。

難しい顔をしていることの多いテギョンだが、ミニョの前では笑顔でいることの方が多い。

自然とミニョの思い出すテギョンの顔も笑顔になる。

電話で話すと会いたくなってしまうと思い、今回も携帯を置いてきた。

本当にテギョンはアフリカへ来るのだろうか?

今すぐ聞きたい、会えるのか知りたい。携帯を置いてきたことが悔やまれる。

今までは仕事中はなるべくテギョンのことを考えないようにと、日々を過ごしてきたのに・・・一度この地で会えるかもしれないと思ってしまうと、もうテギョンへの想いは止まらない。

早く会いたい、早く会いたい・・・


「オッパ、早く会いたいです。」


ミニョは手の中の星をギュッと握りしめた。





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