You're My Only Shinin' Star (62) アフリカで 1 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

ピンポーン。

インターホンが鳴る。

暫くすると目の前のドアが開き、中からカトリーヌが現れた。


「あら、テギョン君こんなところに来て大丈夫?誰かに見つかりでもしたら大変じゃない?」


「でも他にゆっくり話せる場所はありませんから・・・」


テギョンは真剣な目でカトリーヌをじっと見ながらそう告げた。


「・・・どうぞ。」


カトリーヌに案内されてテギョンは部屋の中へ。

ここはカトリーヌの泊まっているホテル。

昨日テギョンはカトリーヌに話があるから会いたいと連絡した。ミニョのいない場所で話がしたいと考え、事務所に来てくれないかと頼んだがあっさりと断られた為、今日この部屋に来ることになった。

案内されるまま中へ入っていくと、ソファーに座る一人の人影。テギョンに背を向けて座っている人影は振り向くと一瞬驚いたように目を丸くしたが、すぐにニヤリと笑った。


「あれ?ヒョン。」


「ミナム、お前何でこんなところに。」


驚くテギョンを見ながらミナムは紅茶の入ったカップを持つと、ゆっくりと口へ運んだ。


「ミナム君にね、妹を困らせるなって怒られちゃった。」


紅茶の乗ったトレイを持ったカトリーヌはテギョンにソファーを勧めつつ、ミナムを見ながらクスクス笑った。


「ゴホッ、ゴホッ・・・お、俺そんなこと言ってませんよ。」


顔を赤くしたミナムはむせながら慌ててカトリーヌの言葉を否定する。


「あら、同じことじゃない。ミニョが心配でここまで来たんでしょう、ミナム君は。」


「・・・呼び捨てでいいですよ。ミニョだって呼び捨てじゃないですか。」


「でもミナム君とはほとんど初対面だし・・・ミニョとはす~~っごく親しいんだけど。」


ニッコリ微笑むカトリーヌ。


「だからそういう言い方が誤解されるんですよ。ほら、見て下さい。」


ミナムが指差した先には・・・顔を引きつらせたテギョンが・・・

二人の視線にテギョンは顔を背けた。


「うちにはすっごい焼きもち妬きがいるんです。」


ミナムが小さな声で言うと、カトリーヌと二人でクスクスと笑っている。


「それで?テギョン君はどんな用件かしら?」


横を向いたままのテギョンにカトリーヌが声をかけると、テギョンは真剣な目でカトリーヌの方をじっと見た。


「俺はミニョがアフリカであなたと何をしていたのか聞きに来ました。ミニョは何も言わないから・・・そのことで俺がミニョをひどく傷つけてしまった。何故話してくれないのかと苛立っていた俺が間違ってた。あいつは頑固だから・・・自分で言わないと決めたことは絶対に言わないでしょう。だからあなたに聞きに来ました。あなたは何者ですか?ミニョと何をしていたんですか?ミニョをどうするつもりですか?」


いつの間にかミナムもテギョン同様真剣な顔でカトリーヌの返事をじっと待っていた。

ソファーに座り目を瞑っていたカトリーヌがふぅっと一つ息をつき、ゆっくりと瞼を開く。


「何から・・・話したらいいかしら・・・いろいろあり過ぎて・・・。何が知りたいのか言ってもらえないかしら。答えられる範囲で教えてあげるわ。」


優しい微笑みをテギョンへ向ける。


「じゃあ・・・アフリカでミニョとあなたは一体何をしていたんですか?」


「私は・・・ミニョに歌を教えていたわ。呼吸の仕方、発声、基礎から・・・声楽を・・・」


「やっぱりクラシック…何故?」


「ミニョの歌声を変える為。それに、私にはクラシックしか教えてあげられない。」


カトリーヌはフッと寂しそうに顔を曇らせた。


「何故ミニョに?歌声を変える為ってどういうことですか?」


「ミニョとミナム君の声が似てるから・・・歌う声がそっくりだから・・・」


ミナムをじっと見つめる。


「ミニョも歌っていたでしょう?コ・ミナムの名前で 『言葉もなく』 を。」


テギョンとミナムの表情が一瞬硬くなった。



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