You're My Only Shinin' Star (41) 暗闇で | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

「シヌヒョンは・・・変わらないね。シヌヒョンのこの手・・・」


ミナムはそう言うと、自分の頭の上に置かれたシヌの手を摑む。


「シヌヒョンが年下の奴にする癖だと思ってた、でも違った。ジェルミにはやらない。俺と・・・ミニョだけだ。」


シヌはミナムの言葉にとっさに手を引っ込めた。


「シヌヒョン・・・俺はミニョじゃないから・・・・・・」


「・・・ミナム・・・お前、よく見てるな・・・」


シヌは自分でも気づいていなかったことをミナムに指摘され、動揺する。


「シヌヒョン程じゃないよ。俺はヘイさんとA.N.JELLと・・・時々ミニョかな。シヌヒョンは周り全てを見てる・・・でも自分のことはあんまり見えてないみたいだね。」


シヌはそうかもなと呟き、自分の顔を隠すように右手も乗せる。


「明日早いんだろ、俺はもう行くから・・・おやすみ。」


「ああ、おやすみ・・・」


ミナムは立ち上がりシヌの部屋から出て行った。


          ○          ○          ○


ミニョは後片付けを終えぬいぐるみ部屋へと消えた。テギョンも自分の部屋のベッドへ入り、一時間後・・・眠れずにいた。


「はぁ~、眠れない・・・」


テギョンは暫くゴロゴロと寝返りをうっていたが、ふと思い立ったようにベッドを抜け出し、部屋から出て行く。

ぬいぐるみ部屋の前で立ち止まると、軽くドアをノックするが返事はない。


「こんな時間だ・・・寝てるよな・・・」


テギョンはドアの前でウロウロと歩き回っていたが、大きく息を吸うとドアノブに手をかけゆっくりと回した。


「うわっ暗い。」


ミニョはテギョンとは違い部屋の明かりを消して寝る為、部屋の中は当たり前のように暗かった。

テギョンは中へ身体をすべり込ませるとそっと後ろ手にドアを閉めた。

窓にかかったカーテンが半分程開いている。そこから射し込む月の光がミニョの顔を青白く照らし出す。

暗闇の中、月の光を頼りに手探りでゆっくりとベッドに近づくテギョン。ドキドキと速くなる鼓動に息が苦しくなる。


「何か夜這いしてるみたいだな。」


テギョンは自分で言った言葉に思わずあせる。


「何を言ってるんだ俺は・・・。俺はそんなつもりで来たんじゃないぞ、ミニョがちゃんと眠れているか心配で見に来たんだ。」


自分自身に言い聞かせるように頷くと、ふと違う思いが頭をよぎった。


「ちょっと待てよ、俺達は恋人同士だ、別にいいんじゃないか?」


その場に立ち止まり腕を組んで首を傾げる。


「いや、でもミニョは寝てる。寝込みを襲うのはよくない。」


うんうんと頷くテギョン。


「じゃあ寝てなきゃいいのか?もしミニョが起きてたら俺はどうするつもりだったんだ?」


更に首を傾げるテギョン。

徐々にこの部屋に来た本来の目的を忘れかけてきた。依然として速いままの鼓動に加え、部屋の暗闇がテギョンの頭を混乱させる。

テギョンの部屋でミニョが寝ていた時は何の躊躇もなく、ミニョの隣に身体を寄せ抱きしめたまま眠っていたのに、部屋が違うだけで妙に緊張してしまう。

暗闇のせいか、月の光のせいか・・・

テギョンは深呼吸をし、ゴクンと唾を飲み込むと手探りで更にベッドに近づく。何歩か進むと足がベッドにあたった。

ぬいぐるみ部屋は狭い。ベッドもシングルしか入らない為、テギョンがベッドの端に腰を下ろすとすぐ近くにミニョの身体がある。


「やっぱり人参とほうれん草は食べた方がいいな。」


月明かりに照らされたミニョの顔がぼんやりとしか見えない。

サッと風が吹きカーテンが揺れると、部屋の中に射し込む月の光で少しだけミニョの顔がよく見えるようになった。青白く照らされるミニョの顔。


「ミニョ・・・本当にカトリーヌさんと一緒にアフリカへ行くのか?」


テギョンはミニョの顔を両手でそっと挟むと、ゆっくりと顔を近づけていった。



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