You're My Only Shinin' Star (39) ミニョとの距離  | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

「ねぇ、テギョンヒョン。そう言えばネックレスって何のこと?」


カトリーヌの話題で暫く妙な沈黙が続いたが、その場の空気を変えようと、ジェルミは今朝のことを聞いてきた。


「ああ、コレだ。ミニョに貰った。」


テギョンは胸元からネックレスを取り出して見せる。


「・・・石?丸いね・・・何の石?」


「ムーンストーンです。」


「これはミニョだ。」


ミニョの言葉にテギョンが続ける。


「「「?」」」


三人は何のことかさっぱり判らないといった顔をしている。

恥かしそうに俯くミニョ。テギョンは得意満面に月を握ると服の中へ戻した。



「テギョンさん、ほうれん草と人参、食べてますか?」


「・・・いや・・・食べてない・・・」


「ダメです、ちゃんと食べて下さい。私テギョンさんと一緒に星が見たいです。」


「俺は・・・月さえ見えればそれでいい。」


テギョンは胸元から月のネックレスを取り出した。


「ミニョはちゃんとアフリカでも星を探してたのか?」


「私の星はここにあります。だからもう探す必要はありません。」


ミニョは胸元から星のネックレスを取り出す。

クスクスと笑い合う二人。


「でもテギョンさん、健康の為にもほうれん草と人参、それとレバーも食べて下さいね。」


テギョンは言葉に詰まるがそれでも顔から笑みは消えない。




「テギョンヒョンよっぽど嬉しいんだね。さっきからずっと顔が笑ったままだよ。」


「何か逆に怖いんだけど・・・」


いつの間にかミナムが椅子を移動させ、ジェルミの横に座っている。


「そういえばテギョンヒョンっていつからミニョのこと名前で呼ぶようになったの?今まであいつとか言ってたよね。シヌヒョン、気づいた?」


「・・・・・・」


もちろんシヌも気づいていた。

ミニョの名前を呼ぶ時のテギョンの優しい表情を。

名前を呼ばれた時のミニョの嬉しそうな微笑みを。

そしてミニョに対して気持ちの整理ができていない自分の心も・・・

諦められると思っていた。

諦めなきゃいけないと判っている。

目の前で幸せそうに笑うミニョを見る度心が痛む。


― あの笑顔は、俺に向けられたものではない・・・


沖縄で全てを告白し、拒絶された時から・・・それ以前から判っていたはずなのに。アフリカへ行っている間にミニョの心が動いたら・・・。そんなことを心のどこかで考えてしまう自分が嫌で。

帰って来たミニョはやっぱりテギョンのことしか見ていなくて・・・そんなミニョを見てほっとしている自分がいる。

目の前で楽しそうに話をしている二人を見る。

韓国とアフリカ、六ヶ月間離れていても二人の心は離れない。距離も時間も今の二人には関係ない。


手にしていたビールの缶を一気に傾ける。


― ミニョの隣にはテギョン。俺はテーブルを挟んだこちら側。これが俺たちの距離だ。・・・俺がミニョの隣に並ぶことはない。


シヌは新しくビールの缶を開け、一気に飲み干す。胸の中のもやもやとした感情をビールと共に流し込むように・・・



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