ジェルミの顔がミナムに近づく。
「ストップ、ストーップ、ジェルミ!」
ミナムが叫んだ。
シヌはむせて咳込んでいる。
ミニョは顔を真っ赤にし。
テギョンはため息をついた。
「ジ、ジェルミ、違います、誤解です。」
ミニョが必死に否定する。
「あ、あれは、ネックレスを着けていただけで・・・。それにテギョンさんの手は私に触れていません。」
へ?そうなの?
ジェルミがテギョンの顔を見る。
「ああ、あれは、俺がミニョにネックレスを着けてもらっていただけだ。俺はミニョに触れていない。」
ジェルミが見たミニョの腰を抱き寄せるテギョンの腕は・・・これからしようとしていたところだった。
テギョンはネックレスを着け終わったミニョの腰をぐっと抱き寄せ、その艶やかで柔らかい唇に自分の唇を重ねる・・・予定だった。ジェルミがドアを開けなければ・・・・・・。
ミニョの腰の辺りで宙に浮いたままのテギョンの腕。首から離れるミニョの手。慌てて自分の身体の後ろに腕を引っ込めるテギョン。そしてドアを睨み思いっきり尖る口。
「それに、俺がミニョと何をしていようが、お前に睨まれる筋合いはない。だいたい俺の部屋に勝手に入るな。」
「ちゃんとノックしたよ。」
「返事を待たずに開けるなと言っている。」
「・・・ごめんなさい・・・・・・」
しゅんとなるジェルミの腕から何とか抜け出したミナムがジェルミの肩にポンと手を置いた。
「何か用があったんだろ?」
一瞬にしてジェルミの顔がパッと明るくなる。
「そう!今日こそミニョのお帰りなさいパーティーやろうと思って。今日は俺達三人共仕事終わるの早いし、テギョンヒョンはここで曲作りだろ。ミニョも・・・大丈夫だよね・・・まだ眠い?」
心配そうにミニョの顔を見るジェルミ。
「いいえ、私はもう大丈夫です。ここに来てから・・・たくさん眠りましたから。」
チラッとテギョンの顔を見て頬を赤くするミニョ。
ミニョには今朝起きた時にベッドでテギョンに抱きしめられていた記憶しかないが、ミニョが帰って来てから三日間、テギョンは夜になるとミニョを抱きしめながら眠っていた。
そのことを思い、顔に笑みを浮かべるテギョン。
二人の様子を見て顔を曇らせるシヌ。
そのシヌをじっと見ているミナム。
ジェルミは三人の様子に全く気づくことなく、一人ではしゃいでる。
「よしじゃあ今夜はパーティーだ。ミジャおばさんは午後からいないって言ってたから、俺達帰りに色々買って来るよ。ミニョは家でゆっくりしてて。」
明るい声でジェルミが言った。
○ ○ ○
午後ミジャが帰り、合宿所に残された二人。
『部屋なら移る必要はない。俺はこのままで構わない。』 と言うテギョンに 『いいえ、テギョンさんのお仕事の邪魔をする訳にはいきませんから。それにせっかくジェルミとお兄ちゃんが用意してくれたんですから。』 と、さっさと荷物をぬいぐるみ部屋へ運んだミニョ。
テギョンが口を尖らせながらキッチンで水の瓶を傾けていると、ミニョが階段を下りてきた。
「テギョンさん、お話があるんですけど。」
「ああ、俺も聞きたいことがあるんだ。」
真剣な目で真っ直ぐにテギョンの目を見つめるミニョに、テギョンも真っ直ぐにミニョの目を見つめ返した。
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