You're My Only Shinin' Star (25)テギョンの部屋で | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

ドアをノックすると中からどうぞと言う声。テギョンはミナムの部屋のドアを開けた。

ミナムの部屋はミニョが使っていた時と家具の配置などは変わっておらず、床に雑誌が数冊広がっているだけで、全体に部屋の中は整えられていた。

ミナムは今まで一人だけの空間というものを持ったことがない。養護施設では数人で部屋を共用し、練習生の時も二人部屋。自分で使用できるスペースがかなり限られる為、自然と片付けるということが身についていた。


「片付いてるな。」


テギョンは以前に二度ミナムの部屋に入っている。

一度目はモ・ファランのことを謝罪に来たとき。この時は片付いていた。

二度目はミニョがアフリカへ行く前日、パーティーの途中で眠ってしまったミニョを寝かせようと連れて来たとき。この時は散らかっていた。

今日で三度目。片付いている。


「あの時のは・・・わざとか?」


首を傾げるテギョンに、ミナムはパーティーの夜のことだと気づいた。


「あれ、やっぱりあの日ヒョンはこの部屋に来たんだね。」


「何でわざとちらかしたんだ?」


「だってそうしないと、ヒョンの部屋にミニョ連れて行かないだろ?」


クスクスと笑いながら答えるミナム。


「でもあれはやり過ぎだったかなって、ちょっとだけ後悔したんだ。」


「それは・・・俺が・・・つまり・・・あいつと・・・ベッドで一緒に・・・眠ってたからか?」


ミニョの兄であるミナムの前で、さすがにあれはまずかったかと言葉が途切れがちになる。


「いや、後で部屋の片づけが大変だったから。」


「なっ・・・」


「あの時は慌ててたから。適当に色々出して広げたもんだから、後でしまうのが大変で・・・」


笑いながら話すミナムにテギョンは言葉が出ない。


「で?話があるんじゃない?」


口元に笑いを残したままミナムの目が真面目になる。

テギョンはミニョのことで話をする為にミナムの部屋に来ていた。


「話があるのは、ミナムの方じゃないのか?」


リビングでのミナムの言葉は、テギョンには 『部屋にいるから後から来てくれ』 と言っている様に聞こえた。


「ヒョンの部屋で話そうか・・・」


二人はテギョンの部屋へと移動した。


          ○          ○          ○


テギョンの部屋へ入ると、ミナムはテジトッキが座っているソファーの前へ行き、テジトッキを自分の膝の上に置きソファーに座った。


「ミニョがアフリカで世話をしている子供のことは知ってる?」


「ネルソンのことか?最初はコミュニケーションがうまくいかず、ずいぶん落ち込んでいたみたいだが、最近はよく笑うようになったと今日の手紙にも書いてあったが。」


テギョンは机の前の椅子をミナムの方へ向けて座る。


「その子が施設に来る前に親から虐待を受けていたことは?」


「いや、知らない。」


「ネルソンがミニョに心を開いたきっかけは?」


「歌のことか? 『天使の糧』 を歌ったと。」


「他に何か歌のことで知ってることはない?」


「ミナム、一体何だ。何か話があるんじゃないのか?」


ミニョの一時帰国について、ミナムが何か知っていると思ったのに、出てくる言葉は子供と歌の話。

テギョンは少しイラついていた。


「ごめんヒョン、とりあえず俺の話を聞いて質問に答えて。その後で話すから。」


ミナムはテギョンを見ると、テジトッキの手をギュッと握った。


「歌のことで知ってること全部話して。」


「孤児院で毎日昼になると外で 『天使の糧』 を歌っていることと、土曜日は教会のミサの後、歌を歌っていること。新しい 『アヴェ・マリア』 を教えてもらったことくらいだが。」


テギョンの話を聞いていたミナムはテジトッキの目をじっと見つめる。


「俺への手紙には 『天使の糧』 を歌ったことは書いてあったが、毎日歌っているとは書いてなかった。教会も、シスターメアリーの手伝いをしていることしか・・・・・・。ミサの後で歌ってるなんて知らない。ましてや新しい 『アヴェ・マリア』 を教えてもらったなんて・・・。俺への手紙に書いてないってことは、シヌヒョンとジェルミもきっと知らないだろうな・・・知られたくないのか・・・」


ミナムはテジトッキからテギョンへと視線を向ける。


「歌を教えてもらったって・・・誰に。」


「カトリーヌと言う女性だ。」


「友達になったっていう?」


「ああ・・・」


『友達からはじめましょう』 と言われたということはとりあえず黙っているテギョン。今はそれどころではない。

ミナムはテジトッキへと顔を向けると、考え込むように暫くの間黙っていた。


「ミナム、あいつから手紙が届いてたこと知ってたんだろ?二、三日前には来てたはずだとマ室長に言っていた。」


「聞かれてたんだね・・・」


「院長様から何か連絡が?」


「正確にはアフリカのシスターメアリーから院長様に連絡が入った。院長様は俺が直接シスターメアリーと話をした方がいいと判断されて、シスターメアリーから俺に電話が入った。それが昨日だ。」


ミナムは電話の内容を話し始めた。



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