You're My Only Shinin' Star (15) | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

A.N.JELLのアジアツアーが始まった。

タイ、フィリピン、香港、台湾の四ヶ国、約一ヶ月の予定だ。

宿泊先のホテルから、コンサートホールへ向かう車の中、ジェルミが皆に聞いた。


「ねぇ、ミニョへの手紙何て書いた?」


それまで腕を組んでシートに身体を沈めていたテギョンの眉がピクンと動き、閉じていた目がゆっくりと開く。


「俺はねぇ、ジョリーのことと、あと新しく見つけたカレー屋のこと。戻ってきたら一緒に、最高に辛いのを食べに行こうって書いたんだ。」


― 何?辛いカレーを一緒に食べに行こうだと?まさか二人きりでじゃないだろうな・・・。許さんぞ、俺も一緒に行くか・・・だが喉の為にもあまり辛いものは禁物だ。 『俺は辛いものは喉に悪いから、少ししか食べないぞ。』 『判ってますから。あまり無理しないで下さいね・・・クスッ』 なんて笑われてみろ、ショックで水も飲めなくなるぞ。・・・やはり、一緒に行くのはやめておくか・・・。


「ミナムは?」


― だいたい、何であいつはこいつらにも手紙を書いたんだ?俺にだけ書けばいいものを・・・・・・


「俺?書いてないよ。」


ミニョから送られてきた時と同じように、それぞれ書いた手紙を封筒に入れ、それを大きな封筒に入れたが、中身は三通だった。


「何で?」


「別に書くことないし。」


「冷たい奴だな、妹だろ。」


「・・・それ、この間も言われた・・・」


― よしっ。ミナムはあいつの兄だから許可しようと思ったが、それならそれで問題ない。問題は・・・


「じゃあ、シヌヒョン。シヌヒョンは何て書いたの?」


― そう、問題はシヌだ。シヌが何を書いたのかが、もの凄く気になる。


「俺?俺は・・・・・・」


シヌはチラッとテギョンの方を見る。一瞬目が合うと、テギョンは慌てて窓の方へ顔を向けた。

そんなテギョンの様子にいつもの微笑みを顔に浮かべると。


「・・・秘密。」


「え~、つまんないの。…じゃあ、テギョンヒョンは?」


最後にテギョンにも話がふられ。


「俺は・・・・・・」


テギョンはA.N.JELLの活動のことを書いていた。一か月間、アジアツアーの為韓国を離れること。コンサートの合間のテレビ出演、雑誌の取材など。


「お前達に言う必要はない。」


軽く睨むと、また窓の方を見る。


「テギョンヒョンのことだから、きっと仕事のことじゃないの。」


ミナムがテギョンの様子を窺う。


「今日はどこでコンサートやったとか、次の会場はどこになるとか。あと、どこのテレビに出たとか、どの雑誌の取材だったとか・・・・・・」


テギョンの顔が、段々と赤くなる。その様子を隣で見ているシヌ。


「ミナム、それ手紙っていうより、活動報告書だよ。」


ジェルミの言葉にシヌが噴き出した。

拳を口にあて、肩を揺らして笑いを堪えている。

テギョンは真っ赤だ。

そんな二人の様子にミナムは声を出して笑い出した。

一人キョトンとするジェルミだが、三人の顔を順番に見ると、ハッと気づく。


― まさか・・・図星?


「ぶっ・・・」


車が目的地に着いた。先にスタッフがぞろぞろと降りて行く。

そんな中、顔を真っ赤にしたテギョン。笑いを堪えるシヌ。声を出して笑うミナムとジェルミ。


「お~い、早く降りろよ~」


マ室長が声をかける。

ゴホンッと咳払いをするテギョン。


「さっさと降りるぞ。むだ口きいてる暇があったらリハーサルだ!」


テギョンに促され、メンバー達は笑いながら車から降りた。



     *     *     *     *     *     *     *


― 次回予告 ―   (次のお話のどこかで出てきます)


「そういえば、シヌとテギョンも少し痩せた・・・っていうか、引き締まったわね。」


二人の身体を見ながら、少し首を傾げる。


「コンサートツアーは体力勝負ですからね。余分なぜい肉がついてると、最後までもたないんで。」



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