ということで、前回の「短編ミステリ」の【解答編】を書きます。
現実的な細かいツッコミはなしでお願いします(笑)
あくまで限定された仮想の舞台の中のお話にすぎません。
【トリックの核心】
注目点:”三人全員”の「途中式が全く同じ」かつ「満点」であること
この理由を考えることが最大のポイントでした。
つまり普通に考えると、なかなか起こらないことです。
ただ、それが起こり得る状況があります。
それは 、
「三人全員が”誰かの解き方を暗記”した場合」です。
【では誰の解き方を暗記したのか?】
ヒントでも示した通り、問題を作ったのは数学教師です。
だから当然、数学教師の問題の解き方は一つに固定されやすいです。
つまり、三人とも全員「教師の解き方」を見て暗記していたことになります。
【では誰が解き方を”暗記”したのか=犯人】
佐藤 → 実力で解けるタイプ(=数学の授業も理解しているので暗記の必要なし)
木村 → 無口なので不明(=逆に言えば犯人の決定打もない)
田中 → 数学が苦手なのに満点(=ここだけが異常)
つまり、田中だけは”確実に”解き方を暗記する必要があった。
【正解】
犯人:田中
方法:田中は試験前に問題を見ていた。※問題を盗んだわけではない。
【田中はどうやって試験前に問題を見たのか?】
田中は運動部です。
職員室や会議室の近くを出入りする機会があります。
例えば、
体育倉庫の鍵の管理、運動部の顧問からの呼び出しなど。
そのとき偶然、
数学教師の席で作成中の問題や解答を目にした。
そして、理解ではなく丸暗記した。
だから数学が苦手なのに全問正解した。
【なぜ三人とも同じ解き方をしているか?】
田中は問題を見ていたが、他の二人も同じ解き方をしています。
ここが引っかけで、実は数学教師の問題が「一択の解き方」しかなかった。
つまり、
佐藤 → 普通に解いて一致
木村 → 同様に普通に解いて一致
田中 → 丸暗記で一致
【解き方のポイント】
・三人の解き方が一致していて、さらに全員満点だった理由を考えること
・数学が苦手な田中の満点の不自然さに気づいて理由を考えること
こんなところでしょうか。
「密室は関係ない」というのはミステリの常道かと思います。
あと「どうやって問題を手に入れたか?」という表現については、
実際に誰かが密室から盗んで問題を手にしたかのように、
わざと誤解を招くようにミスリードしました。
実際は手に入れたわけではなく、”目”で盗んで手に入れたが正解です。
ただ、流失していないのに流失していたと書いているのは、
やりすぎかと思いました(苦笑)
いかにミスリードするかが読者を引っかけるための方法です。
私は以前にも書いたように、綾辻行人先生の「十角館の殺人」を読んで
衝撃を受けて以来、本格ミステリはかなり読んでいます。
犯人当てのミステリ小説は、「推理力」だけでなく「読解力」も要求されるので、
生徒が国語力を伸ばすにも良いですし、頭の体操にも良いと思います。
何より犯人当ては楽しいですよね。
まあだいたい当たりませんが、頑張って頭をフルに使って推理しています(笑)
「十角館の殺人」のように、「たった一行」読んだ瞬間に衝撃が走って、
ずっと騙されていたことを知るのも気分が良いものです。
ということで今回は以上です。
ありがとうございました。