物価が上がる中車ももれなく金額が上がっている。もちろんそれは何となくというレベルではなく、確かに金額が上がっている。一時期よりは新車が買いやすくなったとは言われているが、それでも中古車の人気はまだ途切れていないようだ。
この数ヶ月前、とても熱心ですばらしい営業マンに勧められた車を買おうとした。タイヤ交換無料だし、いいんじゃな?と契約する寸前に安全装置がついていないことがわかった。そのことは残念ながら伝えられなかった。
結局妥協せず、購入を諦めた経緯がある。
そしてそこから数ヶ月後、同じディーラーの違う店舗になんとその車が販売されているではないか!
これは安全装置に目をつぶって買えという事か?
早速その店舗に行き商談となった。ところがこの店舗の営業マンはタイヤ4本の無料交換はないと言う。なんだかがっかりして購入しなかった。
そして先日、値段も手頃で、これなら納得がいくのではないかという車を見つけた。ディーラーの店舗の中に2台ありどちらも悪くなかったので、ひょっとしたらこの2台のどちらかに決めてもよい、いや決めてしまおう。そんなことを考えながらディーラーへ向かった。
実はこのディーラーは以前来たことがあった。それがタイヤ無料を拒んだ営業マンのいるこの場所だ。せめて営業マンが違えばいいのだが、その願いは霧となる。
真夏の日中で汗をかきながら対応してくれたし、少しこの営業マンに対する印象が変わったのは確かだ。
ところが一番私が欲しいと思っていた車のエアコンが壊れていることがわかった。ディーラーは手を抜かず様々なチェックを行い、安心と信頼を売りにしているはずだ。それがすぐに判断がつくエアコンが壊れている、それが安心と信頼を勝ち得ることができるのだろうか?
それでももう1台の方の車はそれほど悪くはなかった。もう車探しに疲れていたこともあり、見積書を頂いて契約に話を進めようと思っていた。
ところが全く直感が働く要素も何もないはずなのに、ここで私の直感が言うのだ。「ちょっと待て」と。
営業マンにはこちらの車にするけれども家族に承諾を得る必要がある、と伝え帰宅した。
家に戻り、ただなんとなく、インターネットでこの車が掲載されていたページを見てみた。何ということだ。30万円値引きされている。私の記憶が正しければ、今日もらった見積書は値引き前の金額だ。営業マンはそれを知ってか知らずかわからないが、やはり彼が作った見積書は値引き前だった。もう一度見積書を取り直せば良いのではないか、そう思われるだろう。それはその通りで正しい。ただもう一つだけそれとは別に気になることがあった。
それはこの営業所が閉店となり、私がこの車を買った後には修理などは別の店舗に持っていかねばならぬが、それが自宅からかなり遠くなるということだった。営業マンの話を聞くと、ある自動車メーカーの大手ディーラーの子会社がこのディーラーだという。親会社が閉店する事を決めたのはもちろん経営上の問題らしい。なんとなくだが中古車なら何でも売れる、という時期は過ぎたように思う。
出した結論は、この車を買わないということだった。引っかかることがいくつかあれば、それはやがて別の件で引っかかると後悔は増幅する。あの時もう少し考えて違う車にしておけば、と考えてしまうのだ。
人生に後悔はつきもので、全てがスムーズにそして何の問題もなく進んでいくことはまれである。
足元に石がゴロゴロ転がっている道が見えてきたとする。少し気になるな、この先も石があるのではないか?
と気にしながらも進もう。しばらくはそんなことを忘れて先に進んでいるが、やがて少し先に石が転がっているのを見つける。この時はどうも先に進めないほど大きな石だった。そんな時、思い出す。あの時にやめておけば、せめて途中で引き返していればと。



