お昼過ぎ。
また寝起きのチャーハンから電話があった。
最近、目が覚めて布団の中で過ごす時間に余裕があるとき、チャーハンはわたしに電話してくる。
そのときチャーハンは、一日のうちで一番甘えた声を出すのだった。
こういうとき、わたしはチャーハンにとってママのような存在なのではないかと思う。
昨日『P』の後初めてアフターしたりんごちゃんは塩ハラミくんとより充実した時間を過ごしたらしく、とてもうらやましかった。
そのアフターの最中に『R』のゴディバと消えたベリーちゃんの消息がわからないのも、樹海の住人として興味深く動向を見守っていた。
16時には音楽録りが終わったので、そのまま西麻布でアシスタントくんたちとお茶をしていたら、買出し途中のチャーハンから電話がかかってきた。
仕事が終わったと言うと、ホームページの打ち合わせをしたいから、中野坂上まで来いと言う。
わたしは素直に中野坂上へ向かった。
17時の開店直後にお客さんが入ってきて、ほとんど打ち合わせのできないままお店の営業が始まってしまった。
わたしは白い紙を渡されて、そこにチャート図を描き、ホームページの大枠を考えた。
いつものようにチャーハンが適当においしいものを出してくれて、わたしはうどんを食べながら紙に文字を書いていた。
次から次へお客さんが入ってきて、チャーハンがひと息つく時間がなかった。
わたしはチャーハンの料理する姿を眺めながら、「待たせてごめんな」と目で合図してくるチャーハンに微笑みながら頷いた。
行方不明だったベリーちゃんが、何だか無事におうちに生還したようで、詳細は後日とメールが来たのだ話を聞くのはやめておいた。
りんごちゃんはいつの間にかダァより塩ハラミに本気になってしまったようだった。
二人に『G』にいると言うと、またお醤油くさいと言って笑われた。
途中、お店があまりにも忙しくなって、放置され、
「すいかちゃんごめんなー」
とザーサイに謝られたりした。
最後の客が帰って、結局また片付けを手伝って、それからやっとホームページの打ち合わせになった。
「すいかちゃん、もうここでバイトすりゃいいのに」
「そうですよー」
ザーサイとチャンジャくんが笑った。
そう。わたしはチャンジャくんよりここのメニューの値段を覚えている。
チャンジャくんが帰った後、テーブル席に座って3人でホームページについていろいろ話し合った。
『G』の話が終わって、『M』の話になろうとしたとき、
「よし、続きは『M』でやろう」
チャーハンが言い出して、ザーサイは帰ると言った。
「ごめん。わたしも明日朝から仕事なの」
気付いたら2時を回っていた。
「じゃ、続きは明日やろう。今日はごめんな。お小遣いあげる。タクシー代」
そう言ってチャーハンはわたしに千円札を2枚手渡した。
「いいよー」
「いいから。とっとけ」
わたしはチャーハンにお小遣いをもらって帰宅した。
チャーハンはわたしのママであり、わたしはチャーハンのママでもある。