※興ざめ。2の続き
「何で知ってんの?」
「もう、ほかには行かんとか言っときながら、うそつきやな~すいかは」
ハンバーグくんは席を立ってどこかの席に行ってしまった。
タイミングよく卯の花くんがヘルプに来てくれて、隣に座ってもらって話をする。
「まじめな相談。みんな辞めちゃうし、わたしもう『C』つまんない」
出戻り幹部である卯の花くんは、まじめな受け答えをする。
「でもね、大事なのはハンバーグとの関係だから」
「それ、今、最悪」
「珍しいね。ケンカ」
確かに、最近は平和だった。
「もうほかのお店に通うわ。ここ高いし」
「え?どこか決まってんの?」
ここ高いし。苦笑いしながら卯の花くんは平和に聞く。
「まだ指名してないけど、チャーハン」
「うそ」
卯の花くんは、チャーハンがまだ経営者ではないときに一緒に働いていたことがある。
土曜日に、2度目にお店に行くのにわざとフリーで入った話をする。
「そりゃ、怒るよ~。オレでも怒る」
「え?だって、貧乏だもん」
「そんなこと関係ないよ」
卯の花くんはチャーハンがナンバー1の頃どうだったとか、いろいろな話をしてくれた。
「で、1週間以内に『H』行くの?」
「今のままだったら、行く!てか、今日これから行く!」
「何言ってんの?」
もちろん明日の午前中の会議とか、今肝臓が痛いこととか、そんなことがなければわからない。
でも現実にわたしは明日、10時より前には銀座に居なければいけないのだ。
この時点で5時半。
サラリーマンのわたしには、無理。
ハンバーグくんじゃない人を担当にするかも知れないとき、わたしはチャーハンが好きとかそう言うのじゃなくて、「プロ」だから、いいかなと思ったことを卯の花くんに説明する。
タコワサくんが延長するか聞きにきて、チェックを頼む。
2万いくらの支払いをわざと掛けにする。
ハンバーグくんが卓に戻って来たのでわざと
「帰るわ。つまんないから」
と言う。
「あ、そう。もうほかでもどこでも勝手に好きなところ行けばええやん」
「うん。行く。これから『H』行く」
ハンバーグくんはまた立ってどこかに行ってしまう。
わたしはその隙に早歩きでお店を出た。
卯の花くんが、ハンバーグくんが見送りに行くのを待つように追いかけて来たが、聞かなかった。
つづく