..::カクテル・マーメイド::..都会に棲む人魚たち -5ページ目

加速

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私の返答などお構いなしに 奴は大声で叫んだ。

「すごく、うれしかった…!」 バイクは加速した。


――空が近い…。

バカ…

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バカ…。そんなハズカシイこと、素直にうなづけるわけないじゃない。

私は 知らないって、シラを切った。――胸の鼓動、奴に気づかれなければいいけど…。

奴のバイクなんかに乗ってる私

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バイクはビルの街を通り過ぎ、住宅街を抜ける。

一体どこへ行くのかしら…。


――背中がとても大きい。コイツも男なんだ…。


腕の血管なんかを(笑)何気なく見つめていると、奴はとってもハズカシイことを、大声で言った。

「――昨日は差し入れ、ありがと…!」

いつものアイツだけど…

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打ち合わせの帰り、信号待ちをしていると、バイクが目の前に止まった。

――いつものアイツだった。


風邪の具合は?今日のライブは…?

口を開こうとする私をさえぎるように、奴はヘルメットを投げつけた。

「早く、乗って…!」

- full moon -

s52


次の日は満月だった。ほのかに放つ光が、私に何かを語りかけてくるようだ。

私はもう、今までの私ではなかった。