あのね、今回、本当に本当に素晴らしかった!

ストーリーが素敵なのは勿論のこと、場面転換やカメラワークも細部までこだわって作られているがわかるし、背景美術もものすごく綺麗だったし、台詞もBGMも繊細で美しくて、「アニメは総合芸術」って言葉を体現する回だったように思う。

それと、今回からエンディングにアニメーションが付きまして、これもまた素晴らしかった…!

なんかもう、感想とか言って色々書くのも無粋な気がしてしまうのですが…書きます。以下ネタバレ。

 

結ぶだけ無意味な縁

別の世界にいることが運命づけられている者同士が、縁を持ってしまうことの哀しさ。このテーマは夏目で繰り返し出てくるものだけれども、今回、それが妖の口から「結ぶだけ無意味な縁」という、とても強い言葉で語られています。

 

大切に想う気持ちが大きいからこそ、ままならない哀しみも大きくなる。

つまり、これだけ強い言葉で否定するということは、それだけ多軌さんのことが好きだったということで、…それは、妖自身もわかっているんだろうね。だからこその「禁じたやつは優しいのだな」っていう台詞なんだと思う。

 

「そういうことは見えるお前が一番わかっているだろう」と言われてしまう夏目くん…。確かに夏目くんは「無意味な縁」をたくさん見てきている。

でも、例え上手くいかなくても、それがお互いにとって無意味じゃなかった姿もまた、見てきているんだよね。

今期のタオルの妖怪もそうだし、多軌のおじいさんのことを好きだった妖たちもそう。同じ世界で会い続けることができない哀しさは抱えた上で、それでも奇跡のような出会いと、思い出を大切にしている。

多軌さんには聞こえないとわかっていて「さようなら、ありがとう」を言い続けた彼らも、きっと同じはず。

 

哀しさと美しさの両方を知っているからこそ、どちらにも割り切れずに揺れ続けるしかないのだし、だからつらいんだけど、つらいことも全部ひっくるめて受けとめようとする夏目くんが、とっても愛おしいです。

 

禁術

お祖父さんの陣が禁術であることを多軌さんに伝えに来た夏目くん。

「そんなものはさっさと手放すか、捨ててしまった方が後腐れがないぞ」

これを、夏目くんの口から話させなかったニャンコ先生、…本当に優しいな!妖のくせに人間の心の機微を理解しすぎだよね!?

 

祖父の禁術を使って妖とつながる多軌さんの姿勢。

それはそのまま、友人帳を持つ夏目くん自身のあり方ともつながるわけで。

 

冒頭、多軌さんと会話していた時に入ったモノローグ、

「多軌はまだ信じているんだ、異形との交流が恐ろしいものばかりではないということを。それは確かにそうなんだ、けれど…」

ここでは、妖とつながりを持つ危険が、やっぱり重く心にある。

 

でも終盤、同じベンチで

「危険なものであるとしても、やっぱりおじいちゃんの陣は私の宝物だわ」

そう言う多軌さんに、「ああ、そうだな」って、すごく優しい笑顔で答えている。

 

それを持ち続けるには危険が伴うし、覚悟も必要だとわかった上で、自分にとって大切で、愛おしいものだと言いきる多軌さん。夏目くんも、それに励まされているんだろうね。

ニャンコ先生の言う通り「捨ててしまった方が後腐れがない」。

持ち続けることは険しい道だけど、あえてそれを選ぶのが、夏目くんの強さであり、優しさであり、危うさでもあるよね。

 

ラストシーンがとんでもなく美しい

黒板の文字を読む夏目くんの唇の動き、「それはまるで」と目を閉じる瞼と、妖が多軌さんに見せたかった風景の描写がほんとにほんとに美しくて、静かなモノローグの余韻と相まって、何度でも観たくなるシーンでした…。素晴らしかった。

 

その他

・相変わらずオヤジ度MAXなニャンコ先生。

・アイキャッチの動き、すごくなかった!?

・ウサギ1号2号がとにかく可愛い。

・「もさあやかし」ってネーミング…(笑) ちなみにエンドクレジットは「モサモサした妖怪」。夏目のこういうとこ好きなんだよね…。

原作で名前がないキャラにアニメで名前をつけることってよくあるけど、夏目はそれをしてなくて、それがまた、原作の世界をいかに大切にしているかの表れのようで。

・黒板の落書きがあるって言った時の、西村くんのそっけない反応が嬉しい。夏目くんが変なこと言ってもさらっと流してくれる、良い友達。

 

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