オフィス市況2003年水準に近づく、評価への影響は? | 稼ぐ不動産にする!不動産鑑定士社長の極意

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こんにちは。

株式会社フローク・アドバイザリー成田です。


三鬼商事によると、8月末の東京都心5区のオフィスビル空室率は7.57%であったとのこと。


これは2004年4月以来の高水準。


過去最悪は2003年問題と騒がれた2003年8月の8.57%。


大阪市中心部では8月末の空室率が9.47%。これは2004年10月以来の高水準とのこと。


賃料水準も東京都心では直近のピークに比べ13%安いとのこと(募集賃料ベース)。


実際は不況期には募集賃料と成約賃料の間で乖離が大きくなるのでもっと下落しているでしょう。


2003年問題の頃は不動産ファンドでバリュエーションをしていましたが、どこで賃料および空室率がとまるか、という想定をして評価していました。


またその時代に戻ってますね。


ただ、今はまだ安い時期に契約したビルのテナントもいれば、2年前ぐらいの高い賃料のテナントもおり、同じビル内でもテナント間格差が激しいので、更新などの際の賃料交渉も複雑化しているでしょう。


また、評価の方もそれらの各テナントの賃料水準等の事情を十分勘案しないと精度の高いものにならず、まさに評価人の「腕」が試されるのではと思っています。