すでにスタンドは満席状態。
平日の夜にもかかわらず、これだけの観衆が集まる光景を見ると、Jリーグもフライデーナイトの開催が定着してきたのかなと思いました。
そして今回は名古屋グランパス戦というのも多分にあったでしょう。
試合の方ですが、非常にレベルの高い内容で、今シーズンの国内リーグ戦でのベストゲームだったと思います。
前半27分、長谷川竜也のドリブルに対するチャージはファウルにすべきだったと思います。
長谷川がドリブルの進路を内側に変えることにより、斜め後方から追っていたシミッチと交錯した。
西村主審としては、長谷川が意図的にファウルをもらいにいったプレーと判断し、笛を吹かなかったのでしょうか?
それとも「接触は無かった」若しくは「接触があったとしても、ファウルを取るほどの接触ではない」ということでしょうか?
あのプレーがファウルでないとしたら、2016シーズンのチャンピオンシップでの金崎夢生の決勝PKもファウルではなかったはずです。
後半30分、鈴木優磨がドリブルで浦和ゴールに迫った。
その斜め後ろから槙野が追う。
ペナルティボックスに入り、鈴木優磨は突如進路を内側に変更し槙野の前に出た。
必然的に槙野と鈴木優磨は交錯し、鈴木優磨は倒された。
主審の佐藤隆治氏はPKを指示した。
このPKに対し異議を唱える浦和の選手はいなかった。
この鈴木優磨と長谷川竜也とのプレーの違いは殆どありません。
違いがあるとすれば、
①鈴木優磨はGKと1対1になる状況だが、長谷川竜也はそうではなかった。
②長谷川竜也は相手選手が多いエリアに突っ込んでいったため得点に至る可能性は低かった。
上記①②の理由から、鈴木優磨のプレーにはPKを与えざるを得ず、長谷川竜也のプレーにはファウル認定をしなかったのかもしれません。
ただ、自分が主審だったらファウルを取りますね。
実際、Jリーグの主審の50%以上は、あのプレーでファウルを取ると思います。
ダミアンの同点ゴールについて、風間監督はゴールキーパーのミスであるかのような発言をしました。
この得点は、本当にゴールキーパーのミスなのでしょうか?
私はミスだとは思っていません。
ダミアンのシュートが地を這うような力強いシュートだったために、ゴールキーパーがシュートの重さに耐えられず、手が弾かれてゴールインしてしまったのです。
これに似たゴールシーンが、2017シーズンにもありました。
等々力での川崎vs清水戦です。
試合終了間際のロスタイムに、エスパルスの外国人選手が左足でシュートを放ちました。
このシュートは今回のダミアンと同じように、地を這うシュートでゴールキーパーの脇の下あたりに打っています。
この清水のシュートはソンリョンの指先を弾いて同点ゴールになりました。
この脇の下あたりへの速いシュートだと、身体を正面に入れることができず腕だけで処理することになります。
そして、地を這うシュートのため、指先を使って止めに行かざるを得ないのです。
ここで、人間の手のひらについて考えてみましょう。
人間の手のひらで強い力を発揮できるのはどの部分でしょうか?
当然ながら、筋肉のある部分です。
では、筋肉は手のひらのどこにあるのでしょうか?
1つは母指球の部分ですよね。
つまり、親指から手首にかけてです。
次に小指球の部分です。
つまり、小指から手首にかけてです。
そして、非常に弱い力しか発揮できないのが指頭です。
つまり、各指の先端です。
ダミアンがそのような事情を計算に入れ、ゴールキーパーの脇の下あたりにグラウンダーの強いシュートを打ったのであれば、それは素晴らしいシュートだったということになります。
このシュートが、ゴールキーパーから見てもう少し外側だっり高いコースだったりすると、指先を使わずにシュートの威力を利用して弾くことができるのだと思います。
ゴールキーパーにとって、脇の下あたりのグラウンダーの強いシュートは弱点なのだと思います。
お互いが勝ちに行った試合、先に動いたのはリードされている川崎フロンターレでした。
ミスが多い阿部に代えて齋藤学、得点力のあるダミアンを入れるために田中碧を下げる。
ここまでは同感です。
問題は3枚目の交代カードですよね。
残り15分以上ある中で、中村憲剛に代えて脇坂を入れました。
これは賭けですよね。
僕は疲れているサイドバック馬渡に代えて車屋を入れると思っていました。
馬渡のままではサイドを突破されて失点する危険が高かったからです。
鬼木監督も、馬渡にするか憲剛にするか迷ったはずです。
しかし、鬼木監督は、より攻撃的な交代を選択しました。
この試合を勝ちに行くというサインでしょう。
この脇坂の投入を喜んだのが風間八宏です。
これで、自信を持って前田と相馬を投入してきました。
スピードのある2人をサイドに張らせて、特に疲れている馬渡のところを突こうという考えです。
そして運の悪いことに、脇坂を入れた直後にダミアンがプレー不能になりました。
これにより、残り10分は耐えるだけの展開になってしまいました。
もしダミアンがケガをしなければ、この試合のラスト10分は、互いに点を取りに行く非常にスリリングな試合になっていたでしょう。
ダミアンのケガが残念でなりません。
驚いたのはダミアンがピッチに戻ってきたことです。
ダミアンなら戻ってくるかもという予感はありましたが、それでもあのプレーには感動しました。
確かにピッチにいるだけで相手のプレーに影響を与えることはできると思います。
ダミアンの頑張りが報われ、フロンターレは引き分けに持ち込むことができました。
試合は引き分けでしたが、観衆からは万雷の拍手が起きました。
そして自分も拍手しました。
引き分けに持ち込んだこと、素晴らしい試合を見せてくれたことに対する感謝の拍手です。
好ゲームというのは、レベルの高い相手があってのものだと思います。
真っ向勝負で素晴らしいサッカーをした名古屋グランパスには感謝しています。