母の病12
この日を栄に、完全に気持ちが変わった。
これは二年経った今でも全く変わらない。
今まで、どこか面倒だとか、奢りだとか、
そんな気持ちで接していた自分が恥ずかしくなった。
母の気持ちを考えたら、どうって事はない。
誰に何を言われてもいい。
マザコンだろうがなんだろうが、最優先すべきは母の事。
そう気持ちが切り替わった。
ライブ活動も、母の入院を機に休止していた。
だけど、地元のスタジオならと、
歌の配信だけは続けている。
遠出してしまうと、またいつ何があるか分からないし、
人との約束も、これまでの様に確実には熟せないかもしれない。
それから今の新しい生活のスタイルが始まった。
あれから、順調に母の体重は戻り、
一時はなんと！母自身最高体重である48.5キロまで増量！
流石にやり過ぎかと主治医に相談したら、
50キロまでは大丈夫だよ！また痩せちゃうから。と言われた。
それもその筈で、月に2回ほど帰宅して、好きなものを沢山食べて一泊して施設に帰っている。
勿論、通院があっての帰宅になるわけだけど。
自宅では、介助が必須となる。
トイレの中でも、手を繋いで居ないと前に倒れてしまう。
一時、会社でも課長が口をきいてくれなくなったが、
今はこの環境を若干理解してくれている様だ。
余程日頃の行いが悪いのか、
恐らく当時は信用されていなかったのだろう。
これからも母中心の生活は続く。
俺も生まれてからずっとそうされて来たわけだし、
大病を患った時も母はそうしてくれた。
だからというわけではないが、
返しきれないだろうけど、今は何も苦しくはない。
ただ、兄貴とは疎遠になった。
二年前に、何か手伝え！的な発言をしたら電話を切られた。
私は鬱病ですと、自らが数年前に侵された病を理由に連絡を遮断された。
それを言われてしまったらこちらは何も出来ない。
でも、少々の金額の振り込みだけは続けている。
それしかしないんだ‥と、正直呆れているが。
バンド活動もようやく始まった。
今までみたいにコンスタントに、あちらこちらでというわけにも行かないけれど、
メンバーがまた集まれてほんと良かった。
今一番の支えかもしれない。
もしかしたら、彼らにも迷惑を掛ける事があるかもしれない。
これからも、恐らくは10年単位でこの生活は続いていくと思う。
今の自分の人生は、母中心に動き続けている。
‥‥‥‥‥
読んでくださった方、
ありがとうございます。
紛れも無い、自分の本音をまんま書いてみました。
