3698 母の病11 | 誠fromなんたら男のBLOG

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弾き語りで歌ってます。
現在ライブ活動休止中。

バンド、再始動します。
現在準備中。

母の病11


七ヶ月前より体は痩せ細り、すっかり自力では何も出来なくなってしまった。


寝たきりの母と夜中話をした。


「部屋から見える電気のスタンドや食器棚を見ていると、あんなのでもホッとするのよね」


そう呟いたかと思えば、いつの間にか眠っていた。


それから数時間後に目を覚まし、まだ違う部屋で寝ていた俺が様子を見に来ると、大変な事になっていた(自重)


それらを処理して、体をキレイにして、ご飯を作って食べさせて、あっという間に施設の方が迎えに来る時間に。


ケアマネさんが先に到着し、コロナ禍という事で、施設の方が直接単身で来てくれる事になった。

 

しばらくして、防護服みたいな上着を着た女性が家に入って来た。


下までは見送りに来て良いというので、ケアマネさんと車の前まで行った。


不安そうな母の顔。


優しく接してくださる施設の方とケアマネさん。


それに引き換え、


母に対するこれまでの自らの対応。


あんなにもがっついて嬉しそうに寿司を食べる姿。


誰も味方をしてくれないと言いたげな表情。


こんな筈じゃなかったのにと言う母の気持ち。


色んなものが頭の中を駆け巡った。


やがて車は走り出し、柄にもなく手を振った。


そのままケアマネさんと二人きりになり、


色々ご迷惑をと挨拶を交わし、別れた。


久しぶりに一人になり、ホッとするつもりだったが、


信じられないぐらい泣きじゃくった。


涙が勝手に流れて来て、暫く動けなくなってしまった。