私の心の暗闇は、
まったく別の世界から光を見い出しました。


閉ざしたカーテンの中、
突然、脳が活動し始めます。

「ブログ、見なくちゃ。」

何かの導きのように開いたブログは、
“VACATION”
ではありません。


そこに綴られる、
日々を大切に生きている言葉。


悔しくて、
涙が溢れます。


病気にならなくても、
私だって毎日を大切に生きてきたのに。

こんな苦しまなくても、
私だって毎日を大切にしてきたのに。

病気にならなくちゃ気づけないことはあったけど、
でも、
病気にならなくても気づいてたこともあったのに。

病気にならなければ、
今の私も夢に近づく一歩を踏み出せていたかもしれないのに。


悔しくて、
妬ましくて、

気持ちが歪んでいきました。


ブログを閉じて、
窓の外を見たら、
急にある考えが浮かびました。


「頑張ってる姿は力も与えるけど、それが眩しすぎて目がくらんでしまうこともあるんだ。でもそれは、その言葉を発している人のせいじゃない。」


私が書いているブログが、
そういう存在になることもある、
と、受け入れた時、

入院9日目に書いた日記をふと読み返し始めました。

ブログ以外にも、
書いてるんです。
ペンで、文字を。


そこに書かれた、
私が私に書いた言葉。


『自分の思っていること、考えを、はっきりと相手の目をみて、大きな声で伝えられるようになりたい。

自分を、周りの人の目線で見ないで、自分を周りに立っている自分の目線で見てみよう。

自分のものさしを持って。

私はそれをしていていいの?
私はそれをすべきなの?
私はそれをしたいの?


“周りが正しいと思うだろうから、する”
“周りが間違ってると思うだろうから、しない”

そういう生き方とはバイバイしよう。

「だってそうしたいんだもん」
ていう同情のある自分の目線も許そうよ。』


私は、私らしく、
頑張ってる時は胸を張って、
頑張れない時は救いを求めて、

私の言葉を目にする人全てには無理かもしれないけど、

思いやりの気持ちを忘れなければ、
きっと私の言葉は“負”だけで終わるはずはない。


私は、
カーテンを開け、
笑顔で「おはようございます」と言いました。


おしまい。


あ、最後、ウソ。
彼女、カーテン閉めたままだから(^-^;


入院小説、
お楽しみいただけたでしょうか?


また暇があったらやってみよう。
腱鞘炎になりそうだけど…。


from.
慌ただしくしているナースさんたちが落ち着くのを待って、
部屋に戻りました。


“心が限界を迎える瞬間”
を目の当たりにした私は、
部屋のカーテン越しにナースさんや先生の声を聞きながら、
完全に思考が停止していました。


彼女の心の中にある暗い闇が、
私の心にも暗い影を落とします。


前向きなことを見つけて、
明るく病に立ち向かうfromの姿は、
きっと誰かに勇気を与え、それが私が病気になった意味にさえなる、

そう信じて書き続けてきたブログをも、
自分で否定してしまいたくなる暗闇。


私が与えているものが、
『負』ではないか、
という怖さ。


意識は戻っている様子なのに、
ナースさんや先生の問いかけに一切答えない彼女。


2時間後。


彼女の深い寝息が聞こえてきました。


彼女の落ち着いた深い寝息に、
私の暗闇が少し晴れていきます。


寝てください。

今日は、
ゆっくり、
心を休めて。


明日が、
彼女にとっていい日になりますように。


入院して21日。

初めて、
自分じゃない誰かのために願い事をしました。



今朝、
部屋に来たナースさんに、
「昨日はすみませんでした。昨日は眠れました。」

と話す彼女の声。


思わずホッとする。

と、同時に気づく。


カーテンを開けられない自分。


カーテンを開けたその先にある空間が怖い。


受け取ってしまった暗闇が、
今度は私の心を支配してしまうんじゃないか、
という恐怖・・・。


1時間、
閉ざしたカーテンの中で、
ただ、座っていました。



最終章へつづくφ(..)

from.
なんか楽しい~。
小説ブログ♪



散歩を終えて、
部屋に戻ると、

「結局、誰も何にもわかってないじゃん!」

お母様と話す彼女の叫び声が耳に飛び込んできました。


先生に話しても、
解決できなかったんだ・・・。


私も、
悶々とした気持ちを抱え、
ベッドに座り、
カーテンを閉めます。


気が付くと、
彼女とお母様が筆談で話している音が聞こえてきました。


「カツカツカツカツ(ペンの音)・・・」

「そうなの!そうでしょ!」

「カツカツカツカツ・・・」

「うん、うん、うん!!!」


ペンの音の合間に、
大きな声で響く彼女の声。

私に聞こえるように?
と、
悶々としてる私には、
そういう風にしか受け取れなくなっていました。


気持ちを切り替えて、
2時間のふて寝。

3週間の入院生活で身につけた、
「イヤなことを引きずらない」
というワザ(^^)v


起きて夕食を待っていると、
Pがきて、
一緒にごはんに付き合ってくれました。


誰かとごはんを食べるのは、
すごく久しぶり。


そして、
ロビーまで見送り・・・

「5分愚痴らせて!!」

と、
ひたすら文句を言わせてもらいました。


勝手に引きこもって、
勝手に文句言って、
勝手に傷ついて、
自分で自分に病名つけて、
誰かのせいにして、
周りを不愉快にして、


ずるいよっっ!

って。



私だってツラいもん。

早くおうちに帰りたいし、
良くなっても再発の不安もあるし、
病気にさえならなかったらって思うもん。


そうしてぐちを聞いたPは、
帰って行きました。


ロビーでコーヒーを買って、
病室に戻りかけて、
ふと、足を止めました。


今日は、部屋じゃなくて、
デイルーム(談話室)で飲もうかな、
と、向きを変えました。


誰もいないし、
ちょうどいいや、

と中に入ろうとしたら、

デイルームの脇にある公衆電話に、
彼女が座って、まさに電話をかけようとしているところでした。


足を踏み入れてしまった手前、
すぐに出る訳にも行かず、
座ります。


背を向けて座る私の後ろで、

「もしもし・・・」


沈黙。



私がいると電話しにくいのかな、
部屋に戻ろうかな、

と、ためらっていたら、


突然、
ナースさんの叫ぶ声が聞こえました。

「○○さん!大丈夫?あれー。もしもし!もしもし?」

ナースさんが3人駆け寄ります。


彼女は、
受話器を持ったまま、
意識を失って倒れていました。


第4章へつづくφ(..)