社労士銀座といってもいいくらい社労士事務所が多い。

社労士事務所は、ビルの1階にあったり、
看板を大きく出したりしている訳ではないので、
分りにくいけれど、この一帯に関してはコンビニよりも多い。
社労士会の支部長の事務所があったり、
日本を代表する美人社労士八幡さんのエレメンツ社労士事務所があったりと、
ちょっと地域では有名な社労士事務所が多いように感じる。
ちなみに私は人のことなど気にしない、マイペースを装っているが、
極貧、下町ガテン系出身の社労士のコンプレックスは強い。
すごく他の事務所が気になる。
ときどき、例の八幡さんの事務所にお邪魔しては、
コピー機はうちより、新しいのが入っているのではないか等など、
さりげないフリをしながら気にしている。
勝手にライバル視しているのだが、それは、
往年の巨人・江川と阪神・掛布の関係ではなく、
江川とタイガースの男・川藤といった感じである。
さてさて、そんなある日、八幡さんからこんなことを言われた、
「最近、日比野さんのところで採用されたIさん、私知ってますよ。
うちにも履歴書が届いていたんです」
またもやである!!
思わず私はハンカチの端を噛み締めた。
弊所の求人は、ほとんどハローワークである。
ありがたいことに求人を出すと結構応募があるので、
毎回、7、8人面接をさせていただく。
みな、面接では、弊所のことをベタ褒めしてくれ、
履歴書にも愛の告白よろしく、弊所と自分は運命の出会いですと言ったような、
志望動機が書かれている。
私は元来、来る者拒まずの性格をもち、男子校で学生時代を過ごし、
モテた経験のない私は、全員採用したい衝動に駆られる。
悪い男に騙され、乳飲み子を抱え、
頑張っているのですなんて事を面接で言われると、
その場で採用と叫びたくなるのを、
弊所大番頭O女史に止められる次第である。
そして、涙をのんで、一人だけ採用する。
しかしである、
試用期間が過ぎ、
初デートのカップルのようなお互いの初々しさが消えた頃、
こんなことを知らされる。
「私、○○事務所に履歴書を送ったけど落とされたんですよね」
なんと弊所への愛を語っておきながら、
実は、他の事務所へも沢山応募しており、他を断れた後に
あろうことか私を甘い愛の言葉でそそのかしていたのである。
これまで幾度となく繰り返されたケースである。
実は弊所の他スタッフも、他事務所の面接を落ちて弊所にやってくる。
そして、後になって、その事実を私は知らされるのだ。
もうハンカチの端はボロボロである。
噛みすぎた爪は深爪である。
しかし、こうやって入所してくるスタッフがすごい。
実際には彼、彼女達が弊所を支えている。大げさではなく、そうなのである。
何なら先日、尊敬しているMr.人事制度のN先生からは、
何と!日比野さんのところみたいなスタッフはどうすれば採用できるの?
そんな質問を受けるくらいである。
できない社長の下には優秀な部下がいる、
これを地でいっている。

追伸 4jhから愛を込めて
冗談っぽく書いたが、弊社には、沢山の応募、
そして、優秀な人を採用できている。
理由は、一つ。募集に「年齢、経験、不問」をうたっている。
これで良い人が来てくれる。その時代、時代ごとに、
どうしても不遇となる階層がある。
そこに輝く人材が埋もれている。それは人事戦略の王道的手法だ。
偉そうに言っているが、これを身をもって私に教えてくれたのが、
先のO女史、Y女史といった今いるスタッフである。
