ノンフィクションの巨人、佐野眞一氏が亡くなっていました。

 

『東電OL殺人事件』でセンセーショナルを起こしてから10年ぐらいが佐野氏の一番の活躍時期だったと言われています。人間の色と欲を絡めた妙にエロい文章を書く爺さんだったと思っています。

 

その佐野氏が橋下氏の出自について満を持して追及の手を伸ばしたのが週刊現代の『ハシシタ』の連載でしたが、

書かれて二回か三回ぐらいですぐに橋下氏からストップがかかり連載は再開されず、佐野氏のジャーナリスト活動も

ここで以後下火になり、連載から10年後ぐらいの2022に75歳で亡くなっていたという事です。

 

 

創の社長篠田博之氏撮影。佐野氏お別れの会の記事から

 

人間の色と欲に絡めて事実を浮き彫りにする手法は佐野氏の真骨頂だったので、これはまさに俺にうってつけの題材だと思ったはずですね。しかし連載初回からすぐにストップがかかっているので、書き手としては熱量が空回りしたというか、佐野氏が一番書きたかったハシシタの出自は連載が進んでから明らかになるようにすればよかったと思いますね。ハシシタ初稿が乗ってる週刊現代自分は持ってますよ。部屋の中のどこかになくなっていますけど。

 

そういう技術的な問題は後からは言えるのですけど、どちらにしても橋下氏というのは今でも社会ご意見番の地位を

維持しているので、老ジャーナリストは今50代の昭和新興世代の力に勝てなかったと思います。

 

佐野眞一、立花隆、田原総一朗、広瀬隆いずれも同世代の老ジャーナリストの実績は大きくて、自分が同じことをできないと思ってしまうのですけど、考えてみると現代の問題を考えるのに、昭和の戦中派ジャーナリストに頼りすぎだったなと。自分が20代の大学生ぐらいの時にまだ60代のこれらのジャーナリストたちは現役バリバリで活躍していたのです。それから彼らに匹敵する存在はだれも現れて来ず、気づくと20年がたち、大物ジャーナリストたちが鬼籍に入る時期になっていたのです。

 

民主党政権が再度退場させられて、政治のモヤモヤ期が起きていた時期に維新の橋下勢力や今あばれているN国の立花が出てきましたが、この時期に政治のキーパーソンや政治ジャーナリストのグループも入れかえが行われたと思います。

 

 

佐野氏としてはいかがわしさ極まりない昭和新勢力に鉄槌を加えるつもりでかなり意気込んでいたと思います。

 

普通に考えたら、表に出てこれないはずの人物なので、佐野氏は自分の仕事にまちがいなく立花隆氏の田中角栄撃墜のようなイメージを持って臨んでいたと思います。

 

 

それが初稿でストップがかかって、そのあとにほかの書籍でも無断引用が発覚してジャーナリストとしての地位を失っていったようです。剽窃や無断引用はもう誰でもやっていることなので、本質はそこではないでしょう。

ジャーナリスト佐野眞一をそこで切るという事です。

 

同じく戦中派の保坂正康氏が現代ビジネスで

 

今あえて問う、佐野眞一氏の死が意味するんものとは何かノンフィクションというジャンルの宿命

 

という一文を寄せていますが、まあなんとものらりくらりとした、いかにもノンフィクションらしくない文章を寄せています。ハシシタ問題には最大限触れないようにしていて、書名しか出していなくて、何が問題になったのか全く書いていないです。

 

あとは驚いたことに、ネットと愛国右翼でいまや飛ぶ鳥を落とす勢いの安田浩一がなんと佐野氏の弟子だったのです。佐野氏の最後の見取りにも来ていて一文を寄せています。取材対象者のプライベートを徹底的に嗅ぎまわって人物像を探る手法は佐野氏のデーターマンとして佐野氏にやらされていたことを自分でやってるという手法だったというわけです。安田氏は30代後半まで売れなかったと書いていますが、わしはこの30代後半までの売れなかった安田氏の仕事は好きで覚えています。生協の冊子などに環境系の記事を書いていました。生協の仕事では食えなかったんですね。

 

佐野氏の仕事に加わったことで、自分はおとなしすぎた、これじゃ足りなかった、もっと暴力的な手法を使うことを覚えて、安田氏の出自である自分たちよりのテーマを扱うことにしたんでしょうね。

そうやって自然や環境などの穏便なテーマではなく、自分が本当にやりたかったテーマに切り替えたら当たったという事です。

 

安田氏は佐野氏に取り立てられた完全な弟子ですが立場が完全な民族左翼なので、出自で人を差別することはあってはならないと断固佐野氏を断罪しています。そらそうでしょうね。

 

出自は大事ですよ。

 

関係ないというのなら掲載させるべきでしょう。

 

関係あるから連載中止にさせるのです。

 

とんでもないことですけど、これは佐野氏が想定した以上に、橋下を支える勢力が大きくて全く歯が立たなかったという事です。一瞬にして佐野氏の地位も業績も吹き飛んでしまいました。立花隆と田中角栄のときのようにうまくいかなかったのは角栄を追い落としたい勢力は日米に一致していたけど、橋下の勢力はジャーナリズムの側からしか攻撃がかけられず、大きな政治の流れで橋下はガードされていた存在だったのです。

 

妙にエロいことを書く爺さんの記事はじぶんはあまり好きではなく、代表作東電OLも手に取ってみたことすらないです。しかしハシシタで、とん挫した佐野氏がいつかこのテーマでやり返すとおもってみていたのですが、復権ならずひっそりと退場しなくなっていたのでした。

 

いまや、橋下・大阪勢力とネット・トウイツ立花勢力がやりたい放題の時代が来ています。

 

安田浩一はネットとリアル街頭で暴れまわる立花はまったく取り上げないのでしょか。

 

取り上げるわけはないですね。ネット愛国右翼で取り上げたグループどころではない暴れ方しているのに

総スルーをしています。結局仲間なんですよ。

 

大変な時代っすよね。

 

 

副島氏の見立てでは、アベシの排除により国内政治体制は浄化に向かっているという見立てなのですが、それは本当にはどうなのか、予断を許さないと思います。神戸県政で起きている謀略などは強引な揺り返しなのか、かれっらの最後の抵抗なのかよくわかりません。アベシがいなくなってかえって彼らの勢力がリアルポリティクスに伸びてきてしまっているようにも思えます。ようするにアベシを排除したのがアベシ核武装によるアメリゴの決断ではなく、庇護されていたトウイツが自分でアベシを始末した可能性も否めません。

 

日本はまだ荒れていきます。

 

重要な抵抗のキーパーソンが老齢と敵勢力の大きさのために退場してしまっていたといことでした。