ゲイ占い師 豫 空潤です。
同棲する日本人ゲイ男性と、いつもNHK朝ドラを見ています。(録画で)
今やっている「ばけばけ」は、(今までのところ)主人公トキの家が明治の没落士族で、(父が作った)莫大な借金を抱えて……という物語。(以下、更にネタバレします)
現代風の明るくユーモラスな会話なので、面白く見ている。が、親が子ども(トキ)に「(お金がないから)明日から学校行かず、働け」と言ったり、借金取りが若い娘(トキ)を見て「遊女になるしかない」と連れて行こうとしたり……実はかなり悲惨な状況である。
特に、追い詰められたトキが、ヘブン先生のラシャメン(洋妾)になる覚悟を決め……夜、家に2人きりで居るシーンは見ごたえがあった。
書き物をしているヘブン先生に……いつ襲われるかと恐れおののいているトキの表情をひたすら追うカメラワーク。セリフも効果音もない静かな場面が、恐怖ではりさけそうなトキの心をクローズアップしていて、引き込まれる。
トキ役の高石あかりさんは、それまで知らなかったが、普段の明るいキャラクターと、覚悟を決めながらも(襲われる)恐怖でいたたまれない様子を、目線と表情で見事に演じ分けている。
皆さんご存知のように、(史実によれば)結局トキ(実在の小泉セツ)はヘブン先生(小泉八雲)の妻になるので、遊女にも妾にもならずに済むのである。
が、脇役で出てくる「なみ」のように、貧しさゆえ、親兄弟のために身売りし、毎日違う男に身体を売り、無関係の部外者からも蔑まれる女性もいる。「なみの方が、トキより悲惨な境遇」というのは、その通りだと思う。
これもご存知のように、「売春」は世界最古の職業とも言われ、日本でも大昔から行われている。江戸時代・明治・大正・昭和前期までは公娼制度(政府や自治体が認めた買売春)があったし、「売春禁止法」がある現代でも、グレーゾーンを利用して事実上の売春がおこなわれているのは周知の事実である。
別に、僕は「買売春」を推奨するつもりはない。ただ、「なかったこと」にはできないのである。「歴史の暗部」でも「社会の闇」でも、あったことは間違いないし、形を変えて今も存続しているのが事実である。
男性同士の「買売春」……つまりは「ウリ専」については、僕のところに来るゲイのお客様に少なからず経験者がいる。「買う側」「売る側」両方いて、それについての相談にも応じている。
僕自身はどちらも経験ないが、困窮した若い男の子が「売る側」になってしまう事情はわかる。性欲をもてあまし、相手がいなくて寂しさのあまり「買う側」になる気持ちも、わかる。
女性よりも、男性の方が「買売春」に対する抵抗が少ない気もするが、基本的には同じことだと思う。女性用風俗も存在するし……。
ある女性の知人は「どうしても必要な状況になれば、みんな『女』を利用して稼ぐのよ」と言っていた……。
また別の女性は「風俗(売春)は必要。彼女らがいなければ、女は(性被害が)怖くて外歩けない」と言っていた。
ネットのコメントを見ると、朝ドラ「ばけばけ」以上に、今の大河ドラマ「べらぼう」(舞台は江戸時代)に対する(たぶん女性からの)拒否感のコメントが見られる。
「べらぼう」の主人公「蔦重」は、吉原(江戸時代の公認遊郭)に生まれ育ったし、その後もずっと遊女とその客などが多数登場する。
「女性の尊厳が踏みにじられている」というコメントは真実だと思う。しかし、なかったことにすれば、遊女のまま亡くなった女性達が浮かばれるかというと、それは違うと思う。
「売春が奴隷制度につながる」と言うなら、男性の奴隷(のようなもの)はどうなのだろうか? 江戸時代までの日本は「人間はみな平等」ではなかった。通りすがりというだけで武士に切り殺された人もいた。
戦に半ば無理やり集められ、大した武器も訓練も与えられず、無残に戦死した無名の人達は何万人……何十万人いたことだろうか。捕虜になって殺されたり、仕えていた殿様の巻き添えで処刑された人達も無数にいた……。
僕は、どんな事柄でも、たとえ犯罪でも「なかったこと」にすべきではないと考える。
「歴史」は、まずはありのままに見つめるべきだ。その上で、現代への「教訓」にすればいい。
と言っても「買売春」は無くならないと思う。厳しく法で禁じても、地下に潜り、反社勢力の資金源になるだけだろう。
「買売春」が罪深いのは、弱者(売る側の貧困女性や少年)の奴隷化(人権侵害)が起こりやすい点である。
そこを防ぐには、法律で監視し、ルールをしっかりと決めるのがいい。
そういう意味では、「性被害者=女性だけ」が見直され、「不同意性交罪=男性被害者も含まれる」となったのは進歩だと思います。
結局のところ、「誰も傷つかない」「誰の人権も侵害しない」世の中を目指していくべきと思います。
ただ、性的少数者というだけで、まだまだ傷ついている人は少なくない……。
しかし、映画やドラマにも性的少数者が多く登場するようになったし……(あんなものを描くなというコメントもたまに見かけますが)……世の中は少しずつ、いい方向に進んでいる……と信じていきたいものです。
さて、今日の観音オラクルカードです。
↑「蓮の蜜」
古来から「蓮」は神聖な花。「蜜」は花が出す高カロリーな液体で、さまざまな動物が食用にしています。
つまり、「蓮の蜜」は神様がくださるエネルギー源。あなたは素直に受け取り、成長の糧にすればいいのです。
「蓮の蜜」は、どこまでも甘く、あなたの五体に滲みわたるでしょう。そして、更なる高みを目指しましょう。
↓我が師である 霊観占 大幸 峰ゆり子先生。


