ゲイ占い師 豫 空潤です。
NHKスペシャル「枯葉剤の痕跡を見つめて~ベトナム戦争終結50年~」を視聴しました。
ベトナム戦争は、もちろん知ってます。(以下、若い方のために概略を記します。既知の方は読み飛ばしてください)
*1955年~1975年、当時(今の朝鮮半島のように)南北に分かれていたベトナムで、統一をめぐる北ベトナム(社会主義政権)と南ベトナム(資本主義政権)とで戦争になった。
社会主義国家が増えるのを危惧したアメリカは、南ベトナム支援のため、膨大な数の米軍を派遣し、直接、北ベトナムを空爆するなどした。(日本も、当時、間接的に米軍を後方支援していて、論議の的だった)
しかし、北ベトナム側は、広大な森林(ジャングル)を利用したゲリラ戦を展開。軍事力で圧倒的有利だったはずの米軍をじわじわと追い詰め、最終的にアメリカはこの戦争から撤退した。
現在は、ご存知のように、ベトナムは1つの社会主義共和国。同時に、日本に住む外国人数のトップ3に入るほど身近な国。
我が家のパーティーに参加してくれるベトナム出身者も何人かいます。(若いので、ベトナム戦争のことは、よく知らないようです)
ベトナム戦争自体、20年も続いて、いろいろ悲惨だったのですが、とりわけ米軍が空から散布した「枯葉剤」は衝撃的でした。
1981年にベトナムで生まれた双子の男児(ベトちゃん・ドクちゃん)は、上半身は2人だが、お腹(腰)でつながっていて下半身は1人(脚は2本だけ)という結合双生児。米軍が空から散布した「枯葉剤」の影響だと言われた。
*ベトちゃん・ドクちゃんについては、日本の医療がベトナムの医療とチームを組んでケアを続け、1988年、ベトちゃんが脳症で重体となった時、「2人とも死亡」を防ぐため、分離手術した。(ベトちゃんは右足だけ。ドクちゃんは左足だけになった)
ベトちゃんは結局、寝たきり状態が続いたまま、26歳で死亡。ドクちゃんは日本が提供した義足をつけて、学校を出て社会人となる一方、ボランティア活動もしている。
25歳で結婚し、2児の父になったドクちゃんは、「日本にお世話になった」と度々来日し、東日本大震災やコロナの時、日本を支援する活動もしている。
ここまでは知っていた僕ですが、NHKスペシャル「枯葉剤の痕跡を見つめて~ベトナム戦争終結50年~」を見て、初めて知ったことや、改めて意識させられたことがありました。
〇当時の米軍は、アメリカを攻撃するゲリラ組織「(通称)ベトコン(南ベトナム解放戦線)」に手を焼いていた。米軍兵士からすると、味方の南ベトナム住民と、「ベトコン兵士」の見分けがつかない(同じ民族だから)。
〇いっそ、ベトコンが隠れているジャングルの樹木をなくそうとして「枯葉剤」を空から大量散布し続けた。(ある程度の効果はあったようだ)
〇当時のアメリカは「枯葉剤は人体には無害」とうたっていたが、実は猛毒の「ダイオキシン」だった。
〇そのダイオキシンを浴びても、確かに、すぐに火傷とかはない。しかし、ダイオキシンの入った井戸水を飲み、ダイオキシンが蒔かれた畑で育った作物を食べた人達が被害にあった。(死亡者だけでも300万人、負傷者や病人はもっと多いと言われている)
〇最初にベトナム戦争帰還兵のアメリカ人が癌などを発病し、問題になった。(枯葉剤で死亡した米軍兵士は計6万人近いと言われている)
〇ベトナム戦争で散布したダイオキシンの有毒性がわかった時、既に、ベトナムではありえないほどの数の障碍児が生まれていた。
〇ダイオキシンの怖いところは、体内に蓄積し続け、後年発病したり、親は元気でも、生まれた子どもに重い障碍が現れること。
〇ダイオキシンによる障碍児誕生は「ベトちゃん・ドクちゃん」のような結合双生児だけではない。この番組を見ると、小頭症・各種先天性内臓疾患・知能障害・先天性の手足機能障害・手足や指の欠損・眼球の欠損・先天性で全身の難治性皮膚病……などなど。
枯葉剤(ダイオキシン)散布は50年以上前に終わっているが、先述のように体内に蓄積し、後から癌などになったり、何年も経って生まれた子どもに障碍が出たりするので、未だに因果関係が証明しきれていない。
〇治療も検査も調査も不十分なため、被害者数さえ、はっきりとはしてない。死者だけでも数百万と言われ、被害者全体は、その数倍数十倍とも言われる。
〇ベトナム国内で、被害者救済制度がつくられたり、障碍者用の施設が設けられたりしている。が、十分とは言えない。障碍児を産んだ親は、既に高齢になっているが、1日中、子どもの介護に追われながら「自分が死んだら、子どもは生きていけない」と不安を口にしている。
〇ベトナム戦争の枯葉剤被害を追いかけている坂田雅子氏が、ドキュメンタリー映画をつくり続けているのだが、彼女の撮影するカメラには、日本では見かけない多種の先天性障碍者をそのまま映している。
坂田雅子氏を信頼しているのだろう、障碍者自身も、その親も、一切、カメラを避けてない。そのカメラ目線が痛々しいほどである。*坂田雅子氏の夫は、以前米軍に従軍していたアメリカ人で、ベトナムで枯葉剤を浴び続け、50代前半で亡くなってる。
〇先述の障碍者用の施設には、たくさんの障碍者が暮らしている。生まれた直後に(障碍ゆえに)親に捨てられたケースも少なくないと言う。
〇ダイオキシンを散布したアメリカの責任を問う声は、ベトナムにもアメリカ国内にもある。
しかし、歴代のアメリカ政府は「因果関係が立証されてない」とのことで責任を認めず、賠償にも応じていない。
アメリカ(民間)からの、ダイオキシン被害者への支援金は少なからずある。しかし、アメリカの国内事情で一方的に打ち切られた時もあった。今後も、どうなるかはわからない。
僕も含めて、「枯葉剤(ダイオキシン)の有毒性」「ベトちゃん・ドクちゃん」などは知っていても、今も「枯葉剤」被害者が救われず、苦しみ続けていることを意識している日本人は少ないだろう。
しかし、考えてみれば、先天性の障碍は、ほぼ一生続く。知能障害の人が、薬で治ったという話も聞かないし、手足がなく生まれた人に手足が生えてくることもない。(義手や義足は進歩しているが)
彼らに一生癒えない苦しみを与えた「枯葉剤」は天災でも感染病でもなく、人間が散布した「毒」なのである。
僕達は、「枯葉剤」被害者に対して、あまりに無力だ。しかし、まずは「知ること」「忘れず、覚え続けること」を心したい。
さて、今日の観音オラクルカードです。
↑「慈悲の輝く月」
あなたは今、「批判」や「恐れ」といった他者へのネガティブな思いを抱いています。
しかし、すぐに手放すことができます。あなたの魂は成長するからです。
今批判されていることは、いずれあなたが勝利します。恐れる必要はありません。
また、必要以上に、あなたが他者を批判することもやめましょう。
あなたの心は、慈悲の輝く月の光で覆われます。
あなたは何も恐れる必要はないのです。
心穏やかに生きればいいのです。
↓我が師である 霊観占 大幸 峰ゆり子先生。


