ゲイ占い師 豫 空潤です。

 

ドラマ「MAGI 天正遣欧少年使節」をネットフリックスで視聴しました。

 

もともとアマゾンプライムで2019年1月から配信したドラマですが、僕と同棲する日本人ゲイ男性Tommyは、ネットフリックスで見たのです。*「UーNEXT」「FOD」でも視聴できるようです。

 

「天正遣欧少年使節」とは、ご存知のように、1582年キリシタン大名4人(大友義鎮【宗麟】・大村純忠・有馬晴信ら)の名代として、ローマに派遣された4名の日本人少年を中心とした使節団。

 

なぜ、大名本人が行かず、13~14歳の少年たちを派遣したのかと言えば、

 

〇帆船(当時は飛行機も蒸気船もなかった)でヨーロッパに行くのに2~3年はかかり、ヨーロッパ滞在の日数も入れれば往復6年以上かかる。(実際、この使節団は、出発~帰国に8年かかった)当時の平均寿命を考えると、中高年は適さない。

 

〇当時のヨーロッパへの船旅は、嵐・海賊・伝染病などの危険で、途中で命を落とす者がかなりいた。体の弱い者や重要な地位の人には、リスクがありすぎる。

 

〇ヨーロッパの先進性を体験し、帰国後は日本の布教の中心になるという展望からも、できるだけ若く、吸収力・学習能力がある年代の者が選ばれた。

 

「天正遣欧少年使節」については、歴史番組で取り上げられていて、僕たちも何度か視聴していました。

 

「10代前半の日本人少年たちが、命の危険も冒して渡欧し、カトリック最高位のローマ法王に謁見を果たし、帰国する頃には成人していたが、日本はキリスト教禁止令が出ていて、その後、それぞれが波乱万丈の人生を送った」という認識は持っていました。

 

しかし、この「MAGI 天正遣欧少年使節」を見ると、そんな簡単な話ではありませんでした。

 

以下、ドラマ「MAGI 天正遣欧少年使節」の概略と感想を記します。(ネタバレします)

 

★ドラマ「MAGI 天正遣欧少年使節」(全10話)

脚本:鎌田敏夫

原案:『クアトロ・ラガッツィ 天正少年使節と世界帝国』若桑みどり著(集英社文庫刊) 

監督:長崎俊一

登場人物(役者):伊東マンショ(野村周平)・中浦ジュリアン(森永悠希)・原マルティノ(井之脇海)・千々石ミゲル(緒方敦)など。

 

あらすじ(1話~3話)*更にネタバレします。

1582年、カトリック布教のため来日していたイエズス会のヴァリニヤーノ神父は、日本人少年(13~14歳)をローマ教皇に謁見させる計画を立てる。少年の人選は、日本に設置されたばかりのセミナリヨ(司祭や修道士の養成学校)の生徒から選ばれた。

 

はるか東方の日本にもカトリック信者がいて、ローマ教皇に忠誠を誓っていることを実感させ、なかなか進まない日本での布教活動への経済的かつ精神的な支援を乞うのが、その目的であった。

 

同時に、ヴァリニヤーノは少年たちやその親に「先進のヨーロッパを見に行こう。カトリックの偉大な本拠地に行き、帰国後は布教の先頭に立つのだ」と鼓舞する。

 

しかし、イタリア人のヴァリニヤーノに対し、他のポルトガル人神父らは、「そんなことできるわけがない」「手柄を独り占めにする気だ」と反対する。

 

ヴァリニヤーノの情熱に押し切られ、少年4人と随行員7人が長崎を出港する。

 

しかし、4人の少年の思いは、さまざまだった。

 

千々石ミゲルは、千々石城主の次男で、ヴァリニヤーノの言葉を素直に受け止め、使命感に燃え、意気揚々としている。

 

原マルティノは、ラテン語を習得した優秀な少年。キリスト教というより先進のヨーロッパに行き、その文明を日本に持ち帰りたい思いが強い。

 

中浦ジュリアンは、父亡き後、母に頼りきりな弱い自分を変えたくて、母の心配を押し切り、参加する。

 

伊東マンショは、落城した城主の子で、家族は散り散り、物乞いをしているのをイエズス会に拾われた。家族が目の前で死ぬという凄惨な過去から、誰も信じられず、キリスト教も信じてない。しかし、無理やり使節団に組み込まれ、(支援を乞うため)織田信長に謁見した際に「キリスト教の『愛する』とは何か? その目と耳で見てこい。何が何でも生き抜いて、帰ったらワシに教えろ」と言われ、生まれて初めて、生きる目標を持ち、使節団に加わる。

 

少年4人と随行員・水夫らを乗せた船は、マカオ寄港後、次の中継地ゴア(インド)を目指す。途中、大嵐に遭い、船は転覆の危機に陥る。安全な場所を求めたミゲルが船底で見たものは……鎖につながれた日本人少年少女の奴隷たちだった。

 

嵐がおさまり、ミゲルが他の3人を誘って、再び船底に行く。と、水夫らが来て、奴隷の少女を無理やり連れて行く。水夫の「目的」を察したミゲルは阻止しようとして乱闘になる。

 

後で、ミゲルはヴァリニヤーノに直訴する「日本人を大事にし、奴隷にしないというのは噓だったのか? 信長に謁見した際も、黒人奴隷を献上していた。結局、西洋人は、それ以外の国を見下している」と。

 

ヴァリニヤーノは「奴隷を買ったのはポルトガル商人。売ったのは日本人商人。イエズス会には止められない」などと反論するが、ミゲルらを説得しきれない。

 

ご存知のように、16世紀末は大航海時代で、スペインとポルトガルが世界を2分しようとしていた。東アジアはポルトガルの縄張り。イエズス会の布教活動と軍隊の侵略・植民地化で、相手の国を支配してきていた。ミゲルの質問・抗議に対して、答えられる西洋人はいなかったのだ。

 

ゴア(インド)で下船し、日本に帰ると言い張るミゲル。しかし、出国の際に最も意気揚々としていたミゲルを、他の3人が説得する。そして、主導者のヴァリニヤーノが、突如、イエズス会からインドの布教責任者に抜擢され、ゴアで下船することになる。他のポルトガル人神父たちの策略だった。イタリア人のヴァリニヤーノの「手柄」を阻止するためだった。

 

絶望しながら、ミゲルたちに後を託すヴァリニヤーノ。まだ西洋人やイエズス会への不信感をくすぶらせながらも、ローマへの旅の続行を決意するミゲル。

 

 

4話~10話のあらすじは、詳しくは書かないでおきますが……歴史を調べればある程度わかります。4人はポルトガルに到着し、スペインからイタリアに渡り、ローマ教皇に会うことができました。

 

しかし、その道程は簡単ではなく、何度も絶望させられたり、命の危険にさらされたりします。到着した4人は、ヨーロッパの建築に圧倒されながら、キリスト誕生の際の「東方三賢人」になぞられて大歓迎されたりする一方で、理不尽な蔑視を受けたり、石を投げられたりするなどした。

 

ヨーロッパでは、プロテスタントが勢力を延ばし、カトリックと対立していた。カトリックによる異端者(プロテスタントなど)への残虐な「火炙りの刑」も4人は見てしまう。

 

しかし、謁見に応じたローマ教皇(晩年)は穏やかで、少年たちの直球の質問にも真摯に答えてくれた。「三賢人」を意識して、ジュリアンだけが宿泊先に残されたが、それを聞いた教皇はすぐにジュリアンを呼び、他の3人と同じく、親しく会話し、ハグをかわした。

 

少年たちの渡欧への思いは、必ずしも、イエズス会の意図する「ローマ教皇への忠誠」ではなかった。しかし、帰国する頃には、当初は信者ではなかったマンショも含めて、カトリックの司祭になると心に決めた。

 

そんな4人を日本で待っていたのは、信長の死後、「日本の王」になった秀吉の「バテレン追放令」であり、キリスト教への厳しい弾圧だった。

 

 

ドラマはここで終わるが、後日談として、帰国した4人のその後が語られる。

 

千々石ミゲルは、当初は「キリスト教を棄てて生きた」とされていたが、最近の発掘で「隠れキリシタン」だったことが判明した。

 

伊東マンショは、布教活動して領主から追放され、長崎で病死した。

 

原マルティノは、西洋文明を紹介する書物を次々と出版したが、国外追放され、マカオで客死した。

 

中浦ジュリアンのその後が、最も壮絶である。

 

ジュリアンは、伝道を続けた挙句に捕まり、拷問を受けた。最も残酷だと言われる拷問で、全身を縛られた状態で逆さに吊られ、頭部を糞尿につっこまれた。こめかみを切られ、そこから少しずつ血が出るので、簡単には絶命しない。4日間、棄教を拒んで亡くなった。処刑前に「我こそが、ローマに行った中浦ジュリアンである」と絶叫したと言う。

 

長崎県には、西海市の「中浦ジュリアン記念公園」や「中浦ジュリアン像」などがあり、禁教下に布教活動したジュリアンを讃える施設があると言う。

 

3年前に長崎県に旅行した僕とTommyですが……今だったら「中浦ジュリアン像」を見たかったです。宗教というより、自分の信念に命を捧げ、残虐な拷問にも負けなかったジュリアンの足跡を……たどりたかったです。

 

さて、今日のMAPオラクルカードです。

↑「場に宿る精霊」リバース(逆さま)。見やすくするために正位置で貼り付けてます。

 

現実を見ましょう。

些細なことにこだわったり、欲望に囚われていたりすると、目が曇ってしまいます。

 

本質を見ましょう。

あなたにはその力があるのです。

 

直感と願望は違います。直感に耳をすませましょう。

 

自分に正直に、ありのままの姿でいてこそ、本当の「宝」をみつけられるのです。

 

↓我が師である 霊観占 大幸 峰ゆり子先生。

 

 

↑峰ゆり子先生宅玄関前の観音像(北海道苫小牧市)