ゲイ占い師 豫 空潤です。

 

前回の続きで、少し前の対面鑑定です。マサフミさん(仮名・30代ゲイ男性・関東在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。

 

マサフミ「僕は、子どもの頃から『変な奴』と言われていて、自分でもそう思うんです。大人になってからも何か変で……」

と言うマサフミさんの高校生での初体験までが↓です。

 

僕「マサフミさんは、子どもの頃から『変な子』と言われていたといいますが、今までのところ、それほど変わっていたとは思いませんが……」

 

マサフミ「親に愛されなかったから、自分の自信が持てなかったんです。でも、ませている訳ではなく、変にさめた子でした。優しい言葉をかけられても素直に受け止めることができなくて……。中学の片思いの同級生の男子にも嫌味ばかり言ってました」

 

僕「思春期には、よくある話ですよね? で、高2でゲイ初体験して、それからはゲイの自覚が強くなったんですよね?」

 

マサフミ「はい、高校卒業後、すぐに東京に出て、バイトしながら専門学校に通い、卒業後、就職したんですが……。半年で辞めて、バイト生活に戻りました」

 

僕「高卒で家を出たのは、やはり、実の両親ではなく、愛されなかったからですか?」

 

マサフミ「親戚の人から『あんたの親は、実家の財産を弟に継がせたいのよ』『育ててくれた親に感謝するなら、すべて弟に相続させなさい』って言われて……高卒後は自力で生きていこうと思ったんです」

 

僕「18歳で上京したのですね? 新宿2丁目に行ったら、モテたでしょう?」

 

マサフミ「声はかけられましたが……どの人とも長続きしませんでした」

 

僕「人間不信からですか?」

 

マサフミ「優しくされればされるほど、僕は我が儘になってしまうんです。『じゃあ、〇〇してくれる?』とか……。あと、浮気して、相手にわざとバラしたり……」

 

僕「ちょっと……相手の人に同情しますね」

 

マサフミ「今考えると、自分でもそうです。で、あんなに好きって言ってくれた男が去っていくと……ホッとするんです。変わってますよね?」

 

僕「相手が去っていくと、ホッとする?」

 

マサフミ「相手が好き好きって迫ってくると……不安なんです。『本心だろうか? いつまでもこの状態が続くわけない……』って思って……。フラれると『やっぱりな……』って思うんです」

 

僕「愛されることに慣れてないんですね?」

 

マサフミ「でも……ホッとするとともに、後悔もして……『もっと素直に好意を受け入れていればよかった』と思って……フラれた相手にメールとかしてしまったり……。未練がましいんです」

 

僕「相手の方の反応は?」

 

マサフミ「『あんなに振り回してきたくせに』って思うんでしょうね? そっけない返事だったり、『次の相手ができたから』と断られたり、無視されたり……。当然ですよね」

 

僕「それで、『変わり者』扱いされるようになったんですか?」

 

マサフミ「ゲイバーで知り合った人と付き合って、別れた場合……。その後1人で出向くと、みんなからよそよそしい態度をされて……そのゲイバーには行きづらくなって……また違う店に行って、同じようなことがまた起こって……」

 

僕「相手の方も傷ついたかもしれませんが、マサフミさんもつらいですよね? 愛されなかったトラウマですね?」

 

マサフミ「相手の方がより傷ついているのは確実です。ある土曜日、彼氏の部屋に泊ったら、翌日曜日、彼氏は仕事だったんです。夕方には帰るからここで待ってろって言ってたのに、暗くなっても帰って来ず、連絡もない……」

 

僕「不安になりますよね?」

 

マサフミ「また逃げられたんだと確信して、1人でゲイバーに行って、そこで初対面の男とデキてホテル行ったんです」

 

僕「それで?」

 

マサフミ「ホテル入ったところで、彼氏から電話が来て『突然の残業で、携帯が充電切れしていたが、やっと充電できた。今から帰る』って……」

 

僕「どうしました?」

 

マサフミ「もうダメだと思って『もう遅い。新しい男つくって、今、ホテルでやってる最中。いいとこだから邪魔するな』って、毒づいたんです」

 

僕「彼氏の部屋に帰らなかったんですか? まだホテル入ったばかりでしょう? すぐに帰れば浮気未遂で済んだのに……」

 

マサフミ「ダメなんです。そういう時、してはいけない方を選択してしまうんです。後からゲイバーで、彼氏が僕の浮気を知ったら……って思うと……パニックになって、冷静な判断ができないんです」

 

僕「で?」

 

マサフミ「彼氏は激怒です。『たった半日待てないのか? 俺が自宅に帰らないわけないだろ? お前みたいなヤリマン野郎は顔も見たくない』って……」

 

僕「そうなりますよね。で、新しい男性と?」

 

マサフミ「デキたばかりの男は、僕が彼氏と痴話げんかしているのに気づいて、『俺、そういうの関わりたくない』って帰って行きました」

 

僕「両方の男性を失ったんですか?」

 

マサフミ「僕は、いつもそんな感じです。うまく行き始めると、やってはいけないことをしてしまって、破綻するんです」

 

僕「……」

 

マサフミ「傷つきたくなくて……最悪の状況だけは避けたくて……そうなる前にって冷めた振りしてしまって……結局、最悪の結果になってます。いくつかのゲイバーで、僕はヤリマンのクズって噂されてます……きっと」

 

僕「過ぎてしまったことは仕方ないので、これからどうするか? ですよね?」

 

マサフミ「はい。やっぱり、僕は変人ですよね?」

 

僕「愛されなかったトラウマゆえですよ。マサフミさんが悪いわけではありません」

 

マサフミ「そうですか? 僕は変われるでしょうか?」

 

僕「ここに、裏返しのゲイタロットカード78枚があります。気になる1~2枚をめくってください。マサフミさんへのメッセージカードになります」

 

マサフミ「では……これと……これ」

↑「カップの2」正位置。

男性が鏡に映った自分と向き合っています。

あなたは、もっと自分を知り、なぜそういう言動をしたかを突き詰めるべきです。

 

↑「皇帝」正位置。

そんなあなたを受け止めてくれるのは年上の男性です。そういう男性に甘えて、過去のトラウマも打ち明けて理解され、愛されることが必要でしょう。

 

マサフミ「年上がいいんですか?」

 

僕「マサフミさんは、何歳ぐらいの男性がタイプですか?」

 

マサフミ「自分から見てプラスマイナス5歳ぐらいです」

 

僕「ひと回り以上年上の人がいいですよ」

 

マサフミ「え? 50歳近い人になりますが?」

 

僕「それぐらい離れていると、ライバルになりにくいんですよ」

 

マサフミ「ライバル?」

 

僕「マサフミさんには幼い頃から、常にライバルがいたでしょう?」

 

マサフミ「弟のことですか?」

 

僕「ご両親が実子である弟さんをかわいがったのは理屈では仕方ないとわかるけど、感情では悔しいはずです。弟さんを憎いと思った時もあったでしょう?」

 

マサフミ「ずっと憎かったです。自分の弟を憎んでいるなんて……我ながらひどいやつだという自覚もあります」

 

僕「多くのゲイは、年の近い男性を相手に選びますが、マサフミさんは避けた方がいいでしょう。ライバルになりやすいからです」

 

マサフミ「……」

 

僕「ライバルへの嫉妬は、理屈で克服できるものではありません。ライバルにならない人を選んだ方がいいのです」

 

マサフミ「僕からすると、アラフィフ男性は『おじさん』ですが……」

 

僕「見た目よりも、マサフミさんをより愛し、かわいがってくれる男性を選びましょう」

 

マサフミ「疑似親子……みたいな?」

 

僕「半分恋人で、半分は親になってくれる相手がいいです。50近い男性は、やっぱりダメですか?」

 

マサフミ「最近、コロナが明けて、行き始めたゲイバーで寄ってくる男性がいるんです。たぶん50歳前後で……」

 

僕「いいじゃないですか?」

 

マサフミ「正直言って、タイプから外れていて、断り続けているんですが……」

 

僕「その男性から、マサフミさんへの好意を感じますか?」

 

マサフミ「好意というか……ベタベタ触ってくるんですよ。『エロオヤジ』って呼んでいるんですが……」

 

僕「触られて不快ですか?」

 

マサフミ「不快っていうか……いつもと同じで……この人、きっと本気じゃないよな? 僕の本性を知ったら、逃げていくよな? って思うんです」

 

僕「その警戒心を、少しだけ緩めたら、どうでしょうか?」

 

マサフミ「エロオヤジに触らせるんですか?」

 

僕「その前に、マサフミさんのことをどう思っているか……聞いてみるとか?」

 

マサフミ「……そうですね。もし、本気で愛してくれるなら……触らせてもいいです」

 

僕「触らせるだけでなく、どこかのタイミングで、マサフミさんのトラウマを少しずつ打ち明けるとか……」

 

マサフミ「ドン引きしませんかね?」

 

僕「実母に育ててもらえなかったのは、子どもの責任ではありません」

 

マサフミ「……そう思ってもらえますかね? 30過ぎても、親に愛されなかったって恨んでいる奴を理解してくれますか?」

 

僕「離れた年上ほど、相手に寛容ですよ」

 

マサフミ「そうですね。もし、こんな変人の僕を理解し、受け止めてくれる人がいたら、おじさんでも何でもいいです。無条件で愛してくれるなら……」

 

僕「たとえ、その人とうまくいかなくても、やけにならないでくださいね」

 

マサフミ「自制します。その人がダメなら、次の『おじさん』を狙います」

 

僕「そうしてください」

 

マサフミ「ありがとうございました。相談してよかったです」

 

僕「こちらこそ、ありがとうございました」

 

さて、今日の千一夜タロットです。

↑「ワンドのエース」正位置。

ワンドは行動の象徴。大きな鹿が背中に乗ってくれと待っています。

新しいことを始めるのに、いい時期です。

 

↑「剣の5」正位置。

盗人が入った宮殿には鳥がいっぱいです。お宝探しの邪魔です。

 

しかし、この盗人は剣を抜き、たくさんの鳥たちを斬り殺すか、追い払うかしようとしています。

飛ぶ鳥を斬るのはまず無理だし、これだけたくさんでは、追い払っても追い払っても、戻ってくるでしょう。

 

過剰な「やる気」が空回りしそうです。冷静な判断……時に「引く」ことも必要です。

 

2枚を合わせ読むと、

行動の時期ですが、状況判断は欠かせません。あなたの能力をどこに集中させるか……そこを間違えないようにしましょう。

 

↓ 占いの師である、霊観占 大幸 峰ゆり子先生。 

 

 

↑峰ゆり子先生宅玄関前の観音像(北海道苫小牧市)