ゲイ占い師 豫 空潤です。

 

今年は、元日夕方に能登半島地震が起きました。我が家も少しだけ揺れました。すぐにテレビをつけましたが、夜になった段階では死者数名という報道だったはずです。しかし、今日の段階では死者127人とのこと。予想以上の大災害で、ただただ驚いています。

 

「元日に親族が集まったら、被災」とか……「自分はなんとか瓦礫の下から抜け出せたが、家族がまだ取り残されている、5日経ったが、まだ生存を信じている」とか……。想像するだけで恐ろしく、痛ましいことが、起こってしまった……。

 

亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、安否不明者の救出と避難生活者の支援が少しでも早く行われますように願っています。

 

さて、話変わって、少し前の対面鑑定です。マサフミさん(仮名・30代ゲイ男性・関東在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。

 

マサフミ「運勢というか、人生全般を見てもらいたいのですが……」

 

僕「承知いたしました。おうかがいしている生年月日・生誕地・生誕時刻でホロスコープ(西洋占星術出生図)から鑑定致します」

 

マサフミ「僕は、子どもの頃から『変な奴』と言われていて、自分でもそう思うんです。大人になってからも何か変で……。精神科で検査してもらおうかとも考えたんですが……。医者に何と言っていいかわからなくて……。占い師さんなら、何かわかるのかなと考えて……。こんな理由でもいいですか?」

 

僕「大丈夫ですよ。どんな星の下に生まれたかで、わかることはありますから。まず、マサフミさんは、ちょっと特別なご家庭に育ちましたね?」

 

マサフミ「それ、わかるんですか?」

 

僕「お客様の中で『特別な家庭環境』って、かなりの割合でいらっしゃるんですよ」

 

マサフミ「幼い頃のトラウマで、ゲイになるってことですか?」

 

僕「同性愛については、先天的なことだと言われていますし、私もそう思います。むしろ、占い師のところに来る方に『特別な家庭環境』の方が多いということでしょう」

 

マサフミ「ああ、そうですよね。僕は、まさにそうです。普通の家庭に育ったら、こんななってないと思うんです。でも、人に言うと『環境のせいにするな』『親の責任にするな』って言われます」

 

僕「現代の日本では『自己責任論』が盛んに言われますけど……子どもの頃に与えられた影響って大きいですよ。誰もがそれを克服できるわけじゃない」

 

マサフミ「ですよね? 僕は、せめて実の母親に育ててもらいたかったです」

 

僕「育ててくれたのは養母なのですね?」

 

マサフミ「養母は実の伯母です。養父はその旦那です。恨み言は言いたくないのですが……言うと、『育ててもらっておきながら、恩知らずめ!』って叱られたことがあるので……」

 

僕「私は、基本的にお客様を叱りませんから。大丈夫ですよ」

 

マサフミ「僕は子どもの頃から、自分は両親から愛されてないって思っていたんです。2つ下の弟は小学校高学年になっても母に抱っこされていたのに……僕はそうされた記憶がないんです」

 

僕「お父様は?」

 

マサフミ「父も同じです。肩車とか、弟ばかりしてもらってました。でも、小さい子がしてもらうのは当たり前で『お兄ちゃんだから我慢すべき』って、子どもながらに思ってました」

 

僕「兄弟を平等に育てるべきだと思いながらも、なかなかできない親御さんはいますね」

 

マサフミ「つらかったのは、小学校3年の時です。友達から借りた自転車で練習し、補助輪なしでも乗れるようになっていたんですが……親に自転車をねだっても買ってくれませんでした」

 

僕「……」

 

マサフミ「それなのに……小1の弟が誕生日プレゼントで補助輪付きの自転車を与えられたんです」

 

僕「お兄ちゃんとしては『僕も欲しい』となりますね?」

 

マサフミ「はい、母にそう言いました。でも『弟のを借りなさい』って言われて……」

 

僕「弟のは補助輪付きですよね?」

 

マサフミ「そうなんです。一生懸命練習して、補助輪なしで乗れるようになったのに……。それに、小3の僕にとって、小1の弟用の自転車は小さすぎるんです」

 

僕「でも、ご両親は買ってくれない?」

 

マサフミ「弟は『自分が誕生日にもらったもの』と思っていますから。弟が使わない時に借りるしかないんです」

 

僕「大人にとっては、たかが自転車ですが……小学生にとってはつらいですね」

 

マサフミ「何度か借りて乗りましたが、よけいにみじめで、その時は自転車を諦めました。でも、やっぱり友達と一緒に乗りたくて……小5でお年玉をつぎこんで、安い自転車を自力で買いました」

 

僕「その時、ご両親は何か言ってましたか?」

 

マサフミ「『人からもらったお年玉でも、お母さんやお父さんが、その分、よその子にお年玉あげてるから、あんたがもらえたんだよ』『お母さんやお父さんに感謝すべきでしょ?』って、母から言われました」

 

僕「理屈はそうですが……」

 

マサフミ「小5の僕は言い返せず、両親に頭を下げました。でも、それ以上に自分の自転車を持てたことが嬉しかったです」

 

僕「その頃、ご両親は実の親ではないとご存知だったのですか?」

 

マサフミ「いえ。当時は実の親だと思っていました。中学に入って盲腸の手術で血液型が両親と全く違っていて、メンデルの法則からすると『あり得ない』となって、頭が真っ白になりました」

 

僕「ショックでしたよね? ご両親の養子になった経緯を聞きましたか?」

 

マサフミ「聞きました。母の妹が実母でした。実母は都会に出て、お腹大きくなって帰ってきて、僕を産んだ後、病気で死んだっていう説明でした。だから、既に結婚していた実母の姉が僕を養子にしてくれたと……」

 

僕「養父母の方は、結婚していたが、お子さんがまだだったのですね?」

 

マサフミ「だいたいの内容は説明の通りでしたが、その後、親戚の人から聞いたら、ちょっと違っていて……」

 

僕「そうなのですか?」

 

マサフミ「実母は、父親のわからない子を産んだことで将来を悲観して自殺したそうです。実母の姉夫婦、つまり僕の養父母は、最初は僕を養子にすることに後ろ向きだったが、病身の老母……僕にとっては祖母ですが、老母に懇願されて渋々、僕を養子にしたんです。でも、やっぱり実子が欲しくて、不妊治療の末に弟が生まれたんです」

 

僕「お母様の妹……つまり亡くなった叔母さまが実の母で、お母様と思っていた人の方が伯母さまだったのですね?」

 

マサフミ「幼稚園の時に亡くなった祖母やその前に死んでいた祖父とともに、実母の遺影は実家の仏壇に飾られてました。まさか、実母とは思わず拝んでました。今思えば、お墓参りだけは、熱出した弟と看病役の父を家に残し、母が僕だけ墓に連れて行ってくれたことがありました」

 

僕「お墓にはご祖父母とともに、実母の方が入っていたのですね?」

 

マサフミ「そうです。父だけでなく、母も弟の方をよりかわいがってましたが、お墓参りは僕だけ連れて行ってくれた……実母に成長した僕を見せるためだったんです」

 

僕「そこは……救われる思いですね」

 

マサフミ「はい、両親とも、僕が憎いわけじゃない。実の子である弟の方がかわいいのは人間として当たり前だと、納得できました」

 

僕「とは言っても……中学生ですよね? 多感な時期で、よけいに精神不安定になりますよね?」

 

マサフミ「そうですね。相変わらず、周りからは『変な子』と見られてました。高校でもそうでしたが……」

 

僕「高校生の時、何かあったのですね?」

 

マサフミ「高2の夏休みの部活で、臨時コーチで来ていた大学生の先輩に誘われて……」

 

僕「その先輩と同性愛行為を?」

 

マサフミ「そうです。1人だけ体育館に呼ばれて、マンツーマン指導してもらって、夜ご飯おごってもらって……その帰り道に……送ってもらって……」

 

僕「帰り道に? 外で?」

 

マサフミ「先輩はビール飲んだので、酔いを醒ましたいって公園に寄って……灯りのない木陰のベンチに座って……」

 

僕「性被害に遭ったのですか?」

 

マサフミ「いや、そういう感じではなく、肩を抱いてきて……」

 

僕「高2のマサフミさんは、それまで性的体験はなかった?」

 

マサフミ「なかったですけど……先輩の意図はわかったし……嫌じゃなかったです」

 

僕「その……人が通るかもしれない公園のベンチで……性行為を?」

 

マサフミ「人が通るところから木で隠れているベンチでしたが……今考えると、大胆ですよね? あ、でも、セックスってわけではなく、相互オナニーみたいな感じです」

 

僕「でも、高校生のマサフミさんにとっては……人生初の性体験ですよね?」

 

マサフミ「はい。その日、なんで僕だけ呼ばれて……っていうのがわからなかったんです。レギュラーでもないし、2年生の中で1番ってわけじゃない。でも、夜の公園で誘われて……意味がわかったんです」

 

僕「狙われたんですね? その体験でゲイに目覚めたんですか?」

 

マサフミ「いえ、田舎の高校生だから未経験でしたが、どちらかと言うと、男の方に興味がありました。先輩は、それを見抜いたんですよ」

 

僕「その先輩が初恋の人なのですか? その後、お付き合いに?」

 

マサフミ「初恋は中学の同級生男子ですが、片思いで、告白すらできませんでした。その先輩ともそれっきりでした」

 

僕「夏休みだけの臨時コーチだから、秋には大学に帰って行った?」

 

マサフミ「そうです。その、マンツーマン指導の日の翌日、先輩からいつもの顧問の先生に指導が引き継がれて……」

 

僕「マサフミさんは『次誘われるのはいつだろう?』って考えませんでしたか?」

 

マサフミ「考えました。でも、誘われませんでした。1年後の夏休み、また臨時コーチに来てくれたんですが、僕は誘われませんでした」

 

僕「『僕は誘われない』……って、まさか……?」

 

マサフミ「はい、僕の後輩が誘われました」

 

僕「わかったんですか?」

 

マサフミ「はい、団体練習の後、後輩の1人が先輩に呼ばれてたんです」

 

僕「それだけでは……?」

 

マサフミ「数日後、そいつに『先輩からエロいことされたろ?』って問い詰めたら、そいつ赤くなって『し、してません』って言うから『〇〇公園で見かけたぞ』ってカマかけたら、そいつ更に真っ赤になって『な、何を見たんですか?』って言うから……」

 

僕「後輩は白状したんですか?」

 

マサフミ「しました。『お前がイカされるとこを見た』って更にカマかけたら、『みんなに言わないでください』って泣きそうな顔になって……」

 

僕「まさか……言いふらしてませんよね?」

 

マサフミ「言いふらしてませんが、秘密を守る引き換えに『俺にもヤラせろ』って言って……その後、公園に行って、そいつをイカせました」

 

僕「……」

 

マサフミ「ドン引きしましたか? 俺、そういう人間です。先輩に捨てられ、後輩に乗り換えられた悔しさで、好きでもない後輩の体を弄んだんです。先輩への復讐です」

 

僕「気持ちはわかります。初体験の相手が来るのを1年間待っていたら、その相手は、あっさりと他に行った。人間不信になりますよね?」

 

マサフミ「物心ついた頃から、『なぜ弟ばかりが愛されるのか?』って思って、一種の人間不信でしたけどね。『やっぱり、俺は先輩にも選ばれ続けないんだ』って思い知らされましたね」

 

僕「それで、その先輩とも、その後輩とも、1度きりの関係ですか?」

 

マサフミ「先輩は、それ以後臨時コーチに来なくなったし……後輩は、もともとお互いに好きでもなんでもないので……。ただ、その後輩は、僕が卒業する直前に『僕、彼女ができましたから』とわざわざ言いに来て……。「おめでとう」とは言ってやりました」

 

僕「中高生の時に同性と性行為したとしても、それは好奇心や成り行きからであって、もともとノンケ(異性愛)だという場合はありますね」

 

マサフミ「他の人は、なんだかみんな要領いいのに、僕だけが不器用で、不運で、頑張ろうと思っても裏目に出て……」

 

マサフミさんの独白はまだ続きますが……長くなるので、次回に続きます。

 

さて、今日の千一夜タロットです。

 

↑「ワンドの7」正位置。

この漁師は「人魚がいる」と聞いて、入り江に網を仕掛けたのでしょう。美しい女性の人魚を捕えたかったのです。

しかし、網に掛ったのは、髭面・強面・筋骨隆々の男性人魚。しかも、男性人魚はまんざらでもない顔をして漁師を見つめてきています。漁師は困惑でしょうか……ちょっとコミカルにも見えます。

 

やはり、このカードは「ゲイ」を象徴しています。「千一夜物語」にも、幾度か「男性同性愛」は出てきますから。イスラム教で同性愛禁止になる以前のアラブ世界は、同性愛はある程度存在し、顕在化されていたのです。

 

↑「ワンドの10」リバース(逆さま)。見やすくするために正位置で貼り付けてます。

中央の大きな樹木が生えているのは、島にも大きな船にも見えますが、鯨などの巨大生物のようです。

つまり、あり得ないほどの巨大な怪物に近づいてしまっている小舟……ということです。

 

リバース(逆さま)ですから、到底、あなたの手には負えません。「君子危うきに近寄らず」です。

 

2枚を合わせ読むと、ゲイに絡んだことで、あなたの力を超えたトラブル・アクシデントが起こります。

あなたにはどうしようもできません。早々に手を引きましょう。

下手に手を出すと、火傷をしますよ。

 

↓ 占いの師である、霊観占 大幸 峰ゆり子先生。

 

 

↑峰ゆり子先生宅玄関前の観音像(北海道苫小牧市)