夜の彷徨:ラリー・カールトン | かえるの音楽堂

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LARRY CARLTON:LARRY CARLTON

(1978年)

 この当時のギター・アルバムで名盤と言えば、まず最初に思い浮かぶのは。ラリー・カールトンのサード・アルバムにあたる本作“夜の彷徨”です。この作品はフュージョン・ミュージック史上に残る名盤のひとつとして今でも売れています。そして当時から多くのギター・キッズがコピーしました。ラリーは1968年にファースト・アルバム“With a Little Help from My Friends”を発表しましたが、このアルバムは完全に幻の作品で、その後1973年発売の“シンギング&プレイング”が事実上のファースト・アルバムとも言えます。ラリーは1971年から1976年までクルセイダースに在籍し活躍しました。そしてクルセイダーズを脱退後最初に発表したのが本作品です。ラリーはこのアルバムについて「クルセイダーズでは出来なかった自分自身の音楽をやりたかった」と言っていました。本作品ではプロデュースとギター、そしてヴォーカルも担当しておりそれだけ100%自分の音楽を表現しているものと思います。また作曲も2曲を除きラリーのオリジナルです。参加メンバーはグレッグ・マティソン(kyb)、エイブラハム・ラボリエル(b)、ジェフ・ポーカロ(ds)、ポウリーニョ・ダ・コスタ(pec)ら当時ロスの売れっ子ミュージシャン達です。

 

1.Room 335(ルーム335)

2.Where Did You Come From(彼女はミステリー)

3.Nite Crawler(ナイト・クロウラー)

4.Point It Up(ポイント・イット・アップ)

5.Rio Samba(リオのサンバ)

6.I Apologize(恋のあやまち)

7.Don't Give It Up(希望の光)

8.(It Was) Only Yesterday(昨日の夢)

 

1曲目の「Room 335(ルーム335)」は彼の代名詞とも言える曲です。曲名の由来は、彼のスタジオ名でありまた愛用のギターがギブソンのES-335でした。メロディアスでよく歌うこの曲は今でも人気な曲です。2曲目「Where Did You Come From(彼女はミステリー)」はカナダの黒人シンガー・ユニットのウィリアム・スミスとエリック・マーキュリーです。ここではラリーのヴォーカルがフィーチャーされています。3曲目「NITE CRAWLER(ナイト・クローラー)」はラリーのオリジナルで、また元在籍していたクルセイダースのアルバム「旋風に舞う」にも収録されていました。クルセイダーズのウィルトン・フェルダーのパートをラリーがギターで演奏しています4曲目「Point It Up(ポイント・イット・アップ)」はラリー作のロック・フィーリング溢れる曲です。5曲目「Rio Samba(リオのサンバ)」は今でもライブで演奏される人気曲です。ラリーのテクニック溢れるギター演奏とともにグレッグ・マティソンのソロ演奏にも注目です。6曲目「I Apologize(恋のあやまち)」もウィリアム・スミスとエリック・マーキュリー作のヴォーカル・ナンバーです。7曲目「Don't Give It Up(希望の光)」はロック・フィーリング溢れる曲です。8曲目「(It Was) Only Yesterday(昨日の夢)」は美しいバラード曲でメロウなラリーの“泣きのギター”がされます。このアルバムの翌年には日本でのライヴ・アルバム“MR.335 ライヴ・イン・ジャパン”を発表しました。その後も毎年のように精力的にアルバムを発表しました。またソロ活動の他に1994年から1997年に掛け多くのツアーに参加し、1995年にはリー・リトナーとのデュエット・アルバムをリリースしました。1997年からはリトナーに代わりフォープレイに参加しました。1998年11月にはスティーヴ・ルカサーと日本ツアーを行い、その模様を収録したライヴ・アルバムを2001年にリリース、このアルバムは翌年第44回グラミー賞で最優秀インストゥルメンタル・ポップ・アルバム賞を受賞しました。これからもまた多くの名盤を生み出していくとおもいます。これからも目が離せません。