リット:リー・リトナー | かえるの音楽堂

かえるの音楽堂

70年~80年のCROSSOVER(FUSION)とJAZZを中心にAORか
らSOULまで、かえるのお勧めのGood Music Albumや音楽情報な
どを紹介いたします。

RIT : LEE RITENOUR

(1981年)

 リー・リトナー通算10枚のこのアルバムは、これまでのフュージョンからAOR、ロック、R&Bテイストを大胆に取り入れたポップスアルバムです。発売当時はアナログレコードでしたが、そのA面のうち1曲目から4曲目までの4曲がヴォーカル入りでAOR路線となっています。B面はインスト曲5曲となっておりフュージョン色が強くなっています。ヴォーカリストとしては、ビル・チャンプリンとエリック・タッグの二人がフューチャーされていますが、うちエリック・タッグがメインでフューチャーされています。エリック・タッグは当時無名でしたがこのアルバム参加で有名になり、その後エリックのリーダー・アルバムも製作されています。エリックは今回のアルバムでは作詞・作曲も何曲か担当しておりソングライターとしても非凡な才能を発揮している。

 

1.Mr. Briefcase(ミスター・ブリーフケース)

2.(Just) Tell Me Pretty Lies(テル・ミー・プリティ・ライズ )

3.No Sympathy(ノー・シンパシー)

4.Is It You?(イズ・イット・ユー )

5.Dreamwalk(ドリームウォーク)

6.Countdown  (Captain Fingers)(カウントダウン)

7.Good Question(グッド・クエスチョン)

8.(You Caught Me) Smilin'(スマイリン)

9.On the Slow Glide(オン・ザ・スロウ・グライド)

10.No Sympathy (Reprise)(ノー・シンパシー(リプリーズ))

 

 1曲目「ミスター・ブリーフケース」作詞・作曲をエリック・タッグが担当したAORナンバーです。2曲目「テル・ミー・プリティ・ライズ」は作詞がエリック・タッグ、作曲をリー・リトナーが担当するファンキーなナンバーです。3曲目「ノー・シンパシー」もエリック・タッグ作詞、リー・リトナー作曲で、こちらはスローなナンバーです。そしてアルバム4曲目の「イズ・イット・ユー」は作詞をエリック・タッグとビル・チャンプリンが、作曲とアレンジがリー・リトナーが担当しました。この曲はシングル・カットされビルボードの第15位までなる大ヒットとなりました。この当時のフュージョン・シーンはアルバムに2,3曲のヴォーカル曲を入れるものが多かったと思います。ヒットを狙うにはヴォーカルを入れる必要もあったようです。実際そういったアルバムの中からヴォーカル曲がチャートを賑わしていたのも確かです。そういった中でここまで多くのヴォーカル曲を並べたことは大きな話題となりました。参加メンバーの豪華さも話題でしたね、メンバーは前述のヴォーカリスト二人とリトナーの他、ハーウ゛ィー・メイソン(ds)、デウ゛ィッド・フォスター、ドン・グルーシン(key)、エイブラハム・ラボリエル(b)、ジェフ・ポーカロ、アレックス・アクーニャ(ds)、ポリーニョ・ダ・コスタ(perc)、ルイス・ジョンソン(b)、グレッグ・フィリンゲインズ(key)、リチャード・ティー(key)、グレッグ・マティソン(key)、ジェリー・ヘイ(tp)となっています。現在聴いても古くさくなく改めて完成度の高さに驚かされます。後に「RIT2」というアルバムも作りましたがこちらは2番煎じであったように思われます。いずれにしろこの「RIT」はジャズ・ギタリストとしてだけでなくポップスにも見事な才能を発揮させたリー・リトナーの代表作の一つと言えます。