ニューヨーク・オール・スターズ・ライヴ:深町 純&ニューヨーク・オール・スターズ | かえるの音楽堂

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JUN FUKAMACHI&THE NEWYORK ALL STARS LIVEJUN FUKAMACHI

深町 純は77年にブレッカー・ブラザースとの共演アルバムを制作、78年には単身ニューヨークに渡りリチャード・ティー、スティーヴ・ガッド、ブレッカー・ブラザース、デヴィッド・サンボーンといったニューヨークのミュージシャンとアルバム“On The Move”を制作しました。当時はまだ若手でスタジオ・ミュージシャンとして活躍していた彼らを日本人として早くから起用していた先駆けが深町でした。そして“On The Move”に参加したメンバーを中心に日本で今では伝説との言えるコンサートを19789月に行いました。場所は東京の後楽園ホール及び郵便貯金小ホールで行なわれました。その時の記録として残されたのが今回紹介する作品です。とにかく参加メンバーがすごいです。ランディー・ブレッカー(tp)、マイケル・ブレッカー(sax)、デイヴィット・サンボーン(sax)、リチャード・ティー(keyb)、スティーブ・カーン(g)、アンソニー・ジャクソン(b)、スティーブ・ガッド(ds)、マイク・マイニエリ(vib)そして深町 純(keyb)発売当時はレコード2枚組でしたがCDでは1枚に収録されライヴ感覚で一気に聞けます。全9曲で演奏されている曲は各メンバー達の持ち寄りです。ライヴ演奏とは言え中には各メンバーのオリジナル・アルバムに収録されている演奏よりも質が高いと言われている曲もあります。深町 純やリチャード・ティー、マイケル・ブレッカーといったすでに亡くなってしまった人もいますし、もはや再現不可能な本当に伝説のライヴです。このライヴをきっかけに日本でも彼らの知名度が上がりフュージョン・ブームに繋がりました。収録曲のうち1曲目から3曲目までが郵便貯金ホールでの演奏、4曲目以降が後楽園ホールでの演奏ですが、ひとつのライヴのように全く違和感ありません。

 

1.Rocks(ロックス)

2.Sara Smile(サラ・スマイル)

3.Virginia Sunday(ヴァージニア・サンデー)

4.Inside Out(インサイド・アウト)

5.I'm Sorry(アイム・ソリー)

6.Dance Of Paranoia Op.2(ダンス・オブ・パラノイア Op.2

7.Gypsy Jello(ジプシー・ジェロ)

8.Jack Knife(ジャック・ナイフ)

9.Love Play(ラヴ・プレイ)

 

1曲目「Rocks」はランディ・ブレッカーの曲でブレッカー・ブラザースのデビュー・アルバムからの曲です。マイケル・ブレッカーとデヴィッド・サンボーンの掛け合いが素晴らしいパワフルな演奏です。リチャード・ティーがアコピを担当し深町はエレピを弾きます。2曲目「Sara Smile」ホール&オーツ作のバラード・ナンバーです。マイク・マイニエリのリリカルなヴィブラフォン・ソロに続き、サンボーンがソウルフルなソロを聴かせてくれます。3曲目「Virginia Sunday」はリチャード。ティーの曲です。マイケル・ブレッカーのソロがフィーチャーされます。4曲目「Inside Out」はランディ・ブレッカー作のシャッフル・ナンバーです。ソロは深町 純のシンセとマイク・マイニエリです。5曲目「Inside Out」はマイク・マイニエリ作のバラード・ナンバーです。ソロはマイケル・ブレッカーです。6曲目「Dance Of Paranoia Op.2」は深町 純の作です。スティーヴ・ガッドをはじめ最高のリズム隊をバックに深町がソロを取ります。ランディはエフェクターを効かせてソロを取ります。7曲目「Gypsy Jello」はリチャード・ティーの作です。リチャードのピアノのントロからマイク・マイニエリがテーマを演奏し、リチャードのピアノを挟んでマイクがソロを取ります。ラストのスティーヴ・ガッド迫真のドラム・ソロが圧巻です。8曲目「Jack Knife」はランディ・ブレッカー作のミディアム・ナンバーです。リズム隊のイントロからホーン・セクションがテーマを演奏します。ブレッカー・ブラザースが最高のジャズ・ロックを聴かせてくれます。そしてこのコンサートのハイライトはラスト9曲目マイク・マイニエリ作「Love Play」です。15分に渡る演奏はホーン抜きの6人で演奏されます。マイニエリの美しいテーマ演奏からスティーヴ・カーンのギター・ソロ、スティーヴ・ガッドのソロ、リチャード・ティーのピアノ、そして後半のスティーヴ・ガッドのソロは鳥肌ものです。ラストの深町 純のシンセ・ソロも素晴らしい。