ポート・プレジャー:ラルフ・マクドナルド | かえるの音楽堂

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70年~80年のCROSSOVER(FUSION)とJAZZを中心にAORか
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どを紹介いたします。

PORT PLEASURE : RALPH MacDonald

(1998年)

 スーパー・パーカッショニストであり、プロデューサー、コンポーザーとして活躍していたラルフ・マクドナルドの98年の作品です。この作品は前作「JUST THE TWO OF US」から2年ぶりにリリースされたものです。アルバムの感想は一言で「楽園の音楽」っていう感じでしょうか。ラルフから我々への「ハッピー」の贈り物です。アルバムはライナーに書かれているように、島から島をめぐる船の旅を愛するラルフが、異国情緒あふれる港町を訪れる旅からインスピレーションを得ています。曲名も「ハイ・タイド(高潮)、スプラッシュ(水飛沫)、シーブリーズ(潮風)、キャッチ・オブ・ザ・デイ(本日採れたてのお薦め料理)」などいずれも船の旅での経験したことに由来しています。どの曲も陽気で穏やかな雰囲気です。聴く人を皆、ハッピーな気分にさせてくれます。参加ミュージシャンはラルフの旧知の仲間達で、スティーヴ・ガッド、クリス・パーカー(ds)、アンソニー・ジャクソン、エイブラハム・ラボリエル(b)、グロヴァー・ワシントンJr.(sax)、トム・スコット(saxYAMAHA WX-7)、ロブ・マウンジー(keyb)、ジェフ・ミロノフ(g)、ロバート・グリーニッジ(steel-ds)、デニス・コリンズ、ナディラ・シャクール(vo)等です。ヴォーカルのデニス・コリンズ、ナディラ・シャクールはラルフのお気に入りのヴォーカリストで、前作でも美しい歌声を聴かせてくれています。

 

1. HIGH TIDE(ハイ・タイド)

2. CATCH OF THE DAY(キャッチ・オブ・ザ・デイ)

3. CAN'T LET GO(キャント・レット・ゴー)

4. SEABREEZE(シーブリーズ)

5. THE VIBE(ヴァイブ)

6. SPLASH(スプラッシュ)

7. I WANNA HOLD YOU TONIGHT(アイ・ワナ・ホールド・ユー・トゥナイト)

8. RIO SUNSHINE(リオ・サンシャイン)

9. WATCHING YOU WATCHING ME(ウォッチング・ユー・ウォッチング・ミー)

10. BELIEVE(ビリーヴ)

 

1曲目「 HIGH TIDE(ハイ・タイド)」はニューヨークの港をモチーフにしています。作曲はラルフと、ウィリアム・ソルター、ウィリアム・イートン、ウィリアム・アレンです。アルト・ソロはトム・スコットです。2曲目「CATCH OF THE DAY(キャッチ・オブ・ザ・デイ)」はカリブの海をモチーフにしています。作曲は、ラルフが“スティール・ドラムのピカソ”と絶賛する、トリニダード・トバコ出身でこのアルバムにも参加しているロバート・グリーニッジです。この曲では、トム・スコットがYAMAHAのウィンド・シンセ“ WX-7”を吹いていますが、それにしてもトム・スコットのWX-7のサウンドってすごく暖かい感じで、ウィンド・シンセというよりアコースティック楽器のような音に聞こえますね。3曲目「CAN'T LET GO(キャント・レット・ゴー)」は、ラルフとウィリアム・ソルター、ウィリアム・イートン、ウィリアム・アレンの曲です。ヴォーカル・ソロはデニス・コリンズです。トム・スコットはアルトを吹いています。4曲目「SEABREEZE(シーブリーズ)」はラルフとウィリアム・ソルター、ウィリアム・イートンの曲で、ブラジルの港をモチーフにしています。アルト・ソロはグローヴァー・ワシントン、Jr.です。「ワインライト」の再演ですね。5曲目「THE VIBE(ヴァイブ)」はラルフとウィリアム・ソルター、ウィリアム・イートン、ウィリアム・アレンの曲で、ラルフ夫妻のトリニダード・トバコへの旅から生まれた曲です。ヴォーカルはデニス・コリンズです。6曲目「SPLASH(スプラッシュ)」はウィリアム・アレンの曲で、カリブの海をモチーフにした曲です。ロバート・グリーニッジのスティール・ドラムがメロディを取ります。トム・スコットのWX-7のソロがフューチャーされます。7曲目「I WANNA HOLD YOU TONIGHT(アイ・ワナ・ホールド・ユー・トゥナイト)」はラルフとウィリアム・ソルター、ウィリアム・イートンの曲で、ラルフがカリブのビーチを眺めている時に、留守番をしている奥様のことを想って浮かんだ曲ということです。ヴォーカル・ソロはナディラ・シャクールです。8曲目「RIO SUNSHINE(リオ・サンシャイン)」もブラジルの港をモチーフにした曲で、ラルフとウィリアム・ソルター、ウィリアム・イートン作です。再びグローヴァー・ワシントン、Jr.のサックスがフューチャーされます。9曲目「WATCHING YOU WATCHING ME(ウォッチング・ユー・ウォッチング・ミー)」はウィリアム・イートン作です。デニス・コリンズ、ナディラ・シャクールのヴォーカルがフューチャーされます。10曲目「BELIEVE(ビリーヴ)」はラルフとウィリアム・ソルター、ウィリアム・イートンの曲で、のナディラ・シャクールのヴォーカルがフューチャーされます。名人達による曲はどの曲もとても暖かみがあり、とっても心地良く休日の午後のひとときにお勧めのアルバムです。