WEST SIDE HIGHWAY : STANLEY TURRENTINE
(1977年)
スタンリー・タレンタインは50,60年代はブルー・ノートからファンキーなアルバムを出していました。スリー・サウンズとのコラボ作なんかもとても良い作品だと思います。そして1970年代に入ると、クリード・テイラーの設立したCTIと契約し自身のリーダー・アルバムを製作したり、他のミュージシャンのアルバムに参加したりしていました。CTIでは第1作目の「シュガー」が大当たりし、クロスオーヴァー・シーンでも注目されました。タレンタインは人気者となったのですが、本人はCTIでの活動に満足していなかったと言われています。CTIではオーナーでありプロデューサーである、クリード・テイラーの意向に沿った作品を作ることになり、自分のやりたい音楽を作れなくて段々と不満が溜まってしまいました。そして次に契約したのが、ファンタジー・レコード(Fantasy Records)です。ファンタジー・レコード(Fantasy Records)は1949年にマックス・ウェイス、ソル・ウェイスの兄弟によって設立されたジャズ・レコード・レーベルです。今回紹介するアルバムはファンタジー・レコードでの7作目のものです。参加メンバーはエリック・ゲイル、コーネル・デュプリー、ロイド・デイビス(g)、ロン・カーター(b)、ゲイリー・キング(elb)、ポール・グリフィン(keyb)、グラディ・テイト(ds)、ジョン・ミラー(p)、クラッシャー・ベネット(perc)、クラウス・オーガマン(arr,cond) 他です。STUFFのギタリスト二人の名前を見てすぐ買ってしまいました。曲は全6曲と少な目なのはこの当時としては仕方ないですが、もっとたくさん聴いてみたいですね。
1. Walkin'(ウォーキン)
2. Ann, Wonderful One(アン,ワンダフル・ワン)
3. Hudson Parkway (West Side Highway)(ハドソン・パークウェイ)
4. Sugar(シュガー)
5. Peace Of Mind(ピース・オブ・マインド)
6. Stan's Thing(スタンズ・シング)
1曲目「ウォーキン」はマイルス・デイビスの演奏で有名になったブルース曲です。ロン・カーターのベースをバックにタレンタインのソロが唸ります。エリック・ゲイルのブルージーなソロも聴けます。ジョン・ミラーのピアノ・ソロも良いですね。2曲目「アン、ワンダフル・ワン」はストリングスとシンセをバックにタレンタインはがしっとりとテナーを吹いています。3曲目「ハドソン・パークウェイ」では重厚なオーケストラをバックにタレンタインがブローしています。4曲目「シュガー」はCTIでの第1作目のタイトル曲であり、タレンタインの最大のヒット曲の再演です。ストリングスをバックにお馴染みのテーマをタレンタインが吹いています。ギター・ソロはエリック・ゲイル、ベースはロン・カーターです。5曲目「ピース・オブ・マインド」もストリングスとホーン・アンサンブルをバックにじっくりとメロディを歌い上げています。6曲目「スタンズ・シング」はワウワウ・ギターのイントロで始まるファンキー・ナンバーです。ポール・グリフィンのゴスペル・タッチのピアノ、ゲイリー・キングのベースもごきげんな感じです。ゴージャスなオーケストラをバックにしたフュージョン作品で、タレンタインはこの後もこの路線に沿った作品を残しています。