ハンガリアン・ラプソディー:ガボール・ザボ | かえるの音楽堂

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MACHO : GABOR SZABO

(1975年)

 70年代のクロスオーヴァー・シーンでは多くのギタリストが活躍しました。そんな中でひときわ個性的なハンガリー出身のガボール・ザボはジプシー音楽の影響を感じさせるギタリストです。彼は1966年には最初のアルバム“ Gypsy '66(ジプシー'66 ”を発表します。そして毎年2、3作のペースで精力的に作品を発表しました。70年になるとトミー・リピューマのプロデュースのもと“High Contrast(ハイコントラスト)”を発表しました。このアルバムでは後にジョージ・ベンソンがカバーした、“ブリージン”を演奏しておりフュージョン初期の作品として注目したい作品です。1972年になるとクリード・テイラーのCTIと契約し“Mizrab(ミズラヴ)”を発表しました。この作品ではボブ・ジェームスがアレンジを担当しました。そして1975年になるとCTIの兄弟レーベルSALVATIOJNから“MACHO(マチョ)”を発表します。このアルバムではボブ・ジェームスがプロデュースを担当しているので、よりボブ・ジェームス色が強くなっています。参加メンバーはガボール・ザボ(g)、エリック・ゲイル(g)、ボブ・ジェームス(keyb)、イアン・アンダーウッド(synth)、ルイス・ジョンソン(b)、ジョン・ファディス(tp)、ハーヴィー・メイソン(ds)、ラルフ・マクドナルド、アイドリス・ムハマッド(Perc)、トム・スコット(tslyricon)他です。ベースがボブの片腕ゲイリー・キングではなく、ルイス・ジョンソンというのが注目したいところです。

 

1Hungarian Rhapsody #2(ハンガリアン・ラプソディー第二番)

2Time(タイム)

3Transylvania Boogie(トランシルバニア・ブギー)

4Ziggidy Zag(ジギディー・ザグ)

5Macho(マチョ)

6POETRY MAN(ポエトリー・マン)

 

 1曲目「Hungarian Rhapsody #2」はハンガリーの作曲家リストの名曲“ハンガリー狂詩曲第2番”を取り上げています。イントロではエリック・ゲイルのカッティングが聴けます。民族色を感じられる曲をボブ・ジェームスがファンキーにアレンジしています。ルイス・ジョンソンのベース・プレイもいかしています。2曲目「Time」はガボール・ザボの作品で、アレンジもガボール・ザボが行っています。3曲目「Transylvania Boogie」はボブ・ジェームスの作品で、アレンジはもちろんボブです。ルイス・ジョンソンのベースからスタートします。このルイスのベース・パターンが格好良く決まっています。ファンキーな曲でもガボールのギターは見事にマッチしています。中盤にトム・スコットがソロで吹きます。4曲目「Ziggidy Zag」はドラムで参加しているハーヴィー・メイソンの作のファンキーでグルーヴィーな曲です。アレンジはハーヴィー自身です。表題曲でもある5曲目「Macho」はガボール・ザボの作品です。アレンジもガボールです。ジプシー調の哀愁を帯びたエキゾチックな旋律のサウンドです。6曲目「POETRY MAN」は歌手フィービー・スノウの作品でアレンジはボブ・ジェームスです。このアルバムはボブ・ジェームスが初めてプロデュースを任された作品であり、ボブの都会的で洗練されたサウンドとガボールのエキゾチックなギターとが見事に融合された作品です。