ラヴランド:ロニー・リストン・スミス | かえるの音楽堂

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70年~80年のCROSSOVER(FUSION)とJAZZを中心にAORか
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LOVELANDLONNIE LISTON SMITH

(1978年)

 ロニー・リストン・スミスはゴスペルを歌っていた父の影響で幼い時からトランペットやピアノを演奏しました。高校時代にジャズに目覚め、大学では音楽を専攻しピアノを弾きました。卒業後はニューヨークに出てアート・ブレイキー、ローランド・カーク、マックス・ローチ、ファラオ・サンダースらと共演しました。特にスピリチュアル・ジャズの担い手とも言われるファラオ・サンダースのグループに加入したことが、その後のロニー・リストン・スミスの音楽性に影響を与えたものと言われています。ロニーの作り出す音楽は独特の浮遊感と宇宙的な広がりをもったサウンドでした。ロニーはRCAレコード系列のフライング・ダッチマンと契約し、ロニー・リストン・スミス&ザ・コズミック・エコーズを結成して1973年にファースト・アルバムを発表しました。フライング・ダッチマンでは4作を制作し、RCAからはライヴ・アルバムを含む3作を発表した後にコロンビア・レコード(現SONY)に移籍し発表した作品が本作“LOVELAND(ラヴランド)”です。アルバムのバック・カヴァーには、「We hope that we have brought you some Bright Moments on your journey into “Loveland”(我々は“ラヴランド”へ向かう旅で、あなたに輝かしい瞬間を与えることを望む)」と記載されています。この言葉とさらにアルバム・ジャケットの南国の楽園ムードのイラストがこのアルバムのテーマと言えると思います。参加ミュージシャンはデヴィッド・ハバード(saxfl)、マーカス・ミラー(b)、ロナルド・D・ミラー(g)、ジョージ・ジョンソン(ds)、ドナルド・スミス(vofl)、ローレンス・キリアン(perc)です。ドナルド・スミスはロニーの弟さんです。また若きマーカス・ミラーが参加していることは注目です。

 

1.Sunburst(サンバースト)
2.Journey Into Love(ジャーニー・イントゥ・ラヴ)
3.Floating Through Space(フローティング・スルー・スペース)
4.Bright Moments(ブライト・モーメント)
5.We Can Dream(ウィ・キャン・ドリーム)

6.Springtime Magic(スプリングタイム・マジック)
7.Loveland(ラヴランド)
8.Explorations(エクスプロレイションズ)

 

1曲目「Sunburst(サンバースト」南国ムードたっぷりのメロウな曲です。浮遊感のあるロニーのエレピとフルートのサウンドが爽快です。マーカスのベースが全体を締めている感じで、メロウだけでなくリズミックな感じにまとまっています。2曲目「Journey Into Love(ジャーニー・イントゥ・ラヴ)」はマーカス作のファンキーな曲です。ロニーの弟さんのドナルド・スミスがヴォーカルを担当しています。3曲目「Floating Through Space(フローティング・スルー・スペース)」は浮遊感たっぷりのコズミックな曲です。4曲目「Bright Moments(ブライト・モーメント)」リズミカルなスミスのピアノからスタートします。アップテンポな南国ムードたっぷりの曲です。デヴィッド・ハバードのソプラノ・サックスがフューチャーされます。5曲目「We Can Dream(ウィ・キャン・ドリーム)」この曲もマーカスの作です。ドナルド・スミスのソウルフルなヴォーカルがフューチャーされます。6曲目「Springtime Magic(スプリングタイム・マジック)」軽快なアップテンポな曲です。7曲目「Loveland(ラヴランド)」はアルバム・タイトル曲です。ここでもドナルド・スミスのヴォーカルがフューチャーされます。ゆったりした楽園モードたっぷりの曲です。8曲目「Explorations(エクスプロレイションズ)」ゆったりしたファンファーレのようなイントロから一転ファンキーな曲になります。ロナルド・D・ミラーのファンキーなギター・ソロがフューチャーされます。ロニーはこのアルバムの後、コロンビア・レコードには2作を残しDoctor Jazzに移籍します。ロニーのアルバムの中でもスピリチュアルは控え目で南国ムード沢山のアルバムです。ロニーの代表作と言えると思います。