別れたくないのに:ハンク・クロフォード | かえるの音楽堂

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70年~80年のCROSSOVER(FUSION)とJAZZを中心にAORか
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どを紹介いたします。

  HANK CRAWFORD’S BACKHANK CRAWFORD

(1977年)

 クリード・テイラーが創設したレーベルであるKUDUは姉妹レーベルのCTIに比べ、よりR&B寄りでありソウル・フィーリングに溢れた作品が製作されています。そして今回紹介するのは、きっと音楽性のルーツがR&Bがであると思うブラック・フィーリングに溢れたサックス・プレーヤー、ハンク・クロフォードの1977年のアルバムです。このアルバムはSTUFFや、彼らの音楽が好きな人には絶対にお勧めの作品です。参加メンバーはハンク・クロフォード(as)、リチャード・ティー(el-p)、エリック・ゲイル(g)、スティーヴ・ガッド(ds)、ジェレミー・スタイグ(fl)、アンソニー・ジャクソン、ゲイリー・キング(b)、アンディー・ニューマーク(ds)、ニッキー・マレロ(perc)、フレッド・ウェズリー(tb)、アレンジャーはデヴィッド・マシューズです。

 

01FUNKY PIGEON(ファンキー・ピジョン)」

02I CAN'T STOP LOVING YOU(愛さずにいられない)」

03YOU'LL NEVER FIND ANOTHER LOVE LIKE MINE(別れたくないのに)」

04CANADIAN SUNSET(カナダの夕陽)」

05MIDNIGHT OVER MEMPHISミッドナイト・オーヴァー・メンフィス)」

 

ドラムは1曲目から3曲目までがアンディー・ニューマーク、4曲目と5曲目がスティーヴ・ガッドです。ベースは1曲目から3曲目までがゲイリー・キングで、4曲目と5曲目がアンソニー・ジャクソンです。1曲目「FUNKY PIGEON(ファンキー・ピジョン)」はリチャードのフェンダーローズ・エレピとエリック・ゲイル、ゲイリー・キングの重量級ベースをバックに全編に渡り、ジェレミー・スタイグのソロ・フルートがフューチャーされます。ハンクはトロンボーンのフレッド・ウェズリーとユニゾンで前後のテーマを吹いています。2曲目「I CAN'T STOP LOVING YOU(愛さずにいられない)」は、どこを切ってもR&Bな曲です。ワン&オンリーなエリック・ゲイルのギターとリチャード・ティーのエレピが嬉しいですね。STUFFフューチャーリングハンク・クロフォードって感じですね。3曲目「YOU'LL NEVER FIND ANOTHER LOVE LIKE MINE(別れたくないのに)」は、フィリーソウルのギャンブル&ハフの作です。この曲はルー・ロウルズが76年に歌ってヒットさせました。中盤でジェレミー・スタイグのソロがフューチャーされます。そして何と言っても後半のエリック・ゲイルのグルーヴィーなソロが泣かせてくれます。4曲目「CANADIAN SUNSET(カナダの夕陽)」からドラムがスティーブ・ガッドに変わりSTUFFの3人が揃います。バックの演奏はSTUFFそのものです。この曲デヴィッド・マシューズのアレンジが素晴らしいですね。5曲目「MIDNIGHT OVER MEMPHISミッドナイト・オーヴァー・メンフィス)」いやーこの曲も最初からSTUFFそのもの。リチャードのエレピ、アンソニーとスティーヴの鉄壁のリズム隊をバックにハンクの熱いサックス・プレイ。エリック・ゲイルのブルージーなギターとラストを飾るに相応しいこの曲は11分ほどのロング・プレイを堪能できます。ところでアルバム・ジャケットのハンク・クロフォードの後ろ姿に注目です。ハンクの着ているTシャツ“CTI SUMMER JAZZ”とプリントされています。なるほど!アルバム・タイトルが“HANK CRAWFORD’S BACK”、ハンクの背中ですね。このTシャツ欲しいです!(笑)