リヴィング・インサイド・ユア・ラヴ:アール・クルー | かえるの音楽堂

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108-Livining Inside Your Love













LIVINING INSIDE YOUR LOVE:EARL KLUGH
(1976年)
 70年代フュージョンの全盛期にはリー・リトナー、ラリー・カールトン、ジョージ・ベンソンといったギタリスト達が大活躍しました。彼らはアコースティックも弾くことはありますが基本的にはエレクトリック・ギターが中心です。そんな中でアコースティック・ギター1本でフュージョン界に新風を巻き起こしたギタリストがアール・クルーです。そのアール・クルーがデビュー作より半年後に製作したセカンド・アルバムが今回紹介する“LIVINING INSIDE YOUR LOVE(リヴィング・インサイド・ユア・ラヴ)”です。アール・クルーは翌年には名作「フィンガー・ペインティング」を発表したように、すごく乗っていた時期のアルバムです。もっともアール・クルーは1970年17歳の時にはジョージ・ベンソンのグループに参加しており、このアルバム制作時もまだ23歳位であり、その後も多くの素晴らしいアルバムを制作しています。この作品もデイヴ・グルーシンとラリー・ローゼンのプロデュースによるもので、アレンジはデイヴ・グルーシンが担当しており、デイヴ・グルーシン色の強いアルバムになっています。選曲はバレエティに富んでおりオリジナル曲にカバーを加え非常にポップな作品となっています。参加メンバーは、デイヴ・グルーシン(keyb)、フランシスコ・センテーノ、ウィル・リー、エディ・ゴメス、ルイス・ジョンソン(b)、スティーブ・ガッド(ds)、ジェフ・ミロノフ(b)、ラルフ・マクドナルド、ハーヴィー・メイソン(perc)、エディ・ダニエルズ(fl、sax)他です。なんかベーシストの使い方が豪華ですね。

1.Captain Caribe(キャプテン・カリブ)
2.I Heard It Through The Grapevine(悲しいうわさ)
3.Felicia(フェリシア)
4.Living Inside Your Love(リヴィング・インサイド・ユア・ラヴ)
5.Another Time, Another Place(アナザー・タイム、アナザー・プレイス)
6.The April Fools(エイプリール・フールズ)
7.Kiko(キコ)

 1曲目「Captain Caribe(キャプテン・カリブ)」はデイヴ・グルーシンの作でリー・リトナーが翌年にカバーしており、リーの代表曲でもありますね。いかにもデイブ・グルーシンらしいカラフルなアレンジで一聴してデイブ・グルーシンのアレンジと分かります。ちょっとカリビアンな雰囲気の曲です。リー・リトナーの演奏と比べ、どちらも甲乙付けられませんね。ウィル・リーとスティーヴ・ガッド強力なリズム隊をバックにアール・クルーがアコギで元気に主旋律を奏でます。2曲目「I Heard It Through The Grapevine(悲しいうわさ)」はマーヴィン・ゲイやグラディス・ナイツ&ピップスの大ヒット曲です。ここでもウィル・リーとスティーヴ・ガッドの超強力リズム隊をバックに、アール・クルーがメロディを主旋律を奏でます。バック・ヴォーカルのパティ・オースチンの使い方といいデイヴ・グルーシンのアレンジが冴えています。3曲目「Felicia(フェリシア)」はアール・クルーのオリジナルです。ベーシストはフランシスコ・センテーノに変わります。ポップでアップテンポな曲です。アルバム・タイトル曲の4曲目「Living Inside Your Love(リヴィング・インサイド・ユア・ラヴ)」はデイヴとアール・クルーの共作で、後にジョージ・ベンソンがカバーしています。やはりデイヴ・グルーシンのアレンジが冴えていますね。パティ・オースチンらバックのコーラスの使い方も効果的です。5曲目「Another Time, Another Place(アナザー・タイム、アナザー・プレイス)」はデイヴ・グルーシンのオリジナルです。ベーシストはエディ・ゴメス、ドラムはスティーヴ・ガッドと後のガッド・ギャングのコンビです。デイヴのアコースティック・ピアノのイントロからアール・クルーのギターと続きます。デイヴ・グルーシンらしい旋律の曲です。6曲目「THE APRIL FOOLS(エイプリル・フールズ)」はバート・バカラックの作品です。アール・クルーのアコースティック・ギター・ソロで演奏されます。7曲目「7.Kiko(キコ)」はアール・クルーのオリジナルです。いきなりジョージ・ジョンソンのベース・ソロからスタートします。ドラムはハービー・メイソンです。ベースに導かれクルーがアコギを弾きます。ちょっとカリビアンな雰囲気の曲です。このセカンド・アルバムは優美で繊細なアール・クルーの魅力が100%引き出されており、センスの良いアレンジはさすがデイヴ・グルーシンです。





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